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【朗読劇】朝彦と夜彦1987

 2024年1月13日(土)、朗読劇『朝彦と夜彦1987』を鑑賞してきました。メモを残します。
(前半は問題ないですが、後半にネタバレ部分があります。明示しています。)

■『朝彦と夜彦1987』について

(1)作・演出等

作家・菅野彰すがのあきらによって書かれ、2015年に演出家・中屋敷法仁なかやしき のりひと(1984~)によって朗読劇として初演された。力強い作品性と朗読劇の枠に収まらない演出が好評を博し、その後、2019年、2020年と様々な俳優によって演じ継がれている。

渋谷区文化総合センター大和田のHPより

 菅野彰さんは、noteにアカウントを持たれ、今回の上演についても記事を書かれていました。(リンクを貼ってよいのか迷ったので、貼っていません。)また、noteでは、過去の上演についての感想の記事がいくつかあり、2015年から受け継がれていることが分かりました。

(2)あらすじ

─ 季節は冬。十二月。
大人(30歳)になった山田朝彦は山田夜彦のことを思い出す。
高校(17歳~18歳)のとき、二人は親友だった。
十代の頃に果たせなかった約束の物語。

渋谷区文化総合センター大和田のHPより、()内は補足。

 あらすじを書くのが、すごく難しく、上演会場のHPから引用させて頂きました。というのも、本作は、ネタバレしてしまうと、面白みが半減してしまう作品のように思ったからです。後半のネタバレ部分と区切ります。
 なぜ朝彦は夜彦のことを思い出すのか、大人になってから振り返るほろ苦い「青春ストーリー」でした。また、1987というように、当時流行した音楽や雑誌など、カルチャーが反映されていました。

(3)オーディオブック

 インターネット検索すると、オーディオブック(audiobook)で出されていました。関心を持たれた方は、購入して聴いてみるのも面白いと思います。

■今回の公演概要等

(1)会場・日程等

  • 日程:2024年1月9日(火)〜14日(日)

  • 会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール(4F)

  • 上演時間:80分(休憩なし)

(2)出演

 8人の俳優が4組に分かれ、回替わりで上演されました。
 生まれた西暦を記載したのは、本演目の過去の記事で、年齢を書かれている他の方の記事を読んだことに拠ります。青春時代を振り返るストーリーということもあり、役者の方の年齢も、雰囲気に影響するのではないかと考えたからです。年齢を重ねるほど、青春時代も遠くなるというか。私が観たのはCのペアで、お二人ともちょうど、舞台設定と同じ30歳でした。

  • A:平野良(1984~)と村田充(1977~)

  • B:正木郁(1995~)と溝口琢矢(1995~)

  • C:荒井敦史(1993~)と健人(1993~)

  • D:桑野晃輔(1990~)と加藤ひろたか(1991~)


 以下、ネタバレを含む部分があります。注意して下さい。

■感想

(1)観ようと思ったきっかけ

 インターネット広告で目にして、関心を持ちました。朝と夜を比喩的に使っているのが、坂口安吾の『夜長姫と耳男』のようでもあり、面白そうだと思ったのです。また、二人の男性の物語とあり、「たたき上げの男とエリートの男」のような話なのかな、など安易な想像をした部分もありましたが、よい意味で期待を裏切られる作品でした。(そして、noteでフォローさせて頂いている「山田星彦」さんのネームが頭にもよぎったのも、関心を持った理由の一つです。)

(2)感想(ネタバレあり)

 夜彦は、自身が9歳のとき父親を自殺で亡くしたこともあり、自分も同じように自殺してしまうのではないかという強迫観念に駆られている部分があります。私も親を割と早くに亡くしたこともあり、親が生きていた年齢まで生きられるかな、と考えたりしたことを思い出しました。
 朝彦は、そんな夜彦に付き添おうとします。それが二人の約束です。

 ストーリーとしては、30歳になった朝彦に、17歳の夜彦が話かける形で進んでいきます。現在、夜彦は生きているのか。
 最後に30歳の夜彦も出て来ます。これは、朝彦が希望としてつくり出したものなのか、生き抜いた夜彦の姿なのか、観る人の解釈に委ねられる部分が大きいように思いました。また、夜彦を演じられた健人さんの声色が、17歳と30歳で異なることが、面白く感じられました。
 
 そして、本作の感想とは少しずれますが、朝と夜のイメージです。
 朝は、希望に満ち溢れた一日のスタートのようにも見えますが、私は若い頃、空虚に捉える部分も大きかったなぁ、と思ったりしました。年齢が上がるにつれて、私も図太くなったとも言えますが。

 最後になりましたが、朝彦と夜彦が、真夏に学校の屋上で話す場面があり、冒頭の写真は、喜多野土竜さんの「屋上」の写真を使用させて頂きました。ありがとうございました。

 あまり座りがよくない終わり方になってしまいましたが、本日は以上です。後日、修正・追記するかもしれません。
 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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