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日本は大丈夫?大手メディアの記事が信用できない時代到来!ニュージーランドの国営ラジオ局発の不適切な編集記事の数々

数日前からニュージーランドで話題になっているニュース。なんだかこれって氷山の一角のような気がして、とても気になっているので、今の時点で分かっていることをまとめておきたいと思う。


問題になっているRNZ(Radio New Zealand/ラジオ・ニュージーランド)は、1995年に創設されたニュージーランドの国営ラジオ局なのだけれど、2014年からは、ラジオだけでなく、音声、動画、文章によるマルチメディア情報発信を行っている。不適切な編集記事の数々が指摘されているのは、RNZのWebサイト上で発信されているニュース記事。


下記のニュース記事は、RNZが外部機関による調査を依頼したことを伝えるStuff.co.nz(NZのニュースサイト)の記事。不適切な編集は15件も見つかっていて、国営メディアでそういったことが起きていたことに対する驚きの声が各方面から寄せられている。不適切な編集というのは、契約している他のメディアの記事を転載する際に、オリジナルをそのまま掲載するのではなく、ある意図をもって一部を改ざんしていたことを意味している。問題が発覚するきっかけとなったのは、ロイター通信社のロシアとウクライナに関する記事が、ロシア寄りの内容に書き換えられていたことが判明したからだ。


下記の動画は、ニュージーランドの1Newsのもの。ニュージーランド国内にいるウクライナ人の人たちも、ニュージーランドの国営メディアでの改ざん発覚に驚くと共に、今後の対策も含め、当然だけれど、きちんとした調査対応を期待しているようだ。


下記リンクは、RNZのWebサイト上で発表された、ウクライナ戦争に関連した不適切編集についての調査を行うことについての記事。対象となる記事(ストーリー)に関しては、随時更新すると書かれているけれど、今現在、22件の記事が対象になっていると書かれていた。(6月14日確認時)


下記の記事は、今日(6月14日)、Stuff.co.nzに掲載されたもので、調査が進んだことで、なんと、中国と台湾やイスラエルとパレスチナに関する記事にも不適切な編集があったことが分かったと追加報告されている。また、改ざんを行っていたというデジタルプロデューサーの名前も公開されている。

そのプロデューサーは、RNZに対して、5年間のRNZでの雇用期間の間、ずっとそういった改ざんを行ってきたと話しているらしいとのこと。

長い間そんなことをしていて、誰も気づかなかったのかと疑問に思うけれど、リモートで仕事をしていたので、投稿する時間帯が影響して、チェックが通常より甘くなっていたり、個人的な意見の偏り等が、リモートでは同僚たちには分かり難かったことが、発覚が遅れた原因ではないかとのことだ。

上記記事の中でも紹介されている、新たに判明した下記の改ざん記事には、日本も岸田首相も登場している。改ざんされた内容は、中国と台湾に関するものだけれど、スピード重視で事実確認を後回しにしてニュースが拡散されてしまう今の状況を、日本でも、一人一人が、一度、じっくりと考えてみるきっかけとして欲しい。

上記記事の最後に追加されている、不適切編集箇所の報告文。

A previous version of this article changed the line: "Tokyo worries that Russia's invasion of Ukraine has set a precedent that will encourage China to attack self-ruled Taiwan." to "Tokyo says it worries Russia's invasion of Ukraine has set a precedent that will encourage China to attack self-ruled Taiwan, who the US is stocking up on weapons." This has now been corrected to original copy.

RNZ : South Korea's president seeks closer Tokyo ties after latest North Korea missile launch

記事の転載元のロイター通信社の記事では、

「日本政府は、ロシアのウクライナ侵攻が、中国の自治領台湾攻撃を促す前例となったことを懸念している。」

となっていたものを、RNZに転載する際に、

「日本政府は、ロシアのウクライナ侵攻が、中国に米国が武器を備蓄している自治領台湾への攻撃を促す前例を作ってしまうことを懸念していると述べた。」

と改ざんしていたそうだ。(現在は、当然の如く、記事の本文中の記載も訂正済み。)

「米国が武器を備蓄」という大きな改ざん以外にも、「Tokyo worries that」を「Tokyo says it worries」という微妙な印象操作も、気にするべきところだと思う。懸念しているというのは、書き手の印象と捉えることもできるけれど、懸念していると述べたとなると、日本政府が明言したことになる。

今後、AIが、勝手に独自のアルゴリズムで対象メディアを絞り込んで、こういった文章の改ざんを始めてしまったら、人によるファクトチェックでは追いつかないことは目に見えている。

読む側一人一人が、メディアを利用する一人一人が、メディアリテラシーを向上させて、「誰が(どのメディアが)」言ったのかのみを頼りに情報を鵜呑みにするのではなく、「何を」言ったのかという内容に注目して情報を精査する正しい判断力を、今からでも遅くないので、身に着ける必要があると強く思う。

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