- 運営しているクリエイター
記事一覧
獄中者の家族と友人の会定例会。
2022年9月24日10時から12時、
新宿御苑に近いいつもの法律事務所で
獄中者の家族と友人の会の定例会でした。
この会には、刑務所出所者、家族が拘禁中の方、支援団体のメンバー、弁護士、ソーシャルワーカーなどが参加します。
毎回、自己紹介と近況報告をしてミーティングをします。
話し合われた内容は非公開ですが、そこから、話題になったリンクを添付していきます。
まずは死刑囚表現展2022
私
第一の生① 子供時代
【子ども時代】
とにかく元気な子だった。幼稚園では一番粗暴だったと思う。
スカート捲りもしたし、節分の福豆を同級生の耳にねじ込んだこともある。前の席に座ろうとする同級生の椅子を何度も引き、尻餅をつかせて泣かせて、それを見て笑っていたことを記憶している。
いたずらばかりをして、同級生をよく泣かせた。
同じ教室の園児は、毎朝ピアノの練習をしてから園庭に遊びに出るのだが、自分はその練習の時間も遊びに使っ
第一の生② 小学生になった。
ピカピカ光る黒いランドセルを買ってもらい、小学校に入った。
入学間もない学力テストのほとんどの科目で00点を取った。
算数で空欄を見落として満点を取りそこねた悔しさを今でも覚えている。
小学校の最初の担任は2つ年上の姉の担任をしていた30代の女性の教員だった。
姉が3年生になり、その教師は年生の私のクラスの担任になった。
担任に私は嫌われた。そのきっかけはいくつもあるのだろうが、一番に覚えているの
第一の生③ 小学校2年生になり、隣町の借家へ引っ越しをした。
小学校2年生になり、自宅の建て替えために1年間隣町の借家へ引っ越しをした。社会の景気は良く、両親は仕事で家を空けることが多かった。
父は新聞が配達されるより早くに家を出る。それに合わせて自分も早起きをして、父を見送る。母も程なくして仕事に出かける。私は姉に朝食を作る。
薄く卵を焼き、マヨネーズを塗り、チーズとハムを載せた薄切りのトーストに挟む。姉がそのホットサンドを食べる。私は、卵を入れた納豆で和
第一の生⑥ 大学の一般教養はどの講義も受けていて面白かったが、微分積分学、熱力学、流体力学など、数学の延長線上にある理系の専門科目は苦手
大学の一般教養はどの講義も受けていて面白かったが、微分積分学、熱力学、流体力学など、数学の延長線上にある理系の専門科目は苦手で、ノートを取り続けてもほとんど理解できなかった。
それでも、教職課程を終え、教職免許は年で取得できれば中学で理科の授業ができる。
木曜日の午前は講義が無いので、その日は自動車免許の取得に充てることにした。高校の頃からバイクに乗って運転には馴れていることから、自動車学校には行
第一の生⑦ 私は、彼女が購入した金額より高くその覚せい剤を買い取り、彼女のいる部屋でキッチンに流した。
私は、彼女が購入した金額より高くその覚せい剤を買い取り、彼女のいる部屋でキッチンに流した。
彼女にとっては高価なものでも、自分にとっては不用品だ。彼女の薬を使う機会を買い取ることにはお金を出せる。
彼女の喧嘩っ早い性格も、情緒不安定で急に泣き出すことも、仕事が続かないことも、そればかりのせいにはできないが、覚醒剤の影響があったと思う。
第一の生⑩ 点滴をされているとき、付き添いの警察官に 「この点滴に空気を吹き込んだら死ねるかな。」 と質問した
点滴をされているとき、付き添いの警察官に
「この点滴に空気を吹き込んだら死ねるかな。」
と質問したが、「多分死ねない。」と言われた。
刑事には黙秘し続けていたが、事務官のような役割の留置室の警察官には日常会話をする。
救急病院で自殺はできそうになかった。
点滴を打ったが輸血はない。前回救急車で運ばれたのと同じ、自然治癒力だけで完治できる軽傷だった。
切った手首から吸い出した血を多く飲んでいた。少
第二の生① 刑が確定した日、これまで拘置所で購入した食料品が全部廃棄となる。前日までに食べておけばよかったが、チョコレートと納豆が廃棄された。
【受刑生活の始まり】
分類処遇
刑が確定した日、これまで拘置所で購入した食料品が全部廃棄となる。前日までに食べておけばよかったが、チョコレートと納豆が廃棄された。
着ていた私服は全て保管倉庫に領置され、衣類は全て官物となる。灰色の作業着のような上衣とズボンを着せられ、下着は誰かが使っていたパンツを履いた。
拘置所からどこの刑務所に行くのか。それを決める分類のため、少年刑務所に移送された。少年刑務所