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YURAGI|collaboration|詩


ちぇりこ。

「1/f fluctuation in summer」

揺らめいている
波の底の母音は
引き潮の
アルペジオの柔らかさで
追いかけてゆく

待ち遠しかった夏の背に
届きそうで届かなかった
午後と夏の雨は混じり合い
冷たい真水の影は
私たちと海とを繋ぐ水路を
隔てているのだとしても
上手く旅立つための種子を運んで
ヒルガオの蕾
その、あどけない
温かい微炭酸に収束されてゆく
縁取られた午後の横顔から漏れる
真夏の光の強度
その上を渡る脆弱な素足で

できれば
薄荷の風が吹く式日に
白紙の頁を読み解くように
旅立ちたいのです

by ちぇりこ。

Kaco

「YURAGI」

空っぽのグラスのなか
投げ込まれたビー玉が転がる
弧を描く陽のひかりは
海の底に虹色の影をつくった
旅にでないか僕と一緒に
夏に恋した海月の背中にのって
おわりのない夢の話をしよう

by Mg.Asano

collaboration : ちぇりこ。

       Thank you...My friend

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