【読書】『能 −650年続いた仕掛けとは−』(安田登 著)
2023年4月15日(土)、『能 −650年続いた仕掛けとは−』(安田登 著)を読み終わりました。
初めて知ることも多く、いくつかメモを残したいと思います。
■「舞」を見るポイント
私は能を見始めて1年弱ですが、ここ最近、どのような心持ちで「舞」を見れば良いのかな、と考えていました。安田さんの記載を引用します。
私は、ストーリーや情景を想像しながら見た方が良いのかな、と思ったりして、まだまだ安田さんの記載に半信半疑の部分もあるのですが、次回は(語弊があると申し訳ありませんが、)あまり深く考えず、鑑賞してみようと思います。
ただ、この論点は私が関心を持っている論点であり、今後も他の本を読んだりして、頭の片すみに入れておきたいと思います。
■「謡」について
安田さんはワキ方であまり仕舞はされないこともあり、「舞」より多く「謡」にページがさかれていました。
基本的に能は武士階級がたしなむもので、庶民からは遠い存在でしたが、詞章を謡う「謡」だけは、江戸時代の庶民のたしなみだったそうです。「謡」は古典(『源氏物語』『伊勢物語』『平家物語』など)を学ぶツールだったともありました。
最近は、結婚式などで『高砂』などの祝言謡を謡う人も減っているのでしょうが、昔はもっと「謡」が庶民の生活に浸透していたのだと思います。
夏目漱石の小説にも「謡」に関わることが多く出て来ることも書かれていました。
■世阿弥の言葉
本書でも、世阿弥の言葉がいくつか引用されていました。能楽堂の売店(書店の出店)にも、世阿弥に関する本を見かけることもあり、名言録などもいつか紐解いてみたいです。いくつか挙げてみます。
①「男時(おどき)」・「女時(めどき)」
何をやっても上手く行く日を「男時」、逆に何をやっても上手く行かない日を「女時」といいます。私は、向田邦子のエッセイか小説でこの言葉を知ったのですが、世阿弥に遡るとは思いませんでした。
②「陰陽の和するところの境を成就とは知るべし」
「陰陽」については、いくつかの項で書かれていました。私はあまり詳しくないのですが、気分が盛り上がり過ぎている時(陽)と気持ちが萎えている時(陰)が極端に生じないようしないといけないな、と思うときがあります。安田さんは、他にも呼吸法や身体作法の本も出されているようですし、他の本も読んでみたいです。
③「花と面白きと珍しきと、これ三つは同じ心なりり」
世阿弥の芸能論で、もっとも重要なキーワードは「花」だそうです。ここは割愛しますが、今後腰を落ち着けて、世阿弥の本を読んでいきたいと思います。
④その他
「初心」「離見の見」など。
■最後に
今回、能について読書をして大変良かったと思います。ここ半年ほど、バタバタと舞台鑑賞に行くことが多かったのですが、時間を取って「知識」や「他の人の考えや教え」を知ることは重要であると改めて感じました。バランスよくやって行きたいと思います。
本日は、以上です。
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