マガジンのカバー画像

俳句/短歌/詩 作品

66
自作品
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

静か について(メモ/詩)

静か について(メモ/詩)

 静か について   丸田洋渡

静かな言葉は静かに話されるべきだと思う。
静かな言葉とはどういうものか考えるが、私はほとんど持ち合わせていないのだろうということ以外は分からない。
持っていたとしても。
静かな言葉とは静かなものであるから、自ら静かな言葉であることを喧伝しない。
存在自体が静かであるということ。
本当に静かなものは、探すこと自体が困難である。
静かに話すということはどういうことか考

もっとみる
石を磨く(詩)

石を磨く(詩)

  石を磨く   丸田洋渡

石を磨く/風の音の下/風の音、というのは果たして どれくらい精確な表現なのだろう/石を磨く/風で葉が揺れる/比喩を持ち込むなら 風が葉を寝かしつけているところ/風は少しの間揺りかご/比喩、というのは果たして どこまでを言うのか/言ってしまえば、私が生きていること自体が ものすごく下品な比喩に思える/石を磨く/どれだけこうしているか分からない/どれだけ考えているか分から

もっとみる
Lie/Lilac(50首)

Lie/Lilac(50首)

  Lie/Lilac   丸田洋渡

運命論者に運命の恋 おめでとう あなた目掛けて集まる黄砂

素敵な眼科で眼を診てもらう自分では自分を止められなくなったから

幽霊が見える素質がきらめいて見える角砂糖の包装紙

  ○

顕微鏡で私の細胞を見つめて数日を使って見殺した

宇宙は君を私ごと消せる 簡単なものほど後回しにしてしまう

〈きみとの世界〉系の話はしぶとくて廃れない 公園の酢漿草

もっとみる
連作から落とした歌③(1×7首)

連作から落とした歌③(1×7首)

 タイトル通り、短歌連作を組むにあたって、諸々の理由からやむなく落とした短歌について、当時のエピソードに触れながら書いていきます。
ぜひ気軽にご覧下さい。(①と②もよろしくお願いします。)

────────────
21

幽霊に何されたって構わない大親友にさせられたって

2022.5「うつくし」の頃。
 ここ一年くらい暇さえあれば怪談を聞いているので、幽霊について考える機会が多いんですが、幽

もっとみる