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『池袋モンパルナス』を読み解く14

池袋西口通信社は、「池袋モンパルナス」について情報を集めています。先日購入した書籍『池袋モンパルナス』(集英社)を読み進めてきましたが、そろそろ佳境に入ろうとしています。
今回ご紹介するのは、いよいよ第三部「落花」の第二話「硝煙と鉛筆」です。
『池袋モンパルナス』はこのお話で本編は終わります。戦争が始まり、仕方なく戦争画を描いてしまい終生心に暗い陰を落とした画家が紹介されています。

戦後ファッション・イラストレーターとして名を馳せた長沢節の逸話が描かれていました。戦時中徹底的に不真面目だった彼は国民服やゲートルを持たず、点呼の時に編笠を被って出席し、こっぴどく怒られたそうです。懲りずに彼はアトリエの床をきれいに磨き、ダンスホールを作り、アトリエ村の画家やモデルを招いては踊り明かし、それは空襲警報下でも続いたようです。池袋モンパルナスの自由さは戦時中であっても健在でした。

一方で、戦後になって戦争協力をしたことに悔やむ画家もいました。それは丸木俊(赤松俊子)です。『ヤシノ木ノ下』という昭和17年発行の絵本で、当時は赤松俊子として画を担当していました。内容はシンガポール占領を賛美したものでした。
当時は何も食べるものがなく、どんな仕事でもしなくてはならず、出版社からの依頼も中身を見ずに引き受けてしまったようです。物語を読んでからとても後悔し、戦後もずっと悔やむことになりました。次回はいよいよ最終話です!お楽しみに!

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