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【文学】今日は、啄木忌。石川啄木、最大の功績は何だろう?

今日、4月13日は、
短歌・石川啄木の命日。
啄木忌。

26歳で亡くなった。
それがせめて40才まで生きてたら
もっと名作がたくさん
生まれていたでしょう。

そのぶん、
石川啄木はつねに
本で紹介される時には
若い顔写真が掲載される。
その点はラッキーではある。

同じ短歌人でも、
齋藤茂吉はおじいちゃん姿の
写真ばかりが掲載される。

それは作品でも同じでしょう。
石川啄木は、
青年らしい歌、
野心と迷いばかりがうごめく
作品が多い。

あるいは、啄木の
センチメンタルな傾向は
年齢には関係なく、
彼の最大のストロングポイント
だったかもしれない。

センチメンタル、
感傷的な傾向は、 
石川啄木の最大の特徴だったかも
しれない。
なぜなら、
単に本当にセンチメンタルに
過ぎない作家なら、
あんなに一般のファンを
獲得はできないでしょう。

ただの感傷は、
ただの感傷に過ぎない。

啄木は自分の感傷を
少し上から、
俯瞰で眺めているようだ。

だから、
こんな言葉も残している。
「時代に没頭していては
時代を批評する事ができない」
石川啄木
『時代閉塞の現状』
 
啄木に社会批評の作品があったのは 
ちょっと意外な感じがする。 
やはり、ただの感傷主義な人、
ではなさそうですね。

ただ、啄木を東京で
よく面前をみていたのは、
国語学者の金田一京助だったり、
東京で朝日新聞の校正科で
働いていた時期、
夏目漱石も朝日新聞に席を
置いていた、という話を知ると、
少しだけ、明治時代の
文学者たちを立体的に
眺めることができる。

明治文学者たちを漫画で描いた
谷口ジローさんの作品では、
夏目漱石と石川啄木が
朝風呂で鉢合わせをする
場面が印象的でした。

今日、東京新聞の読書欄では
啄木が特集されていて、
「強気と弱気、自信と  
コンプレックスのふれ幅が
大きい。そこが魅力だ」と 
ある読者が投稿しています。

なるほど、
あの絶望感やどん底感は
自信やら強気やらがあるから
そのぶんだけ、 
感情量があふれんばかりになり、
それが魅力ある短歌へ
結晶していったのですね。

ちなみに、
石川啄木の最大の功績は
なんでしょうか?
それは、、、、
当時はまだほとんどの短歌が
文語体で朗々と書かれていた時代に
わかりやすく、日常感覚で読める
口語調で書いたこと。
また、花鳥風月ではなく、
日常の自分の気持ちを
短歌にしたこと、だそう。
 
近代短歌の開拓者の一人で
あった訳ですね。

石川啄木。 
借金ばかりで浪費家、
だらしない浪費家、、、、
そうといって、
見捨てるにはあまりに
功績が大きいクリエイターでした。

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