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インドネシアを知る②インドネシアの言語

はじめに


今日は、インドネシアの言語について、歴史性や地域性を書いていきたいと思います。インドネシアは、多様な言語を持つ国であり、700以上の異なる言語が話されています。これは、インドネシアが世界最大の島国であり、多数の島々が、独自の言語や文化を持っているためです。それにもかかわらず、インドネシアの公用語はインドネシア語(バハサ・インドネシア)です。

1.歴史

(1)原住民の言語
インドネシアの諸島は、オーストロネシア語族パプア語族など、多様な言語族の影響下にあります。

オーストロネシア語族は、マレーシア、フィリピン、ミクロネシアなどにも分布している大きな語族であり、その中のマレー・ポリネシア語派が、インドネシアの多くの言語を形成しています。

一方、パプア語族は、インドネシアの西部を中心に話されているもので、この地域の固有の言語を示しています。

(2)外国の影響

インドネシアは歴史的に多くの国との交流があり、それぞれの時代においてさまざまな文化や言語の影響を受けてきました。

インド文化の影響を受けた時代には、サンスクリット語の影響が見られます。中国やアラブとの交易を通じて、それぞれの言語や文化の要素が導入されました。

ヨーロッパ列強の進出、特にオランダによる植民地支配時代には、オランダ語が広く用いられ、教育や行政においてもその影響が色濃く残りました。

(3)バハサ・インドネシア

オランダの植民地支配を経て、インドネシアは1945年に独立を果たしました。その際、国の統一性やアイデンティティの確立を目指して、マレー語をベースにしたインドネシア語が公用語として導入されました。

それ以前は、地域ごとに独自の言語や方言が主流でしたが、独立後の政策により、インドネシア語の教育が全国的に推進され、国内のコミュニケーションの標準語として確立されました。

「バハサ・インドネシア」は、インドネシア共和国の公用語であり、単に「インドネシア語」とも呼ばれます。

バハサとは、マレー・インドネシア語で「言語」を意味する言葉です。以下に、バハサ・インドネシアについて、調べてみました。

①起源と歴史

バハサ・インドネシアは、基本的にはマレー語の一形態であり、歴史的な交易や文化交流において、マレー語が広い地域でのリンガフランカ(共通言語)として使用されていた背景があります。

インドネシア独立の過程で、国内の多様な言語と民族を統合するための共通言語として、このマレー語の変種を、公用語として採用することが決定されました。

②特徴

【文法】
バハサ・インドネシアの文法は比較的単純で、冠詞や性、時制を示す接尾辞などが存在しないそうです。また、語順は一般的に主語-動詞-目的語の順になります。

【語彙】
インドネシアの歴史的背景や外国との交流から、サンスクリット語、アラビア語、オランダ語、中国語、英語などからの借用語が多数存在します。

【発音】ラテン文字を使用しており、発音は一般的には表記通りであるため、読みやすい言語の一つとされます。

➂社会的役割

バハサ・インドネシアは、教育、行政、メディアなど国内の公的な場面での主要なコミュニケーション手段として使用されています。

また、国内で話される700以上の言語や方言を持つインドネシアにおいて、異なる民族や地域出身の人々とのコミュニケーションを取るためのリンガフランカとしての役割も果たしています。

「リンガフランカ」とは、異なる言語や文化を持つ人々が、相互にコミュニケーションを取るための共通言語を指します。リンガフランカは、通常、その地域の元々の言語や文化とは異なる場合が多く、交易、植民地化、移住などの歴史的背景から生まれることが一般的です。

「リンガフランカ」の代表的なもの

1.中世の地中海地域
リンガフランカという言葉自体は、中世の地中海地域での商業言語であった「Lingua Franca」(「フランク人の言語」の意)から来ています。これは、異なる国籍や言語を話す商人たちが交易を行う際の共通言語として使用されました。

2.英語
現代では、国際的なビジネス、科学、政治、エンターテインメントなどの多くの分野で英語がリンガフランカとして使われています。

3.スワヒリ語
東アフリカでのリンガフランカとして知られ、多くの国や地域で第二言語として話されています。

4.ピジンやクレオール言語
これらは、植民地化や奴隷貿易などの歴史的背景を持ち、異なる言語集団が接触することによって生まれた混合言語です。これらの言語も特定の地域やコミュニティでのリンガフランカとして機能することが多いです。

リンガフランカは、異なる文化や言語を持つ人々が共存する世界において、相互理解や協力を促進するための重要な役割を果たしています。

これにより、インドネシア国内での統一性やアイデンティティを保つ上で、バハサ・インドネシアは極めて重要な役割を果たしています。

2.地域性

①ジャワ島

インドネシアの人口の約60%が住むジャワ島では、ジャワ語が、広く話されています。ジャワ語は、古くからの歴史を持ち、クラシックな文学作品も多く存在します。

②バリ島

バリ島はヒンドゥー教の文化が色濃く残る場所で、バリ語が、話されています。また、バリ島独自の伝統や文化が存在し、それが言語にも影響を与えています。

➂スマトラ島

スマトラ島は非常に大きな島で、多くの民族が住んでいます。そのため、ミナンカバウ語やバタク語など、多様な言語が存在しています。

④カリマンタン

この島はマレーシアとの国境を接しており、デヤク語やマレー語などが話されています。森林に覆われた広大な地域での生活が、言語の特色にも影響しています。

⑤スラウェシ

スラウェシ島は、形状が特徴的な島で、多くの民族が住んでいます。トルージャ語やブギス語など、独自の言語が、多数存在します。

⑥パプア

パプアは、とても多様な言語が存在する地域であり、オーストロネシア語族とは異なるパプア語族の言語が多く話されています。この地域は多様性が高く、言語ごとの話者数は、少ないものも多いです。

まとめ

インドネシアは言語の宝庫とも言える国で、その多様性は地域や歴史の背景に根ざしています。公用語としてのインドネシア語は、国全体での統一性を持たせる役割を果たしていますが、地域ごとに独自の言語や文化が、豊かに存在しています。

明日以降もインドネシアを知ることを書いていきたいと思います。

お読みいただき、みなさま本当にありがとうございます。


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