見出し画像

【直木賞】ああ、良かった、窪美澄さんが報われた日だ。

今日の直木賞は、
窪美澄さんが取った。
良かった。
ホッとした。

2009年の鮮烈なデビュー以来、
ずっと第一線で、
作品を書いてこられた
実力の高い作家です。

女版・白石一文といいますか、
読んだらハズレはない、
非常に安定した執筆力。
でも、悪くいうと、
デビュー作みたいな鮮烈さが
なくなると、
毎回ちょっとマンネリ気味に
なるタイプの作家です。

ところで、作家には
生まれつき?成りゆき?の
星や運命がある気がするんです。

すごく好きで、
この若手作家はきっと
大物になるなあ、 
なって欲しいなあ、
そう思って応援してきた、
有川浩(今は有川ひろ)や
あさのあつこさん。

彼女らは、一時は
すごく人気のある作家だったのに、
ピーク時になぜか
人気に火を付ける文学賞には
恵まれなかった。

それから10年くらいすると、
もう次世代の若手作家が
下からどんどん来ている。

ああ、この作家は
運がなかったかあ、惜しいなあ!
と悔しくなる。

でも、恩田陸さんや
姫野カオルコさんみたいに、
粘り強く作家をやって、
若手の頃の勢いやピークからは
だいぶん年月が経ってから、
いきなり快作を書き上げ、
それで文学賞も取り、
人気も地位も不動のものにする
作家もいるから、
あまり、勢いとか運とかは、
考えないでファンで居続けるべき
なんでしょうけど(汗)。
 
でも、なんだか、勝手に
ジンクスや運みたいな色メガネで
見てしまうんですよねえ。

実は窪美澄さんのこと、
最近はそんな風に見ていました。

新刊は手にするんですよ。
でも、どれも、
生き辛さ、身体性、作品の重さ、
不毛感、かすかな希望、、、
そんなところからブレない
窪美澄らしさは健在なんですが、
マンネリ気味でもあります。

窪美澄さんも、
運を逃した作家になっていくかな?
、、、と心配してました。

それが、やっと、今回、
晴れて直木賞をゲットしたんです。
もちろん、窪さんからしたら
直木賞はあくまで通過点でしょう。
でも、安心しました。
またちょっと色気や新しみが
出てくることを期待してます。

窪美澄さんには、これから、
もっともっと心に沁みる作品を
書き続けて欲しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?