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トレヴィ|詩


「トレヴィ」

息づかいのない杜を抜け
確かなる泉を目指して歩いていた
拾った哀しみの脱け殻には
僕の名が記されているかもしれない

捨て置くことなど出来ようか

黄昏時に杜を振りかえる
眠りから醒める音が聴こえてきた

まだ生きている
そう、僕は
あの場所を忘れてなんかいない

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