てんらん

ブランディング

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#10 失墜したブランドの生死を分けるもの

「頭が真っ白になった…」「責任逃れの発言をしてしまいました…」「それはない。それはない」 最近テレビを見ると、平成を振り返る番組ばかりだ。この言葉を見ると、12年前のある記者会見の映像が蘇ってくるのではないだろうか。そう、「ささやき女将」で大きく世間を賑やかした船場吉兆の不祥事発覚後の説明記者会見である。産地偽装や無許可での梅酒の製造・販売、客の食べ残しの再提供により、最終的には廃業にまで至った不祥事である。 つまり、この不祥事により船場吉兆というブランドは「死んだ」わけ

    • #9 フランス人から教わった、ある日本語の持つ魅力

      An attractive Japanese word taught by a French professor 2017年の冬、まだ日が昇る前の寒くて薄暗い中、パリ郊外のビジネススクールでベンチャーキャピタルの講義を受けていた。パリの冬は、日が昇るのが日本と比べて断然遅い。MBA最後の学期ともあって、クラスメイトも比較的緩く講義を受けている中、教授が「不確実性」と「リスク」の違いについて話をしていた(はず)。まだ頭が完全に起きていなかったため、フランスらしくカプチーノとパ

      • #8 東京ヴェルディ(アカツキ) vs 町田ゼルビア(サイバーエージェント)の勝敗は、ある「差」によって分かれる

        "Difference" could be a decisive factor of victory and defeat as a brand between Tokyo Verdy (Akatsuki) vs Machida Zelvia (CyberAgent). 東京ヴェルディの経営に参画するアカツキと、町田ゼルビアの経営に参画するサイバーエージェント。どちらがブランドとして成功するのか。未来を予測することなんて無理なことだが、ある「差」によって勝敗が分かれるので

        • #7 ブランディングにおいて、お客様の声は“毒”である

          Voice of the customer is a poison in branding. 一般的に、お客様の声というのは貴重な情報だ。お客様の声から新たなニーズを発見することもできれば、不満を察知することもできる。 そのお客様の声を取るために企業は数百万、数千万、時には数億円払うことだってある。 しかし、そんな欲しくてたまらない貴重なお客様の声が、ブランディングにおいてなぜ“毒”になるのか。そのことについて今回説明したいと思う。 なぜブランディングにおいてお客様の

        #10 失墜したブランドの生死を分けるもの

        • #9 フランス人から教わった、ある日本語の持つ魅力

        • #8 東京ヴェルディ(アカツキ) vs 町田ゼルビア(サイバーエージェント)の勝敗は、ある「差」によって分かれる

        • #7 ブランディングにおいて、お客様の声は“毒”である

          #6 “日本人的美的感覚”の縛りを解けるかどうかが、世界で勝つための鍵となる

          Unleashing "the Japanese way of aesthetic sense" is the key to win in the world. 日本人が世界の強者達との戦いに勝利するためには、“日本人的美的感覚”の縛りから解放されるべきである。様々な分野において、“日本人的美的感覚”で勝負しても世界では勝つことが難しい。知らぬ間にハマってしまっているその縛りを解けるかどうかにかかっている。 “日本人的美的感覚”とは何か? ここでいう“日本人的美的感覚”と

          #6 “日本人的美的感覚”の縛りを解けるかどうかが、世界で勝つための鍵となる

          #5 “守りのブランディング” - チェルシーのブランドガイドラインからJリーグは何を盗めるか

          Defense is the best form of attack - What J.League can steal from Chelsea FC's brand guideline 「攻撃は最大の防御なり」 これは誰もが一度は耳にしたことはある言葉だろう。 この言葉は、実際にはこの通りに言われているわけではないようだが孫子の兵法からきている言葉だと言われている。 サッカーにおいてもたまに聞く言葉でもあり、前日本代表のイビチャ・オシム監督も“攻撃は最大の防御で、つま

          #5 “守りのブランディング” - チェルシーのブランドガイドラインからJリーグは何を盗めるか

          #4 ユヴェントスのリブランディングで語られていない実はスゴイこと | The great things you never know about Juventus's rebranding

          2017年1月、イタリア・トリノの歴史あるビッグクラブであるユヴェントスが新たなブランドアイデンティティを発表した。そのカタチの一つとしてエンブレムを一新した。 その大きな変貌ぶりに多くの人が驚き、リアクションしたのではないだろうか。しかも、その当時のリアクションはネガティブなものが多かったようにも記憶している。いずれにせよ、120年以上の歴史と伝統を誇る世界的ビッククラブが大胆な変革を起こしたことに世界中のサッカーファンが反応したことは確かである。 以下を見てもらえれば

          #4 ユヴェントスのリブランディングで語られていない実はスゴイこと | The great things you never know about Juventus's rebranding

          #3 ブランドとブランディングの違い

          Difference between brand and branding マーケットとマーケティングが違うように、ブランドとブランディングも違う。そして「ブランド」という言葉を一つとっても人によって解釈はそれぞれだ。 多くの著名経営者がブランドについて以下のように語っているが、もちろん解釈はそれぞれだ。 “Your brand is what other people say about you when you’re not in the room.” ー J

          #3 ブランドとブランディングの違い

          #2 M-1グランプリに見るブランドとして強い“ジャルジャル” | JARU JARU as a brand

          “ジャルジャルらしい漫才やな!” “ジャルジャルといえばやっぱりあのスタイルやな!” ここ数年でジャルジャルはこう言われるようになってきている。これは年末の風物詩であるM-1グランプリで2015, 2017, 2018と決勝に進出し、強烈な印象を与えたことによるものが大きいと思うが、こういうコメントを見ると、「ジャルジャルブランド」は年々強くなっていると感じる。 2015 M-1グランプリ ※ジャルジャルの漫才は50:40〜と2:00:15〜の2本 2017 M-1グラ

          #2 M-1グランプリに見るブランドとして強い“ジャルジャル” | JARU JARU as a brand

          #1 ブランドのパワーを知り、ブランディングに興味を持った原体験 | The original experience of feeling the power of brand

          “ブランドには人を高ぶらせ、人を熱中させ、人に自信や夢を与えるパワーがある” 自分はそう強く信じているし、それが真実であると願っている。 31歳を迎え、一つの夢であったブランディングに携わる仕事に就いている自分が、そう信じるようになったきっかけ、原体験はサッカーに没頭していた中学生の時にまで遡る。 自分には4つほど上の兄がおり、その兄が大学生になった時に自分で買ったのか親に買ってもらったのかは覚えてないが、新しい革財布を買った。そして、その時に使っていたお古の革財布を自

          #1 ブランドのパワーを知り、ブランディングに興味を持った原体験 | The original experience of feeling the power of brand