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日記

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2020年1月の記事一覧

2020年1月28日(火)

休み。フリオ・リャマサーレス【黄色い雨】を読み始めると止まらなくて読み終えた。人間の変化を描くために時間を経たせるのではなくて、時間が経つから人間が変化せざるを得ない様子が描かれているという主従の違いが、この小説に限らずラテンアメリカの小説からは感じられる、と言いつつこの作家はスペイン人なのだけれども。

ひとり暮らしを始めて三年半が経過しているがこの家で初めて(レトルトでない)カレーを作って食べ

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2020年1月29日(水)

日曜に出勤して、火曜日に休んで、今週は土曜日も出勤の予定で来週月曜が休みだから、今日が水曜日である気がしなかったし、何曜日として捉えればいいのか脳というよりは身体がわかっていなかった気がする。そしてこれはこの日記のためにひねり出した何かそれっぽい空言というわけではなく、それなりに現実味のある宙づりの感覚だった。束の間の希望、みたいな暖かい気温。会社の後輩が唱えていた、偶然の目撃による会社の先輩と元

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2020年1月30日(木)

体調が悪い気もするので葛根湯を買って飲む。葛根湯への信頼のあまりの厚さが、私の風邪の予防を甘くさせる要因の一つかもしれない。あるいは、風邪に掛かる確率なんて掛かるか掛からないかの五分五分なのではないか、というあらゆる事象に応用可能な詮無い開き直りもないではない。カレーを食べたのち十時半には床に就く。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2020年1月27日(月)

明日は寒いので休暇を取得することにする。家から一歩も出ない体制を整える。本を読んでカレーを作って一日を終えられるようにする。明日のことしか考えていなかったので今日に対して割く感受性はなかった。ファブリーズを過信している節が私にはあることに気づく。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2020年1月26日(日)

出勤。いつも乗っている通勤バスの道中にある私立中学で受験があるようで、多くの親子がその停留所で降りていく。私も中学受験をした。私は当時何を思っていたか。大方の予想通り第二志望に落ち着いた。システムのテストはそつなく終わり14時には池袋でラーメンを食べていた。そのまま新宿まで歩こうと思って歩き始めたが高田馬場で中座する。途中に神田川沿いを歩く区画があって、遊歩道と通常の歩道が複雑に入り組んでいるわり

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2020年1月25日(土)

世界の伝統的な朝ごはんが食べられるという触れ込みの、住所が青山であるので一人では尻込みするどころかその存在に辿り着くことすらなかったとおぼしき店に、二人で行った。なるべく早めの集合がいいとのことで八時半になった、私は表参道に八時半に着いたが向こうは中野に八時半にいた。その時間で行ける広々とした場所を探すと青山霊園があって誰か参っておきたい著名人はいるかと探すと国木田独歩がいた、私は国木田独歩は武蔵

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2020年1月24日(金)

いくらかの給料が振り込まれたからといって、先月の私が今月の私の信頼を前借りして支払ってきた馬鹿げた金額の引き落としが待ち構えているのだから、浮かれた気分になることなんてなかった。浮かれた気分にならないからといって、あるいは逆に、発散させる必要があるストレスの類いが蓄積されているというわけでもないからといって、散財できないというわけではない、ので、不要な物品やすぐに読むというのではない書籍などを、極

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2020年1月23日(木)

職場のオフィスグリコは長らくグミ勢が貧弱だったので不満があったがここに来てメントスがグレープ味のみだが導入されたので株が急上昇している。毎日のように食べているが減り具合からすると私しか食べていない。グミとメントスを同じ枠組みに入れて語ってしまっていいのかは微妙なところだけれども、こちとら欲望の精度が低いがさつな人間なので、グミを食べたいと思ったときはだいたいメントスを食べることで代替できている。w

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2020年1月22日(水)

朝の都営バス、今日は過剰に丁寧なタイプの運転手にあたる。その場で生成される行為であるところの右左折や停車を逐一言うのはむろん、路面が悪いので揺れる旨の告知まであって時間の堆積を感じるなど。とげぬき地蔵・大正大学の最寄りという耳寄り情報までくれる。この努力は適正に評価されるのだろうか、会社及び乗客たちからは、という考えに至ってしまう自分がいる。きっと評価という軸でやってません。何の反応も返ってこない

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2020年1月21日(火)

会社で隣に座っている先輩がなかなか出社しない後輩を心配して、ともすれば死んでいるのではないかと言っていた。彼は実家暮らしかな? 実家ですね。ならさいあく死んでても誰かに見つけてもらえるね。あいつ実家だから金がありすぎるって自慢してましたよ、無一文になりたいっすわ、って言ってました。えーくれないかな。労働中とは思えない心地よい会話が繰り広げられた時間だった。後輩はふつうに休みで無事だった。別の部署の

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2020年1月20日(月)

平日休みであるので満を持して一条流がんこラーメンに行ってみようとしたところお休みの報、どうしたものかと思案したが白山の夢を語れに行くことにする。予定を詰め込む予定の日で、まずは市ヶ谷の無印で小林耕平の【瞬間レリーフ】を見る。数少ない(というか唯一の)作品を作者名で追っている芸術家である。物質が空間に存在するだけでどうしようもなく孕んでしまう表象と具象の在り様やその変質を突き詰めながら作品を作ってい

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2020年1月17日(金)

午後は会議のための会議の筆頭であるところの、ベンダーとの定例会などが入っていたため、明日からの(個人的に突入する)三連休の気分を思う存分前借りして浸ることができた。どうせ最終日の午後は否が応でも出社の影がちらついて沈んでいるのだから、それでもバチはあたるまい。

村上春樹の【神の子どもたちはみな踊る】を読み進めた、ここに収められた短編はすべて阪神淡路大震災にまつわる、まつわるというほどまつわっては

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2020年1月16日(木)

意外なことに平然と起床することができた。しかも私の胃袋はどうなっているのか、日や睡眠を跨いで持ち越すという能力の欠如が著しいのか、平時と同等かそれ以上に朝飯を欲していた、ので最寄駅に向かう道中のセブンイレブンで焼きそばパンと缶コーヒーを購入した。しかしこの二つの食べ合わせはそれなり以上に悪いもので、そもそも焼きそばパンという食べ物のベースは、かなりの割合で焼きそばのほうに占められているのだから、私

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2020年1月18日(土)

家から一歩も出ないぞという決意は、ものの見事に達成された。洗濯用洗剤が切れているという誘惑にも負けることなく、明日以降のスケジュール的に本当は今日やっておきたかった洗濯を明日に回すことで切り抜けた。寒くて、雪まじりの雨(という言い方及び状態があるか?)という天候だったことも功を奏した。ピンチョンの【競売ナンバー49の叫び】を読んでいると読み終えた。読み終えることができた。わからないけれども楽しいと

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