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1月に観た新作映画

令和5年1月に観た新作映画は9(+1)本。
その中でも個人的なフェイバリットを選ぶなら…

🥇:イニシェリン島の精霊
🥈:ヒトラーのための虐殺会議
🥉:神々の山巓(フランス版アニメ)

9本と言いつつも、4本は2022年公開作品を遅れて観たものを含んでいる。 また去年一足早く観た作品(+1)も含めると1位は『ノースマン導かれし復讐者』になる。まあノースマンは性癖に刺さりまくりなので。
#2023年映画ベスト10

観たのが早い順にツイートを引用しつつ一言感想を述べる。

▼アバターWOW(※)

いきなり特別枠をぶっ込んで申し訳ないが、令和5年の最初に映画館で観覧した映画はアバターWOWだった。これで劇場何回目なのかは書かない。笑

私は気に入った映画があると劇場リピートしがちなんだけど、自分史上でもトップクラスの多さになっている。まあ今年の頭は他に観たいのがないくらい、どうせ映画館で観るならDolbyCinemaのアバターにしようと思うくらい、アバター2は素晴らしいってことよ

▼神々の山嶺

3位に選んだ作品。2016年の実写日本映画ではなくて、フランス版のアニメ。非常に良かった。某YouTubeでたまたま『人気漫画家が選ぶ!本当にすごい漫画はコレだ! 2022冬』という面白いテレビ番組を見つけて、その中で漫画家の先生が紹介していて気になっていた漫画タイトルのアニメ映画だったので視聴したら大当たりだった。

そういうえば昨年夏にこの印象的なポスターは見かけた記憶がある。夏に映画館で観覧すれば快適だったかもしれないなあと少し後悔した。登山の過酷さや恐ろしさを伝える見事な描写といい、2時間にまとめる編集力といい、素晴らしい作品だと思う。

ちなみにノリでこのまま2016年の実写版も視聴しようかと思ったけど予告編だけ見てそっと閉じたよ。ありゃ酷い。阿部寛と岡田准一がキレイすぎて無骨な山男にまったく見えないのも致命的だけど、何よりも原作にない要素として尾野真知子をぶち込んで、ぬけぬけとヒマラヤ山麓まで同行して、何かと感情を爆発させて全部セリフでぶちまけるスタイルを取っている模様。もう典型的なテレビドラマ的演出で吐き気がしたわ。なんというか日本のテレビって家事や食事や談笑しながら視聴してちょうど良い味付けにしてあるから、映画に適用されるとクソミソになっちゃうのよね。

▼ルパン三世カリオストロの城(※)

新作ではないが、初見だったので。良い環境で観ておけて非常に良かった。

本作の序盤のカーチェイスは、スピルバーグが「史上最高のカーチェイス」だと評価しているとか。確かにそう言われてみると彼は2011年の『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』で真似しとるんよね。二人組のヒーローとか、ダムが決壊して水が溢れ出すとか。笑

日本語だと「アドベンチャー・オブ・ティンティン」になってしまうのが玉に瑕、なんつって。笑

▼空の大怪獣ラドン(※)

午前十時の映画祭。初見。これも新作ではないが良い経験になった。

申し訳ないが、退屈すぎて寝てしまった。特撮の技術が素晴らしい点(当時から現在に至るまでの全特撮映画の中でも最高レベルの1本)には全く異論ないのだが、あくまで「特撮オタクの視点で選んだ場合」という気がする。これがゴジラの1作目なら主人公3人の恋模様とか核兵器の恐怖とかが面白くてそんなことにもならないのだが、いかんせん怪獣がメインになってしまっているので、少し私の嗜好からは外れてしまうのだ。

▼ジョン・レノン/音楽で世界を変えた男の真実

私が観覧した立川シネマシティは少し遅れての上映で、都心では12月から上映していたはず。私はビートルズには詳しい方だけど、本作ではむしろビートルズ前夜の逸話が多くて、大変面白く観られた。

まあ、言ってしまえば、ガキ大将でメンヘラのヤンキーなんだよね、ジョン・レノンって。で、そういう人ってモテるのよ。まずはそこがスタート。それがたまたま音楽の才能もあって、というか中高生の時に「最初から音楽の天才」だったポール・マッカートニーに出会って切磋琢磨できたのが奇跡だったのだと思うよ。ポールもジョンと出会わなければここまでスターになれなかったかもしれないし。このドキュメンタリー映画によれば、もしジョンの後輩くんの両親が不良のジョンを嫌いじゃなければ後輩くんはポールと同じ学校に進学しなかったわけで、まさに奇跡の出会いよね。

▼マイブロークンマリコ

ツイートするのを忘れていた。笑

2022年の日本映画だがアマゾンプライムで視聴。

漫画原作のニュアンスを尊重した大胆な演出が楽しい良作。永野芽郁が怪演してるけど外見だけはミスマッチな印象を拭えない。もう少し性格がキツそうに見える女優を選ぶべきだったのでは。『地獄の花道』はミスマッチが売りだったけど本作は違うでしょ?

▼シーセッドその名を暴け

まあ悪い映画じゃないし、むしろ良い映画だと思うけど、余計なトランプ批判とフォックスニュース叩きを入れたのが私の中では大幅な減点要素。だって物語に全く関係ないじゃん。物語自ら、そういう恣意的な作品ですよ、と最初に示してしまったら、その後に描かれる「女達の戦い」まで恣意的に脚色されている可能性があるよね、と脳裏によぎってしまう。なので私の中で評価はかなり低い。政治思想と切り離すだけで良くなったと思うだけに残念。

▼ホイットニー・ヒューストン(IWDWS)

ホイットニー、復帰後は声が全然出てない。だが「薬物依存から復帰できた物語性」に司会者や客席が感動して泣いているのが、滑稽でもあり悲しくもあり、そんな不幸が後半は続くので爽快感はあまり無い。オプラの元映像を見直したらその通りで、忠実に再現した潔い映画だった。

私は”I'm Every Womanワタシは万能なオンナ”が彼女の曲で一番好きなんだけど、本作ではとても痛々しい使われ方をされていて感情が掻き乱されたなあ。もうやめてくれ、喉が壊れちゃうよ!と心の中で叫んでいた。

宣伝されてるように『ボヘミアンラプソディ』とも似てるけど、最大の違いはホイットニーの曲はクイーンみたいに観客が一緒に歌えないこと。一般人にはあの音域は出ない笑。国歌斉唱だけ。そこが評価が上がらない原因な気がする。これはアーティストのスタイルの違いだからしょうがないんだけどさ。

▼ノースマン導かれし復讐者

昨年に待ちきれなくて海外版4Kブルーレイを取り寄せて鑑賞済みだが、素晴らしい作品よ、本当に。まあ観客を選ぶタイプの映画かなあとは思うけどね、表現のクセが強いので。ただ物語テーマは普遍的だし、ロバート・エガース監督はA24出身ではあるけど、本作はユニバーサル配給作品でかなりメジャーを意識した作りになってる。先入観で誤解されてそうなのが少し残念。広く観てほしい作品。

2022年4月に全米公開された頃には「アカデミー賞有力候補だ」なんていう鼻息の荒いSNS書き込みやネット記事も結構見かけた気がしたんだけどね。賞レース意識して夏〜秋に公開すれば少しは変わってたかなあ。笑

▼ヒトラーのための虐殺会議

感想:
●各省庁の言い分が面白い
●あまりにも恐ろしい発想
●会議を成功させるテクニック
●ユダヤ人虐殺を可能にしたもの
●フィクションの余白
【日本人の感覚で見ると】ヒトラーのための虐殺会議【発想が怖すぎる】

👆自分のツイートでは珍しく10,000インプレッション超えた。

▼キャバレー(※)

午前十時の映画祭。初見。

不勉強ながら『キャバレー』が第二次世界大戦直前のベルリンの物語で主要な登場人物にユダヤ人が含まれていたことを知らなくて。偶然にも『ヒトラーのための虐殺会議』と同時期に観れたのがとても良かった。午前十時の映画祭としても嬉しい予想外だったのでは無いだろうか。

▼ほの蒼き瞳

R指定って知らなくてご飯食べながら視聴開始したから、いきなり結構強烈なグロ描写があって後悔したw

🚨ネタバレ感想🚨(謎解きの答えに言及します)
 私は、この映画の真犯人に納得できない!(笑)まさか主人公の探偵自身が犯人だったなんてそれは反則だろうに。いや本当の主人公がハリー・メリング演じるエドガー・アラン・ポーだという理屈は分からなくもないけど、映画はずっとクリスチャン・ベイル演じるランドー元刑事の謎解きで語られるじゃんか。首吊り死体の現場で取り調べしてたの全部ブラフだったのね。目撃者に事情聴取してるとき内心ドキドキだったんだろうね。
 タイミング良く悪魔主義者の家族が別の犯罪を起こしてくれたから良かったものの、何とも奇妙な映画だわ。いやね、映画の冒頭でランドーが川で手を洗ってる時に私は疑ったのよ「何を洗ったんだ?」って。ただ遠景ショットになっても川は特に赤く染まってなかったので「ああ血じゃないんだね」と思ったのよ。そしたら謎解きで手を洗ってるシーンにつながって噴飯したよ。(笑)
 でも主人公が犯人なのは、やっぱダメだと思うよ。ルール違反じゃね?原作小説『陸軍士官学校の死』では、そこらへんどう語られていたのか少し気になる。2003年の出版で、エドガー賞ダガー賞にノミネートされたから高く評価されたのだとは思うけど、果たして?

https://www.louisbayard.com/pale-blue-eye

▼イニシェリン島の精霊

1923年のアイルランドが舞台(つまり今からちょうど100年前)だけど描かれているテーマはすごく現代的で、いつの時代も人が抱える悩みは変わらないのだなあと思えて良いよね。

▼ユーピープル

SAVE THE DATES 2023 from Netflix https://youtu.be/brTcuO49G4I

save the date
=日付をメモれ。
=その日は空けておけ。
=目玉作品だから是非みてね!

作品数が多いので、こうして注目作品を絞ってくれるのは有り難い。1ヶ月1本ペースというのも無理がなくて良いね。

1月27日ユーピープル(エディマーフィ)
2月10日ユアプレイスオアマイン(リースウィザースプーン)
3月10日ルーサー堕ちた太陽(イドリスエルバ)
3月31日マーダーミステリー2(ジェニファーアニストン)
5月12日ザ・マザー(ジェニファーロペス)
6月16日エクストラクション2(クリスヘムズワース)
6月21日ゼイクローンドタイロン(ジェイミーフォックス)
8月11日ハートオブストーン(ガルガドット)
8月25日リフト(ケヴィンハート)
10月13日ダムゼル(ミリーボビーブラウン)
10月27日ペインハスラーズ(エミリーブラント)
11月10日ザ・キラー(デヴィッドフィンチャー)
11月17日ファミリーアフェアー(ジョーイキング)
11月22日レオ(アダムサンドラー声)
12月8日リーヴザワールドビハインド(ジュリアロバーツ)
12月22日レベルムーン(ザックスナイダー)

▼さ〜て、来月の映画館は?

2月公開の映画で気になるのは…

バビロン(10日)
タイタニック(4K3D)(10日)
ボーンズアンドオール(17日)
エンパイアオブライト(23日)
アキラ(4K)(25日立川シネマシティ)

IMAXが「常に」一番だと信じて疑わない人には申し訳ないが、ことジェームズ・キャメロン監督に関しては、彼が2023年現在の最高の環境としてDolbyCinemaを選んでいるのは先日のアバター再上映を見ていると明白なので、タイタニックもドルシネで観覧したい。

新宿バルト9まじでクソだな。

ただしバビロンとフェイブルマンズは海外版4Kブルーレイなら3月までにゲットできるし、字幕なしで、複数回、メイキング映像ありで見られるから、正直わざわざ劇場に行かなくても良いかなと思い始めている。

来月(以降)も楽しみね。

了。

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