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映画『すずめの戸締まり』レビュー

公開初日の今日『すずめの戸締まり』を観てまいりました。
というわけで早速映画の感想を書いていこうと思います。以下ネタバレ等含みますので、映画をまだ見てない方でネタバレ厳禁な方はUターンでお願いします。


今作は3.11の震災をもとに監督である新海誠さんが「地震」と向き合い形にした作品です。

太古の昔、天変地異は神や妖の仕業とされてきたわけで、だから今作で地震が「ミミズ」と言われる異形のものが引き起こしている事とかはとても面白い設定だと素直に思いました。が、無理くり「3.11」をねじ込まなくてもよかったのになと私的には思いました。

以下は批判ではないですが、素直に疑問に思った点をいくつか挙げていきたいと思います。


①鈴芽の訛り

友達や周りのみんなが方言で喋っている中、一人だけ最初から最後まで標準語で話していたのが違和感でしかなかったです。
幼少期に宮城にいてそのあと宮崎で暮らしていたわけで、どっちも普通に方言がある地域。それも周りみんなが方言を使っている中まったく移ることなく暮らしているのがなんかなと。。
『君の名は。』の三葉みたいに少し織り交ぜることをしなかった意図はなんなの?と思いました。最初「もしかして東京から引っ越してきたパターン?」って一人でもやもや考えてました。

②鈴芽のひとめぼれ

これはなぁ…。あの短期間の中、「草太さんがいない世界なんて…!」って言えるほどのあれありましたっけ?って声がちらほらあって。。
まぁ鈴芽がまだ高校生で若くてまっすぐでって事もあるし、ひとめぼれしたことある人の話だと「なんかわかんないけどビリッって電気が走るみたいに目が離せなくなった」とかもいうから、そういったものとしてとらえるしかないのかなと。「運命だ!」ってかんじちゃったんだよきっとと。まぁワンチャン前世で…なんてあれあるのかな?なんて思って観てました。

③ダイジンとは

鈴芽が「要石って閉じ師しかなれないのかな」って言葉を言った時に、あぁダイジンは元は閉じ師で要石になったのかな?でも「要石に戻れ」って言われたときに「嫌だ」って言ってたし、草太を要石に変えちゃうくらいだから人柱的なあれだったのか?閉じ師を怨んでいるのか?って考えて、尚且つ幼い猫=幼少に人柱になったのか?って思っていたけど最終的には要石になったのは何だったの?って「?」が乱舞しました。

東の要石の封印を解いたのも結局ダイジンだったのか?ほかの個所は閉じられてなかったから教えてくれたとして、東のはミミズも倒れる前だったよね?
ダイジンの目的って何だったのか、、謎過ぎる…。

因みに黒猫(右近だったか?)は草太の師匠の師匠だよね、きっと。やっぱり閉じ師が要石になって扉の封印を守ってきたってことだよね?

④車内で聞く曲

大学生男子(芹澤)が聴く曲にしては古すぎるんだが!!!
シリアスな感じから一気に現実に引き戻されて、引き戻されすぎてむしろ冷めてしまった感覚すらありました。ダイジンを見た人が「耳すま」と言っていたり、車内に猫がいるだけで「魔女の宅急便=ルージュの伝言」流すって脳内が…。宮崎駿さんリスペクトなのはわかりますが、リアルで不通にその発想になる人なんておりませんて。真っ黒猫とか、電車に乗ってるときふくよかな白猫だったならともかく…。

芹澤がめっちゃおじいちゃん・おばあちゃんこでって設定なのか?もうなんなんその選曲は!?てなりました。

⑤リアルさはどこへ?

リアルさを重視しているイメージのあった新海作品ですが、たまに手抜きになるのやめてくださいw
鈴芽の出生の地へ行く途中で車が故障し、「走って向かう」という鈴芽を追いかけるため環が自転車に乗ります。その自転車は不法投棄され錆びるくらい野ざらしにされていたにも関わらずパンクしてない!!ってどういうこと??

家のあった場所に着いて、埋めてあった「すずめのだいじ」と書かれた缶の箱は地面に直接埋めてあったにも関わらず中に入っていたノートが新品同然の保たれよう…。その奇跡にこれまたツッコミが入りました。

⑥子供の鈴芽にかける大人たちの言葉

めっちゃ必死に母親を探そうとする鈴芽に対して大人たちが書ける言葉や態度があまりにもお粗末といいますか。もし3.11の最中であるならば大人たちの声が明るすぎるし、そうでないのであれば小さい子(4歳)があんな状態で「一緒にいてあげる」とかの「声」はないものかと思いました。

上とは逆に最大のミミズと対峙したラストのシーンでの「人の声」が「行ってきます」「行ってらっしゃい」のセンスは抜群だと思いました。3.11の朝、みんなが口にしたであろう言葉を思うと…そして言えなかった「おかえりなさい」「ただいま」があると思うとグッと来ました。

⑦常世の世界での別れ

子供のころに行った常世の世界に続く扉の中で、鈴芽が子供のころの自分と出会うわけですが、その後子供鈴芽が元の世界に帰る時、扉の向こうは大雪(吹雪)なわけで、そこに迷わず戻る子供鈴芽に私は驚きを隠せませんでした。

⑧草太との別れ

みんなでミミズを封印し、草太との別れが来ます。草太はまだ見ぬ扉を「封じながら戻る」と鈴芽にいうわけですが、、ちょっと待てよ?と。作中で閉じ師は複数人いるみたいなことを言ってた気がするのだが??だけども作中では草太1人が津々浦々、扉を閉じにいってるよな?え?管轄とかないわけ??東京住んでる人間が宮崎まで扉閉めにくるとか効率悪すぎない??とかいろいろ思ったわけでして。。


私は小説は未読なのでもろもろの疑問が小説を読めば解消されるのだろうか?

作品としては良かったと思いますが、あまりにもコンパクトに纏め過ぎて惜しい感が否めません。
文中にも述べたように黒猫が師匠の師匠なのかも?とかそういった匂わせを演出の一環として放置するのは大歓迎なのですが、そうじゃないキャラの心情とか気持ちの移り変わりとかは2時間上映じゃなくてもいいんで、2時間半とかで良いんで、もっと丁寧に描いてほしかったです。

因みに神木隆之介さんの演技は相変わらずの安心安定でした。叔母の環役の深津絵里さんも方言も含めて本当に素敵な演技でした!!

悪くはないんですがやっぱり主役の松村さんはヘッドボイスになり気味だし、少しのキザさを演出したいんだろうけどセリフが歌ってしまっていて安定してなかったのが気になりました。。

何より嬉しかったのが西村知道さんがちょい役でしたが出演されていたこと!!おじいちゃん役として本当に欠かせない、唯一無二のお声だと心から思っています。


初日の今日に行ったので勿論『新海誠本』ゲットしました!

新海誠本

『すずめの戸締まり』の企画原案や創作時の心中、『君の名は。』『天気の子』の企画書(縮小されてて漢字とかは文字つぶれてて見づらい)、対談が載っています。無料冊子なのにB5サイズなのはすごいです。
でも欲を言えばもう少しページ数あってもよかったかな?とか?

そして多分、週替わりと言わないまでも特典第二弾あるんだろうなぁと思っています。今まで通りで行けば「フィルムしおり」は絶対入ってくるだろうなと思いますが、これまたたぶん4週目くらいの配布になるんだろうなと予想しています。

お急ぎじゃない方で、1回しか観に行く予定がない方は特典待ちしてもいいかもしれませんね。

という感じでざっくり感想でした!!!



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神楽シキ


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