出雲黄昏

小説を書いたり、小説にまつわる雑記を記してます。 エブリスタ: https://es…

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小説を書いたり、小説にまつわる雑記を記してます。 エブリスタ: https://estar.jp/users/1482230071

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  • 【小説】オトメシ!

    7万字くらいのボリュームです。 ジャンルは大衆グルメ×音楽ドラマ×ヒューマンドラマ という異色の組み合わせで、きっとまだ誰も見たことのない独特の世界観がこの中にあります。

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【短編小説】自殺幇助士

※この物語はフィクションであり、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。        特大テレビの映像は16Kの高画質。画一的な規格によって大量生産されたであろう映像は美麗だ。    テクノロジーの進歩は著しく、僕らの視力が追い付けないほどに解像度は上がっていくというのに、「多様性」。こんな解像度の低い抽象的な言葉によって、人類は自ら本質を見抜く能力を落としている気がしてならない。    容認すべき事柄の増したダイバーシティとかインクルージョンとかいう

    • 【雑記】ギャンブルが題材の長編を書き終えて、考えたこと

       いつもありがとう、出雲黄昏です。  エブリスタにて連載を開始しました。4/29に完結します。  今のところnoteでの掲載予定はありません。ご要望がもしあったら考えますが……。  小規模な公募に出すからどちらにせよ6月頃に非公開に戻します。  ゴールデンウイーク前半には完結するので、読んでもらえたら最高に嬉しいです。  コメントを参考にさせていただき公募までに修正する予定なので、バシバシご批判ください。  本作(10万字くらい)を書き終え、推敲も何回かしたけれど

      • 【雑記】漢字四文字系名前ヒロインってあり? その1

         いつもありがとう。出雲黄昏です。    創作論が好きだ。  インタビュー記事・動画。書き手個々のブログ。  アマチュアだろうがプロだろうが、書き手の苦悩や葛藤、極意、嗜好……。書き手は何を考えて、どう表現しようとしているのか。  それらを拝見し、僕はいつも新しい視点を得ている。    執筆で五里霧中。  霧の中模索、やみくもに彷徨っているなか、他の書き手さんの視点に出会うと突然視界がクリアになることがある。  ハッとするよね。そういうのって。  だから、noteで発信してく

        • 【短編小説】淡い桜木の盟約

          「ねえねえヒカルくん。この曲イヤフォイで聞いたらすごくいいよ」 「どこのマリオだよ」   「え何言ってんの?」   「……よくそれで有名校受かったな」    僕と隣り合い、桜木の下ベンチに座る真島一乃々佳。背後で淡く咲かすは僕らと同学年、樹齢15年のソメイヨシノ。  そよそよと揺らめく桜のシルエット柄の樹影に一乃々佳は陰っては照らされ、胸元にはコサージュが据え咲く。これは今日、卒業式で在校生が贈ってくれたものだ。    父さんがマイホームの庭にソメイヨシノを一本だけ植えた

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        【短編小説】自殺幇助士

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        • 【小説】オトメシ!
          18本

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          【雑記】「自殺幇助士」あとがき…はやめだ!くらえNG集!

           いつもありがとう、出雲黄昏です。  本作読んでなくてもどうぞ。  さて、  本当はつらつらとあとがき書いてました(そもそもあとがきなんて公開したことない)が、ふざけてNG集作ったら、こっちの方が面白い!  となったので、あとがきなんぞ蔵に投げ込んでしまえ! (ノД`)・゜・。ゴミがっ!  よし、  今こそ埋葬した、駄文たちに呪文を唱え、呼び起こそうではないか。 「汝、悠久平臥より蘇り覇穹の龍へ宿らん! いでよ!」  ブワサァー、T(・_・)T ども、ゾンビっす。  さ

          【雑記】「自殺幇助士」あとがき…はやめだ!くらえNG集!

          【雑記】まずいラーメン屋もたまには、ね

           いつもありがとう、出雲黄昏です。    たいがい、人からおすすめされるラーメン屋というのは微妙です。  特に麺類は個人によって好みが大きく分かれると経験則から感じている。  今回行ったのは味噌ラーメン専門店。  そもそも、味噌ラーメンがそんなに好きじゃない。豚骨派。  この時点でなぜ行った!? と。  普段から、小説を書く上で新しい体験って大切だと思っていて、ほんの些細なことでいい。  朝ちょっと早起きするとか、エアコンの温度を1℃上げるとか。その程度のことに対する気

          【雑記】まずいラーメン屋もたまには、ね

          「へんじがない。ただのしかばねのようだ。」は文学か

          いつもありがとう、出雲黄昏です。 「へんじがない。  ただの しかばねの ようだ。」 引用:ドラゴンクエストシリーズ/株式会社スクウェア・エニックス  (シリーズによって漢字を用いる場合もある)    これは文学か否か。あなたはどう思う?      ドラクエの代名詞と言ってもいいほど有名なこのセリフ。  ドラクエにわか勢の僕がこのセリフを引用して語るとガチ勢の人に叱られそう。  もっというと、僕はファイナルファンタジー(FF)派ですと、あえてドラクエガチ勢を煽っておく。

          「へんじがない。ただのしかばねのようだ。」は文学か

          【短編小説】獣たちの衛星雨

           その日人類はひとつのスペースフライトデータレコーダーを発見した。 ***  「デブリ回収三号機鈴木より、目標のデブリに接近。これよりレーザー照射を行う」  ――こちらISS管制室本田、承認した。   「デブリ回収三号機鈴木より、デブリの回転制御完了。減速してランデブー、その後ボックス収容作業へ移行」  ――こちらISS管制室本田、承認した。   「デブリ回収三号機鈴木より、収納完了、当該デブリを大気圏に投下する」  ――こちらISS管制室本田、承認した。  UZ宇宙

          【短編小説】獣たちの衛星雨

          「博士の愛した数式」小川洋子/著 を読んで、それと

           いつもありがとう、出雲黄昏です。      少し自分の過去作を振り返って、思う。  推敲してボリュームアップさせた部分が読み辛い要因になっている。    推敲は大事、と思いつつもこねくり回しすぎて文章のリズムが悪くなっているのではと自己分析。  いや、リズムもちゃんと意識して推敲しなさいって話しでもあるのだけれど。  どーも苦手。  わりとナマっぽい文章のほうが、描写は弱弱だけれどリズムやテンポが良かったりする。  この文章なんかはナマっぽい。青臭い。素の自分の文体って感

          「博士の愛した数式」小川洋子/著 を読んで、それと

          【連載小説】オトメシ!(最終話)16.オトメたちが作る楽しいごはん!

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。    演奏を終え、 「ヒゥー! ライディス最高!」    と姫原は言い、ソレラと共に拍手する。    俺も思い出してしまった。自分のギター音に合わさってドラム、ベース、メイルの歌が重なった時の気持ちよさ。  こんなの楽しいに決まっている。    これに自分の歌が合わさればどれだけ爽快だろうか、もう一度歌うことができたならば……。    高瀬川が俺のもとにきて

          【連載小説】オトメシ!(最終話)16.オトメたちが作る楽しいごはん!

          【連載小説】オトメシ! 15.ライジングディストーション

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。  SoYouのライブから数日後のこと、今日は私の家に珍しく客人が来ていた。    今在家キョウシロウが話したいことがあると訪ねてきたのである。   「よおメイル、元気してたか?」    私の家のリビングで、ソファの背もたれ上部へ大きく腕をまわしかけ、まるで自分家のソファでくつろぐかのように自然体なキョウシロウ。    私は対面でその大きい態度に飲み込まれないように

          【連載小説】オトメシ! 15.ライジングディストーション

          【連載小説】オトメシ! 14.SoYouの出番が終わって

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。  SoYouの出番が終わると、高瀬川が漏れると叫びながら会場の外に向かって出て行った。    漏れるってお前……最高のライブの後なのに興が冷めるじゃないかと、もくもくの葉っぱでまた気分を仕切り直そうと俺も会場の外に向かって扉を開く。    トイレに行くと言っていたはずの高瀬川が会場の広間でひとりの長髪の女性の腕をガッシリと掴んでいる。    あれは――。   「メ

          【連載小説】オトメシ! 14.SoYouの出番が終わって

          【連載小説】オトメシ! 13.メイルの手記とライブの日にあったもうひとつの出来事

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。 ――2002年4月20日  私は高校生になった。  小学校高学年から不登校でろくに学校なんて行っていなかった。  イジメとかグレてとか明確な理由はなかった。  でもなんとなく人付き合いが苦手で友達と呼べる同性の人間はひとりもいなかった。  それでも人並みの学生生活がしたくて、ろくに勉強もできなかったけれど、私立の高校に入学することができて一週間が過ぎた。   ――

          【連載小説】オトメシ! 13.メイルの手記とライブの日にあったもうひとつの出来事

          【連載小説】オトメシ! 12.ライブのあと

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。  ♦ ♦ ♦  ――2024年1月15日  明日はついにソレラのライブだ。  姫原サクヨウというアーティストと共に『So You』というユニット名。  レンダが私のために作った曲を思い出す。  ――この曲はメイルにぴったりだと思うんだ。  この言葉と共に贈られた私の一番好きな曲。  『it's so you』  ――どういう意味?  ――お前にお似合いだって意味。

          【連載小説】オトメシ! 12.ライブのあと

          【連載小説】オトメシ! 11.SoYouのライブ(2)

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。    暗がりのライブ会場は満員電車のように客がごった返し、その中に入りまじって俺と高瀬川は隣り合って立つ。  どう見ても箱のキャパを超えている客数、冬本番寒くて厚着してきたこともあり、ライブが始まる前から人々の熱気に早くも背骨のくぼみに沿って汗が背中を伝う感触。   「おい高瀬川! あれってもしかして……」 「ああ、つまり控えめに言ってそういうことだよ」  

          【連載小説】オトメシ! 11.SoYouのライブ(2)

          【連載小説】オトメシ! 11.SoYouのライブ(1)

          【連載小説】オトメシ! こちらの小説はエブリスタでも連載しています。 エブリスタでは2024.1.9完結。    ♦ ♦ ♦ ――2004年5月11日  高校卒業後キョウシロウと高瀬川はバンド活動ができるようにと、近くの大学に通いながら活動を続ける。  私とレンダは同棲生活を始め、バイトで食いつなぎながらメジャーデビュー目指して音楽活動に明け暮れる日々。  ♦ ♦ ♦    お父さんとファミレスで久しぶりに再会した後、私は姫原サクヨウさんと一緒に帰路についている。  

          【連載小説】オトメシ! 11.SoYouのライブ(1)