フォローしませんか?
シェア
西野 友章
2020年1月21日 20:20
精神病患者とされた、ロシアの下級官吏の日記だった。(1835年発表)ゴーゴリ「外套」にも出てきた小役人が、今度は精神に障害を持つ40過ぎの男として登場していた。僕には印象深い、いわゆる『ペテルブルグもの』だ。概要長官の令嬢に恋してしまった小心者の「おれ」は、犬が人間の言葉で喋り、手紙も書いているという幻覚をとても饒舌に、日記につづる。彼の病態は日増しに悪化し、やがて自分をスペインの王位継
2020年1月8日 20:04
昨年末から読み始めたこの小説、お正月を通り越してしまった。作品を読むと、いつでもその背景が知りたくなる。著者の世の中の解釈に興味がわく。「脂肪の塊」は戦争があった。「ボヴァリー夫人」は道徳を考えた。「女の一生」は著者自身のことが気になった。1883年刊行のフランス文学。新潮解説にモーパッサンの生涯が載っていた。まさにこの作品で描かれている主人公ジャンヌは、モーパッサンが実際に生きてきた