アキヤマ ケンジ

「継ぐ」を探求するヒト。

アキヤマ ケンジ

「継ぐ」を探求するヒト。

最近の記事

社長の気迫

経営者にとって必要な要素のひとつとして「気迫」があげられるのではと思っています。そして時代のうねりの真っ只中、この「気迫」がさらに重要になってきたのではないでしょうか? 30代の頃、私は沖縄No.1のダイビングサービス会社の統括マネージャーをしていました。異例のスピード昇進で、ちょっと図に載っていた時期だったと思います(笑。 ある時、社長の指示で東京進出の大プロジェクトの責任者を務めることになりました。社運をかけた大きなプロジェクト。私も一大決心をしてそのプロジェクトに臨

    • 2代目社長のエネルギーの出し方

      最近、事業承継をした人(2代目、3代目社長)のエネルギーの源泉ってなんだろう?と考えています。 なんでこんなことを考えているかというと、事業を起こした初代と明らかに違うんですよね。エネルギーの種類が。 初代の人は、とにかくエネルギーが高い。それが良いとか悪いとかでなく、とにかく高い。 ・お金のため… ・馬鹿にされたので見返してやりたい! ・何か面白こと思いついてしまったのでどうしてもうやりたい! ・この社会課題をなんとかしたい!! それがなんであれ、とにかくエネルギーが

      • 世界のトップを譲る時

        先日、世界のトップレベルで活躍してるパリのデザイナーと話をしていた時のこと。彼の師匠が、数多くの弟子の中から後任として彼を選んだのですが、その理由を聞いたらこう答えてくれました。 理由はわかりません。なぜですかね?でも、先生はとても素敵な人で、若い時に単身でパリにきて、その時に… (ここからその「先生」の歩んできた軌跡を長時間、語り出しました。) これが、その先生が後継者として彼を選んだ理由の一つではなかったのではないでしょうか。その先生の歩んで来た道をこれだけ語れる彼は

        • 愛される嘘つきになれるか?

          「経営者は嘘つきだ」という言葉を聞いたことがありますか? 経営者はビジョンを語る必要がある。ビジョンがなければメンバーに対して進むべき方法を示すことができないから。そして、ビジョンとは未来の姿。つまり、今ないものを語るという意味で虚構である。 なるほど。10億円の会社が、「10億目指すぞー!」と言っても方向性は生まれない。20億の会社という「今はないもの」を掲げるから方向性になりうるのです。つまり経営者は、ビジョンという虚構を掲げメンバーに「それが達成できる」と信じ込ませ

          100年時代を戦略的に生きる。マイ・インターンを観て。

          アン・ハサゥエイ&ロバート・デニーロ主演の映画「マイ・インターン」を観ました。 妻を亡くし定年退職した70歳のベン(ロバート・デニーロ)が活躍の場を求め、NYのファッションサイト会社にシニア・インターンとして再就職し、社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)を助けると言うストーリです。 人生100年時代。「これからは70歳を超えても現役で活躍していかなければならない」と言われている昨今、どうやってそれを実現させるか?のヒントが盛り込まれたように思いました。 答えから言いますと

          100年時代を戦略的に生きる。マイ・インターンを観て。

          守・破・離 の「守」

          ビジネスや仕事で世界と重要と言われている守破離(しゅはり)。 一般的には、下記のようにまとめられています。 「守」 師の教えを忠実に学び、土台となる基礎・基本を固める。 「破」 鍛錬と経験を重ね、応用、改善をし、自己流を加えていく。 「離」 それまでの過程に囚われず、境地に達する。 よく社員教育などで「成長のプロセス」として用いられる言葉。先輩の真似をして、経験を積み、そして自立していく。 しかし、私的には、自己変容を起こすためのプロセスと捉えています。自己変容を起こす

          守・破・離 の「守」

          情報化社会との付き合い方。

          情報とは何か?今まで以上にPCの前に座っている時間が多くなりました。それもそのはず、社会が大きく動いていく中で「今、何が起きているのか」「どう変わっていくのか?」という情報を得たいと人は思います。それに、単純に移動時間が減ったためにPCの前に座る時間も増えています。 今まで以上に、情報に触れる機会が多くなった=情報からの影響を受けざるを得ない状況になった。そんな今、改めて「情報とは何か?」を考えてみました。 情報とは知らせであり、受けっとった者にとっての意味があり、それに

          情報化社会との付き合い方。

          利他的 vs 利己的

          生態学が好きな私は、「ダーウィンが来た」などの野生動物番組をよく観ます。その中で、母親が自分を犠牲にして我が子を守ろうとする場面をしばしば見かけます。 例えば… ヒナを狙っているキツネに気づいた母ヒバリは「飛べないフリ」をして相手の意識を自分に引きつける。 自分を犠牲にして子を救おうとするこの行為を、生態学では「利他的行動」と呼ばれていますが、このことについて多くの動物学者が様々な角度から研究・言及をしています。 例えば、この行動は、子を守ろうとしているのでなく、自分

          利他的 vs 利己的

          ガウディは、2代目だった!?

          前回「ガウディの遺志を継ぐ人たち」について書きましたが、もう一つ大切なことがあります。 それは、アントニ・ガウディはサグラダファミリアの2代目建築家だったということ。 サグラダファミリアは、民間カトリック団代「サン・ホセ教会」が計画し、フランシスコ・ビリャールが初代の建築家として設計を引き受けました。しかし、意見の対立で翌年に退任してしまいます。そして、その後の建築家として就任したのがアントニ・ガウディでした。 そうつまり、ガウディは「2代目」だということ。そしてこの偉

          ガウディは、2代目だった!?

          「意志を継ぐ」人たち

          「想いを継いでいる世界的建築物は?」と問われた時に「サグラダファミリア」が真っ先に思い浮かぶのは私だけではないと思います。昨年12月にスペインに行く機会があったので私も訪れることができました。 そして、その迫力は想像を絶するものでした。今まで見てきた建築物にはない、「何か」を放っているようでした。それは、本当に多くの、本当に多くの(2回言った!)人たちの思いがそこに注がれているから、なのかもしれません。 サグラダファミリアの建築がスタートしたのは1883年。そして天才建築

          「意志を継ぐ」人たち

          人類は承継だ。

          あまりにも有名な「祖母の智恵仮説 」(Grandmothering Hypothesis)。 ざっくり言うと、およそ20万年前に生まれたホモ・サピエンス。そこから少しずつ寿命が伸びて、ある時「おばあちゃん」が誕生した。そこから人類は爆発的に人口を伸ばし始める。と言う内容なのですが、これはまさに人類史上初めての「智恵の承継」と言えるかもしれません。 自分の経験の中からノウハウを子孫に伝える。それがダイレクトに生存率に影響を与えたということなのでしょう。 ここで「智恵を授か

          人類は承継だ。

          事業承継がアツイ。

          仕事がら事業承継をした社長と話す機会が多くあります。多いというか、仕事の7割くらいを占めています。彼らと話をしていて毎回思うことは、彼らは素晴らしいなと。 もっと言うと 「事業承継者はアツイ!」 事業を起こした社長(つまり初代)と言うのは、とてもシンプルなモチベーションで動いています。お金持ちになりたい。自分の夢を叶えたい。社会課題をクリアしたい。いろんな角度がありますが、いずれにしてもシンプルな動機がエネルギーとなっています。 ですが、事業承継者は「葛藤」だらけ。 ・

          事業承継がアツイ。

          「継ぐ」ことの美学

          「世界は「継承」で出来ている」ということに気づいてしまったので、少し「継ぐ」について考察してみたいと思います。 まず、継ぐとはどんな時に使うのか。 技を継ぐ。 意志を継ぐ。 ポジションを継ぐ。 伝統を継ぐ。 事業を継ぐ。 今までそこにあった何かを「受け取る」とういことだと思うが、受け取るだけではないのではと思います。なぜなら、全てを受け取ることだとしたら、時代(時間)と共に受け取る量が無限に増えていく。後になればなるほど、辛くなってしまいますよね(笑。 つまりそこには

          「継ぐ」ことの美学

          世界は承継でできている。

          私は、学生時代から現在まで、本当にいろいろな角度から「ヒト」に対して探究と実践を繰り返してきました。 その25年間の経験の中で「ヒト」について強く感じていることがあります。 それは… 世界は「承継」でできている。と言うこと。 人類の歩みは「継承」に溢れている。と、私は思うのです。DNAはもちろんそうなのですが、そもそも「歴史=継承」と言い換えてもいいくらい。文明、文化、テクノロジー、すべて「継承」で作られている。 他の生物は「進化」という形で種としてのイノベーションを

          世界は承継でできている。