【書評】V字回復の経営

【書籍名】
「V字回復の経営」 〜2年で会社を変えられますか〜
http://amzn.to/2p4eYpd
作者: 三枝匡
出版社/メーカー: 日本経済新聞社


この本、LINE執行役員 田端さんもベタ褒め大絶賛の本です。
TABLOG:ダメ会社の不振事業によく見られる50の症状 @V字回復の経営【書評】
http://blog.livedoor.jp/tabbata/archives/50679863.html


この本の著者、三枝匡氏は実際に経営コンサルタントとして、赤字企業の再編に長く携わってきた方です。その経験の中から、実際にあったケースをもとに、小説風にV字回復までの道のりを描いています。
(ちなみにこの本のモデルはコマツグループと言われています)
小松製作所HP http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/profile/

10年以上赤字拡大が続く、同社のとある事業部に、改革者としての主人公 黒岩が降り立ち、キーマンを巻き込みながら、緻密に大胆に改革を実行していく物語は、物凄くドラマチックで、飽きずに最後まで読むことができました。

改革のための戦略を緻密に考え、力強く実行していくストーリーは、さすがコンサルタントの三枝さんだけあって、読み進めながら要所要所で経営視点を勉強できる本になってます。


本著の内容から大事なことを抜粋して書きます。

■商売の基本サイクル:創って、作って、売る
ここで言う「創る」は開発、「作る」は生産、「売る」は営業を表しています。
市場に問題がないのに商売が不調な時は、この簡単な原則を見なおしてみましょう。特に、開発・生産・営業の境目に距離があったり、矛盾があったりといったパターンが多いそうです。
このサイクルをスピード感を持って回すことが顧客満足度に繋がる、と。


■改革で最も大事なのは、「マインド・行動」
いかに立派なプランを考案したところで、現場レベルにそれを落とし込み、社員がモチベーションを持って動き出さなければ、改革は絶対に上手くいきません。

この本の中で、社員の「マインド・行動」を束にするには、以下2点が不可欠と述べています。
1.明確な『戦略』が示されること
2.社員が迷いなく走れるよう、シンプルなビジネスプロセスを組むこと

これも本当にシンプルながら納得の理論だと思います。
戦うための武器もなく、目的もなく前も見えない状態では、勝てないですよね。。


■危険な吊り橋は、逃げれば逃げるほど中途半端な結果に
会社の経営戦略の改革は非常に危険な吊り橋です。
失敗したら組織がゆらぎ、社員の心は離れ、さらに言えば赤字拡大で事業撤退もありえる。
経営改革以外にも、危険な吊り橋と言えるシーンはビジネスシーンでたまに遭遇するかと思います。

そんな時、「逃げれば逃げるほど中途半端な結果に」なってしまうのです。
危なそうな道でも、腹を括ったら向こう岸まで走りきらなきゃいけないのですね。。。
これも改めて心に刻もうと思います、、、笑

このように小説調ながら、濃〜い経営のエッセンスを学べる本だと思います。
単純に明日から働くためのモチベーションアップにもなります。


ちなみにこの三枝さん、他にも小説調で自身の経験に基づくビジネス本書いてます。この下の2冊も面白い本だったので、おいおい紹介したいと思います!


【書籍名】
「経営パワーの危機」 〜会社再建の企業変革ドラマ〜
http://amzn.to/2p4ecJ1
作者: 三枝匡
出版社/メーカー: 日本経済新聞社
発売日: 2003/03


【書籍名】
「戦略プロフェッショナル」 〜シェア逆転の企業変革ドラマ〜
http://amzn.to/2p4lImZ
作者: 三枝匡
出版社/メーカー: 日本経済新聞社
発売日: 2002/09


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