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【推薦図書】鳥山明にも、読み切り短編集があります。オススメです。

私は鳥山明さんの
良き読者ではありませんでした。 
『ドラゴンボール』を 
毎回第10巻前後で挫折する
タイプだったから。
格闘ばかりになるのが苦手で。
アラレちゃんは読みましたが。

鳥山先生の死去が報道される中、
このような話をするのは
失礼にならないよう、
気をつけて書かねば、ですね。
 
今から25年くらい前。
ひょんなことから、  
私はフリーランスの編集の立場ながら、
鳥山明さんの読み切り短編集を
編む仕事をいただいた。

『ドラゴンボール』より 
そっちの方がだんぜん
好きだったので、
喜んで引き受けました。 

鳥山ワールドでも、 
私はやっぱり短編が好きです。
しかも読み切りです。

短編集のタイトルは
『鳥山明◯作劇場』。
コミックス全3巻です。
オススメです。

この短編集3冊にある
短編はどれも面白くて、
ちょっと毒もあるのがいい。

私の役目は、その3冊を
まんま、3冊でだすのではなく、
2冊にして編むよう言われました。

私は、短編をシャッフルして
2冊にしまして、
せっかくだから、
サブタイトルを付けたらどうか?
と考え、担当編集者ごしに
先生に聞いて頂きました。 

1冊めには、うま味たっぷり醤油味、
2冊めには、心しみるコンソメ味、
と、サブタイトル案を
仮で付けたように記憶している。

今思えば、このにわか付けした
仮サブタイトル、
まあセンスはないし、
鳥山ファンの気持を考えたら、
余計なことをして踏みにじり、
どうかしてるとしか思えない。

さて。
数日して、
先生から返答が来て、
編集担当から聞かされた。
   
「シンプルにお願いします」
キングオブシンプルなのが
鳥山明先生の信念でありました。

先生は、コミックスが
ゴチャゴチャになる事を避け、
シンプルな本作りを好む、
そんな静謐な方でした。 

そんな方が描いた短編集を
勝手にシャッフルして
しかも勝手にサブタイトルを
つけたいとか、まあ、
わかってなかったなあ、私は、、、。
今思いだすと 
反省しか出ないですね。

ベタな編集者が、賑やかしに 
ありもしないサブタイトルを
つけませんか?というのは、
あり得ない話だった訳です。

ちなみに、
タイトルの
『◯作』というタイトルは、
名作とか、駄作とか、佳作とか、
それは読む人それぞれがつければ 
いいという鳥山明先生の
思いからだったそうです。

みなさん、
長さゆえ、 
ドラゴンボールで挫折した方でも
きっと読み切り短編なら
読めるはずですよ。
『鳥山明◯作劇場』
集英社、コミックス全3巻。

 

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