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「ロック」とは常識破壊であり、他の誰でもない「自分」で生きること

ロックンロール 内田裕也さん

3月17日、肺炎で亡くなられた内田裕也さん。本日、告別式が執り行われました。

特別、内田裕也さんがどんな方なのかはよくわかりません。失礼ながら、よく知らない方にとっては、樹木希林さんの旦那で、「ロッケンロール」「シェケナベイベェ」が口癖のよくわかんない金髪ロン毛のジイさん、みたいなイメージなのではないでしょうか?

樹木希林さんも、昨年の9月15日にお亡くなりになられ、それから5ヶ月後に裕也さんも後を追うようにお亡くなりになりました。夫婦とは言っても、裕也さんのDVが原因で、結婚後間も無く別居して数十年。離婚することはなく、夫婦としてあり続けました。俳優の本木雅弘さんも、「内田」の名を途絶えさせるわけにはいかないと、自ら婿養子になり、家族を繋ぎ止める役割にもなりました。

ロックとは何か?

内田裕也さんは、家族との向き合い方も、自身の生き方も「ロックンロール」そのものなのではないでしょうか?
「ロック」とは、音楽のジャンルでもありますが、音楽だとしても、どこからが「ロック」で、どこまでが「ロック」なのでしょうか?
「ポップ」「パンク」「メタル」「テクノ」「フォーク」などなど、様々なジャンルがありますが、明確な境界線はありません。ただ、「ロック」というのは、音楽性ではなく、メッセージ性だと思うんです。

つまり、「ポップ」の中にも「ロック」はあり、「フォーク」の中にも「ロック」は込められるんだと思うのです。

「ロック」とはつまり、「常識破壊」という概念だと思うのです。

「rock 'n' roll」とはスラングで、明確な意味はないのですが、QUEENの『We Will Rock You』という歌詞にあるように「Rock you」とは「一撃で倒す」という意味があり、「Rock」とは「破壊」というニュアンスがあります。

では「ロック」とは何を破壊するのか?それこそが「常識」であると考えます。
「常識」とは、大多数の人が共通に持っている認識のことです。
往往にして、その常識は間違ったものではないと思いますが、だからと言って正しい訳でもなく、全てではありません。常識とは言わば「ルール」のようなもので、社会を形成するために必要なものです。しかし、一個人においては、絶対に必要なものではありません。

人間は社会を形成し、他者と生きていく世界なので、「常識」のような共通認識は必要です。ただ、常識に基づいて生きていくと、個人としてのアイデンティティは薄れていきます。そこで求められるのが「ロック」だと思うのです。

「ロック」とはつまり、常識を破壊し、新たな時代を生み出す原動力だということです。

仏陀もイエスもロックンローラー?

例えば、私が思う「ロックンローラー」は、誰もが知っている人で言えば、仏陀やイエス、ムハンマドといった世界宗教の生みの親になった方々です。当時の常識を破壊し、結果的に世界宗教になるような組織になり新たな常識を作り出したと言えますが、常識になるということは、いずれ破壊されるということです。

時代に迎合しないで生きる人のことを「ロックンローラー」と言うのでしょう。

内田裕也さんのように、誰になんと言われようとも、己を曲げず、己の信念に基づいて生きられることは、一見幸せそうに見えますが、常に向かい風の大変な生き方だとも言えます。イエスは当時の権力によって殺され、仏陀は「非争」の考え方がある為、処刑されることはありませんでしたが、当時の新興宗教の教祖たちと、日々論争し、弟子が増えていくことに、多くのやっかみや嫉妬もあったでしょう。

しかし、己を貫いた「ロックンローラー」が、新たな価値観を生み出し、それが後に常識になっていったと言うことは間違いありません。

ホリエモンもロックンローラー

身近なところで言えば、「ホリエモン」こと堀江貴文さんも、世間の強風にさらされ、失敗には終わりましたが、テレビ局買収や野球の球団買収騒動もあり、総選挙にも出馬するなど話題を集めました。しかし、以前経営していた「ライブドア」の粉飾決算により、2年半もの間逮捕されました。その後「しくじり先生」に出演するなど、テレビにも出演したり、宇宙事業を進めたり、「新生ホリエモン」として復活しました。

ホリエモンも、ある意味ロックな人で、当時の常識をどんどん破壊し、ネット時代を推し進めた一人と言えます。しかし、派手にやりすぎたからか、その敵も多かったと言われています。テレビ局や球団の買収がうまくいかなかったのはそういう理由で、楽天が球団を持てたのは、自分とは違ってしっかりと根回しをして、敵を作らなかったから、と語っております。

今も以前もホリエモンはホリエモンです。おそらく彼の「ロック」な生き方は変わっていないと思います。変わったのは、常識という「敵」を知ったことでしょう。

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」

という諺がありますが、自分を知るだけではやはり足りません。敵というのは変かも知れませんが、「常識(相手)」を知らなければ、己を貫き通すこともできません。そういう意味でも、今のホリエモンは、以前以上に己を貫いて生きていると思います。一言で「破壊」と言っても「ただの破壊」なのか「創造の為の破壊」なのか、意味合いは変わってきます。

新しい時代を生きる鍵は「ロック」

これから「令和」になり、元号も新しくなりますが、過去の古い時代の常識に縛られて生きていても、新しい時代を創ることはできません。古い常識や観念で生きていくのではなく、内田裕也さんのように、己を貫く「ロック」な魂を持って生きていきたいものです。

最後に、ロックに生きた内田裕也さんへ

ロッケンロール

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