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以心伝心 | 言葉の力

今日は、日本からひと足遅れて10月最後の日です。

こちら時間の昨日のうちから、日本の友達から「お誕生日おめでとう〜」のメッセージが届きました。そうです。10月31日がわたしの誕生日なのです。

ハロウィンと同じ日なので、意外に覚えてもらえやすいのかもしれません。アメリカの人には、ちょっと恐れられたりもします。本来、ハロウィンには、先祖の霊だけでなく、悪魔や魔女など死後の世界からやってくると考えられていたからです。そんな日に、この世に誕生したと言うと、え?魔女?・・・という感じで。

何十年振りかに、父からも「happy birthday!! 」のメッセージが来ました。本当に珍しくて不気味に思うほど(?)父には誕生日について触れられたことがありませんでした。記憶にあるのは、子どもの頃、父から誕生日カードをもらい(当時にしてはハイカラな市販のカードで、メッセージが印刷されているもの)、そこに書いてあるメッセージを読んでもらったことです。小学校低学年だったかもしれません。

そんな父からのメッセージに思わずドキッとしてしまいましたが、

「お父さんに happy birthdayと言われるなんて、何十年振り?!今まで育ててくださりありがとうございます」

と、面と向かって、いまだ言えなかったその言葉を、恥ずかしさを誤魔化すためにわざと丁寧調に書いてみました。

父からはすぐにー

「そりゃあいつも心で思っているよ。言わないだけで。以心伝心。」

と返事がありました。


以心伝心って…

言わないと分からないことって、たくさんあるのに。


うちの父は、おしゃべり好きなのに、黙っていることも上手な人です。笑

母が亡くなった時、わたしは急遽予定を全てキャンセルし、2ヶ月の間ほぼ24時間、父と一緒に過ごしました。たくさんの話をしました。父の話をずっと聴いていました。父がたくさん話すので。

そうしたら、今まで聞いたこともない話が出るわ出るわ…。


最も衝撃的だったのは、父の奨学金。
母からは、父は結婚してからも、大学の奨学金を何年もかけて返済していた努力の人だと聞いていたのに、本当は、父の母(わたしの祖母)の〝ツケ″ を支払っていたとか 〜奨学金は返済不要だった〜。

いったい何年、母と姉とわたしは、「父は努力の人」と見ていたことか!!笑笑(両親は結婚50年+)

確かに真面目で勉強家ではあるがー。

祖母の名誉の為に説明すると、祖母の実家では、買い物は近くの商店で現金と交換ではなく、ツケで買い物をし、後から他の家族がお支払いしていたようなのです。祖母は、結婚してからもそれが当たり前だと思っていたのか、同じようにツケで買い物をする生活をしていたのです。おそらく何十年も!その事が祖母の死後に発覚し、父とその姉弟が何年もかかって返していたとのこと。


そしてまた、まだわたしが生まれて間もない頃、家族で父の実家に行った時、何かのきっかけで母を怒らせてしまい、母はそのまま実家に帰ってしまったとか。。。そのあと、父が母の実家に迎えに行ったらしいですが。笑


〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

おそらくその時のことがきっかけで、うちの母は、父の実家を毛嫌いしていたのだと思います。

その他にも理由があるのか、今となっては本人に確認できないので分かりませんが、わたしと姉は幼い頃から、母が父の実家に行きたくない、という言動を見聞きして育ちました。つまり、結婚相手の実家は、それはそれは恐ろしい場所、嫌いな場所、行きたくない場所…という概念がわたし達姉妹の潜在意識にインプットされていったのです。それは、わたしが結婚してから大きな影響を及ぼすのですが・・・。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 


言わなくても分かること、もちろんたくさんあります。その部分を感じることが、わたしの生きるテーマでもありますが、言葉にしないと分からないこともたくさんあります。

父がわたしの誕生日を覚えていてくれたこと、わたしは知りませんでした。(数年前は覚えていなかったのは知ってる!)
わたしも、父に「育ててくれてありがとう」と、生まれて初めて伝えましたが、もしかしたら今までちゃんと伝わっていなかったかもしれません。

そうやって言葉にすることで、相手に伝える、という目的を達成できますが、自分の心にも何かしらの影響があるように感じました。


今回のわたしの場合、言葉にしたことで、心が解放され、もっと父に対する感謝や尊敬の念が強くなった気がします。自分の内側と外側が、カチっと一致したようなスッキリ感もあります。


言葉にするということは、責任を伴うもの、覚悟、決意、意思表明でもある。

常に嘘ではない心からの言葉を発したいものです☆

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