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リモート中に読んだもの、見たもの2

ラフにまとめると言ったものの、気がつけば前回から1ヵ月近く経ってしまった。寝る前に本を読む生活が続き、久々に本を読むことに対する「慣れ」を感じているが、ここに書く前提で色々考えていると読むこと自体のスピードは落ちる。

いつも使っているノートにはアーティストのマネージメントやクリエイティブについて、事業のアイディアやメモの他に読んだ本の話が並んでいる。健康的な感じがする。

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

HOST-TV.COMとローランドチャネルの動画を見終わってしまったので、本を買った。

一番良かったのは彼の自己愛への執着が「努力」という納得した生活/人生を送るために一番重要な要素に読者を向かわせようとしているように読めたことだった。

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人生にポジティブなサイクルを作り出すためにローランドは「自己愛」を重視しているが、それは自分が自分を愛することができるための「努力」のことだと読めた。そしてそれがある限り、他者が介在することによって発生する負のスパイラル(「驕り」や「恨み」)が生まれることを防いでくれる。ローランドは自らの経験や豊富な比喩を使って、それを読者に伝えようとしているように感じた。

失敗しても他人の目を気にしてむやみになにかを「恨む」のではなく、失敗を糧にすればまた努力にたちど戻り成長(改善)することができる。成功してもこれまでの自分を褒め、環境に感謝することで「驕り」を避けまた努力(より高いところ)に人を向かわせてくれる。

「クール」であること。そしてなによりかっこつける勇気をもらった。

ちょうどgeniusが昔のカニエのツイートをinstagramでポストしていたけれど、自分が人生を通じてほとんど同じものに惹かれ続けていることに気がつく。

ウチら棺桶まで永遠のランウェイ

自分のことを自分が一番信じてあげて、
しっくりこない常識には中指立てて、
棺桶までのランウェイを
みんなで最高の戦いにしていこ!

今の気分ではローランドの方がしっくりきたものの、小さい頃の自分にとって、ヒップホップやトランスってkemioみたいな存在だったなと思い出した。

世の中に溢れるクソどうでもいいことじゃなくて、自分がかっこいいと思うものに集中すること。

The Subtle Art of Not Giving a Fuck

「クソどうでもいいこと」というフレーズで一番最初に思い出したのは2017年くらいに読んだこの本だったので、久々に本棚から取り出す。

learning how to focus and prioritise your thoughts effectively―how to pick and choose what matters to you and what does not matter to you based on finely honed personal values.

当時、加藤有希子さんカラーセラピー本にめちゃくちゃ影響を受け、実際に加藤さんの研究室を訪問したり、自分でも自己啓発やスピリチュアルについて色々調べていたことを思い出す。その過程で「意識的にアクセルを踏む」ような感覚を身につけ、それがいまの自分にポジティブな結果をもたらしていることを認識する。このMark Mansonの本も、サラリーマンとしての環境を変える大きなきっかけになったのを思い出した。

歌舞伎町ホストに緊急事態。4年連続1億円ホスト一条ヒカルが語る未来、自粛中ホストの活動は?

自宅で勤務しながら、ゆったり本を読んだりしているとまるで世間で何が起きているか忘れてしまうが、なんとなく見ていたHOST-TV.COMの動画で一気に現実に引き戻される。

この動画を見ると、当然のことだが対面接客のプロフェッショナルが必ずしもYoutuberやツイッターユーザーとして優秀なわけではないことが分かる。もちろんこの状況をポジティブに捉えることや、その姿勢には大いに共感するものの、同時にそこから生まれるズレやある種の滑稽さも感じ取れてしまう。

コメント欄を見ると自粛を賞賛する声がほとんどだが、コメントが店舗の売上を補填をしてくれる訳ではない。先の見えない今の状況における生存戦略の難しさが手に取るように分かる。口が滑っても「withコロナ」「ポストコロナ」などと上機嫌に方法論を語ることはできない。

How brands are using new online events for data acquisition

緊急事態宣言やロックダウン期間中にはメインの集客プラットフォームがSNSになるから、モノを売りたければSNSでエンゲージメントを高める必要があって、結果的にSNS攻防戦が今後一層激しくなるという話として読んだ。

もちろん良いポイントを言えば、イベントはオンラインになることによってこれまで以上にリーチが高まるからやり方によっては売上が上がるが、ホストの話同様、当然その戦いにおける向き不向きがある。

今の状況にポジティブに対応していくことによって失われるものは何か。

BUDDHAHOUSEのツイート

同じ自粛期間中でも、それぞれの状況の違いを認識すればするほど、いま必要な連帯とは?その方法は?という問いが生まれてくる。TLに流れてきたこのツイートを見て久々にブッダさんに連絡をとる。

確かに今の政権や首相に不明瞭で疑うべき言動があるのは確かだ。しかし与党や政権の中にも、様々な人が様々な思惑を持って動いていることを再認識しなければいけないと感じる。見えない相手や違った状況の他者を想像できなければ、連帯は難しい。与党や政権が全員悪魔であればもっと簡単に政権は交代しているはずだ。

ちょうど持続化給付金について申請を進めている。少しでも多くの事業者に給付金を受け取ってもらうために、その内容を分かりやすくし、手続きをできる範囲で簡略化するために動いてくれている人がいるのを感じる。

Why so many people believe conspiracy theories

In the end, we want to feel comfortable, not be right.

ただ安心したいのか、それとも自分にとっての正しさを追求したいのか。自戒も込めて、少し前に読んだこの記事と筆者のPodcastを聞き直す。政治と生活をエンターテイメントとして消費しないために。

20XX年の革命家になるには──スペキュラティヴ・デザインの授業

終盤にある藤井大洋と長谷川愛の対談「フィクションは世界を変えうるか?」が面白かった。

まだ世にないものの制度やかたちを方向づける力がフィクションにはあると思うんです。ですから、社会を変えたいと思うなら、それを何かしらのかたちでアウトプットすることが非常に大事だと思います。

自分は「アート」と社会の接点に強い関心を抱き続けてきたように思う。狭義のアートもフィクションも音楽も、その社会的な価値を最大化するためには何をすべきかに興味がある。

男性から男性へ語ること

記事のメインは岡村隆史の発言についてだが、個人的に今回の流れの中で政治の話だと思って読んだ。瀬下のツイートが良く内容を伝えている。

自粛期間に家族と過ごす時間が多くなり、自分の育ってきた家庭環境とそこから生まれる「左派的」で「リベラル」な思考について考え直している。このnoteもそう。

しまねのイメージブランディング ~笑顔あふれる しまね暮らし~

瀬下って誰やねんという人にちょうど良い動画が先日アップロードされていた。もう少し詳しく知りたい人はここを見ると良いかもしれない。noteもある。ちなみにこの動画の歩き方が感動するほどオモロイので絶対に見て欲しい。

DAWNのインスタに突如登場した時も、動画の歩き方と同じタイプの硬さが抜けておらず、めちゃくちゃ笑ってしまった。ここまで自然に不自然になれる人っているんだろうか...。笑

文学:ポスト・ムラカミの日本文学

自分の本棚を見ても思うが、いわゆる「文学」を真面目に読んだり勉強したことがこれまで一度もなく、物語やフィクションそのものに人生を救われたような経験がほとんどないことに気がついた。

こういう機会に目を通しておきたいなと思ったので、買ってから10年近く読んでいなかった本を本棚から取り出す。

プラザ合意以降の日本の「カルチャー」とそれ以前に大きな断絶があるように感じた。日本的なものへの自覚やその正統性に関する議論が全く途絶えてしまったような感覚。そしてそれと共にいわゆるサブカルチャー(本書で言えば「J文学」)が出てきたように思えた。

本書は2002年に書かれているし、筆者も文学のサブカルチャー化を「低迷」としてでなく相対的に捉えようとしている。ただ僕には文脈が相対化した結果としてのサブカルチャー(J文学)の出現ではなく、その文脈自体が社会性を失ったプロセスのように読めた。文学自体の内容も社会的なものから、それこそローランドやkemioがどうでも良いと切り捨てそうな小さな閉じられたコミュニティー的なものに、批判なく自然と移り変わったように見えた。

これまでサブカルチャーの出現やバブル以降の文化について、メディアの多様化/分散化による影響が強いと考えていた。しかし自分がこれまで考えていたより、当時の文壇の意図や角川のような企業の経営方針が強く作用していることが分かり、現代でも方法次第ではカルチャーに対して介入できる余地を見いだすことができた気がした。

いま東京でカルチャーについて考えたり実践しようとすると、「インスタントに消費されること」と「サブカル的になること」の圧から逃れることが一番大変な気がする。文学の現代史を通じて後者の解像度が上がり、自分たちの活動に示唆を得ることができるような、読んでよかったと思える一冊だった。

都市/建築フィールドワーク・メソッド

前述の書籍が2002年からみた概観という感じの本だったので、本棚から同じような時期のものがないか探していると、本書が見つかる。これも2002年初版。

東京という街への言及の仕方や認識が全く異なり、まだ「歴史」になっていない、掴めるような掴めないような時代の本を読むのは面白いし示唆が多いなと思った。

「都市音楽のジオグラフィ」という章で、都市が音楽を生むのではなく、音楽と同時に都市空間が生まれるという話があり、良かった。

山手線の涼やかなBGMはどのような行政的な言説と、文化産業の媒介によって生成したのか?その媒介によって通勤客の持つ山手線の「意味」はどう変わったのか?公共空間のBGMはどのような美的・経済的媒介によって選択されるのか?飲食店に流れる有線放送はどのような音楽を選択し、またその空間でチャネル権を握っているのは誰か?(中略)そのようなフィールドワークが可能になるのは、都市の表層を退いたところにある、下部構造の力学と媒介への着目があればこそである。都市音楽の地勢図を理解するためには、都市からいったん退却する必要がある。

自分の会社と事業を作るときに、リサーチとして行った「CANTEEN Mapping Workshop」でも、音楽を通じた都市の解釈から多くの問題意識が生まれた。自分がずっと音楽に取り憑かれているのは、もちろん音そのものが好きという部分もあるが、社会を認識するための契機やメディウムとしての機能に惹かれている気がした。

Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

流し読みするつもりだったが、読み物としてもかなり面白く読めた。

第14章のYouTubeの事例がもっともOKRというフレームワークを使うメリットをうまく説明している。長いのでここには引用しないが、Youtubeの成長過程で再生回数(=広告表示回数)よりもエンゲージメントをKRとして設定したときのGoogle検索チームとのやりとり部分が面白かった。

書籍を通じてその内容を読むとサラッとフレームワークを使っているように見えるが、実際には泥沼のようなプロセスと、ありえないくらいピリついたミーティングなどが想像され、外資にいたときの嫌な記憶が思い出される。

「機能」と「感情」を分けることが苦手な日本人を前提に考えたときに、このフレームワークがどのくらい機能するのか?アメリカの巨大なテックカンパニーにおけるマネージメント手法が、自分の小さな事業にどれくらい適応できるのか?考えなければいけないことは多いが、今は自分の目の前の現実にこのようなフレームワークを適応できるか考える機会があることが楽しい。

序盤に太文字で書いてある「あなたが何を知っているかなど、どうでもいい。知識は二の次、何より重要なのは実行である。」というアンドラーシュ・グローフの言葉が強く印象に残っている。

"We're Not Particularly Talented, We Just Try Hard" - A StockX Documentary feat. Reese Cooper

久々にHighsnobietyを見ると、Reese Cooperのドキュメンタリーがアップされていた。内容は面白くなかった。Reese Cooperのブランド紹介でしかなく、特に新しい部分はない。ランウェイのアイディアの薄さと完成度の低さには若干の戸惑いさえ覚えた。

昨年LANDLORDのランウェイとアフターパーティにTohjiが出演した時、これまでなかなか見ることができなかったハイファッションのリアリティや現場の雰囲気、運営などを間近に見ることができた。同時に現実を分からないからこそ幻想的に持っていたファッション業界の限界も感じることができた。

この動画もその限界や行き詰まっている業界の慣習が手を取るほどリアルに描かれているように思えた。

Virgil Abloh Mentors Streetwear Brand

自粛期間中あまりにしっかりと服を着る機会がなく、コンビニに行くにもちょっとしたお洒落をしたくなる。そんな状況下でファッションについて考えるのは、1人の消費者としてはかなり難しい。いつものように流しながらいくつかの動画を見るが、内容よりそれ以外の所に注意がいく。

この動画も内容はどうでもいいが、コメント欄にあったこの一文が良かった。

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ファッションの批評やヴィンテージの知識には興味がないが、「culture merch」としてのファッションには強い興味がある。記号、流行、価値について。そしてそれはコロナの状況下でも強いリアリティを持つ。

IN___SIGHT – Sophia Chang

3年前くらいに1本だけSamuel Rossのインタビューが出ていたメディアが3ヶ月前から急に再開していた。

仕事中の座り方から自分の健康や身体に関しての認識が変わっていった話はとても納得度が高い。おそらくいまの日本だと多くの人がトレーニングや運動に興味を持つのは「ダイエット」が多いと思うが、日本特有の肩こりや自律神経系の話、仕事のストレスなどを切り口にすれば「体育」から引きずられたキツく結果の出ない運動に対するイメージも変わるかもしれないと思った。

このnoteを家のPCで閲覧している人は、取り急ぎこの動画に沿ってデスク環境を整えてみてはどうだろうか。生活に対してプラグマティックに対処していくと、意外と人生のストレスの50%くらいは無くなったりする。





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