長谷川 雄治(仮面ライター)

昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。 2011年か…

長谷川 雄治(仮面ライター)

昭和63年生まれ。大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科卒。 2011年からWeb制作に従事。コーディングやWordPressのカスタマイズ等を主に経験し、2013年、仮面ライターとして独立開業。マーケティングや企画にも口を出し、上流も下流も関わりたいヘンな人。

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マガジン

  • 名称未設定世界観(仮)

    物書きとしての本格的な再起、奮起を考えた、既存作品の再構築世界で展開される一連のシリーズ。 各作品、全体の名称すら未決定。 とりあえず、プロローグ的な幕間の話を置いてみる。

  • 「、(テン)仮面ライター」に向けて

    2023年4月26日に10周年を迎えるにあたって、ここから約1年、何をやっていくのか、どんなことをしていきたいのか、それを少しでも整理するためのコンテンツ群(になる予定)。 ここ2〜3年ほど考えてはアウトプットしてこなかったものを、少しでもマトモな話になるよう、小分けにして言語化していく。

  • 2023 浪川瑞希

    アフターコロナのちょっとだけ未来の北摂、茨木市を想像した、何も起きない、何も起こさない掌編小説。 小説投稿系サイトで関連作を掲載中。 情報追跡は下記まで。 https://magazine.kamenwriter.com/ FB https://www.facebook.com/kamenwriter01 Twitter https://twitter.com/kamenwriter02

  • 講座系コンテンツ

    仮面ライターがお届けする講座系コンテンツをこちらにまとめて発信していきます。HPにも類似の情報は出ていますので、あわせてご参照ください。

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エントランス

 見渡す限り何もないだだっ広い空間に、また新しい訪問者が来たらしい。  何もないこんな場所に、何でわざわざと思いながら、重い腰を上げた。扉の向こうで早く招き入れろとアピールしているのは、開ける前から分かっている。前に居た奴も、その前に来た奴も同じだったから。 「いらっしゃい、よく来たね」  扉がぶつからないよう、ゆっくり開けた。こちらからは逆光になっていて、顔や姿はよく分からない。ま、ここでは男も女も関係ないんだけど。 「どこから来たんだい?」  新参者に話しかけながら、ロビ

    • 常設展「夢路をたどる」開催にあたって 蛯子睦月インタビュー

      ※ 新設ギャラリーならびに、常設展のプロモーションを含みます。 きっかけは、思いがけないお誘い──普段の活動拠点は主に京都で、職場も京都、ご出身の高校も大学も京都と、大阪とは接点が少ないように思えますが、今回の常設展に至った経緯を教えてください。 蛯子睦月(以下、蛯子) 常設展に至った経緯は、ギャラリーのオーナー様が父の仕事仲間で、「ギャラリーの開店にあたって、作品を展示しませんか」とお声掛けいただきました。急なお話でしたが、今年2月に個展を開いたばかりで展示準備を整えた

      • アゲハ・フィズ 第1話(1話完結 おまけ付き)

         どこで入手したか全く覚えていない画像を前に、ボクは頭を抱えていた。どこにでもありそうな教室で、教卓を挟んで二人の女性が対峙している。見事な金髪と白衣が目を惹く女性は、科学部の顧問である美羽先生に見える。もう一方の黒髪の女の子は記憶にない。  美羽先生らしき人物は何故か傷だらけで、顔面蒼白で拳銃に弾を込めている。それを煽るような表情で眺めている制服姿の女子は、コウモリのような羽がついたリュックサックを背負っている。  シチュエーションの異様さからするとAIが生成したフェイク画

        • アゲハ・フィズ 人物設定

          主人公、語り部玄野カズミ(クロノ カズミ) 科学部に所属する男子高校生。二年五組。どちらかと言うと理系。 部長ほどはプログラミングに長けていないが、発想、想像力は豊か。 一般教室より空調が効いている部室、パソコン室に入り浸りがち。 名前の由来は何となくタイムリープ系だったので、玄野とカオスの裂け目、カズム(=キャズム)から。ジャンプ系ってことで、GANTZに引っ張られすぎないようには気をつけた。 一人称は基本的にボクだが、格好をつけたい相手にはオレを使う。 お題イラストの

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        • 名称未設定世界観(仮)
          長谷川 雄治(仮面ライター)
        • 雑記
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        • 「、(テン)仮面ライター」に向けて
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        • 2023 浪川瑞希
          長谷川 雄治(仮面ライター)
        • 講座系コンテンツ
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        • 思考の整理 2019(後半?)
          長谷川 雄治(仮面ライター)

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          アゲハ・フィズ 第1話(1話完結)

           どこで入手したか全く覚えていない画像を前に、ボクは頭を抱えていた。どこにでもありそうな教室で、教卓を挟んで二人の女性が対峙している。見事な金髪と白衣が目を惹く女性は、科学部の顧問である美羽先生に見える。もう一方の黒髪の女の子は記憶にない。  美羽先生らしき人物は何故か傷だらけで、顔面蒼白で拳銃に弾を込めている。それを煽るような表情で眺めている制服姿の女子は、コウモリのような羽がついたリュックサックを背負っている。  シチュエーションの異様さからするとAIが生成したフェイク画

          アゲハ・フィズ 第1話(1話完結)

          Pixivで開催中(?)の"第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト"とやらに参加しました。 作品丸ごとの貼り付け、転載はダメらしいので下のURLからご覧いただけますと幸いです。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20002025

          Pixivで開催中(?)の"第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト"とやらに参加しました。 作品丸ごとの貼り付け、転載はダメらしいので下のURLからご覧いただけますと幸いです。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20002025

          ポイント・ボトルメール

           弱い太陽の光を増幅するように、無数に折り重なったガラス瓶は乱反射を繰り返す。南太平洋の沖合と聞くと何故か常夏をイメージしてしまうが、南極もそれほど遠くないココは、かすかに肌寒い。  水着に一枚羽織る程度なら震えていてもおかしくなさそうだが、足元のガラス瓶が太陽光や熱を引き留めてくれているらしい。 「心を込めて書いた文章を踏みつけているのに、オレたちを温めてくれるなんてな」  オレたちより一足先へ行っている洋平が、その場で足元のガラス瓶を一つ持ち上げた。中の紙はどうやら印刷し

          無軌道無計画な「テン・仮面ライター」

          勢いだけで開業して、初年度から余計な固定費が掛かるコワーキングを事務所と定め、若さ以外何も無い状態で走り出したのが丁度10年前の今日。そこから丸10年。10周年、「テン・仮面ライター」ですよ。 本来なら、資金なり利益なり、入念な準備と計画が必要なのに、「事業計画を出すのがめんどい」で審査の規定にそれが含まれてなかったグランフロント大阪、ナレッジキャピタルのコワーキング、「コラボオフィスnx」に入居を申し込んでみて、なぜか面談、審査を通って一年ちょっと居座ってみるムーブをかま

          無軌道無計画な「テン・仮面ライター」

          奈落の擬死者たち(仮) 第十九話

           ルリ子は、オレの目の前で忙しそうにしながら、時折こちらへ視線を向ける。自分の仕事で手一杯だろうに、ご苦労なことだ。そんなオレは、ルリ子から視線を向けられるたびに、腹が立った。そんなに何度も気にかけられても、痛みも腫れも引くことはない。  彼女は手元の資料と台の上に横たわる、首から上がなくなった守住の遺体を確かめながら、横目でオレに「どう? ちょっとはマシな顔になった?」と尋ねた。オレは彼女にもらった氷嚢を目元に当てながら、「さあね」とボヤいた。  彼女はオレの顔を至近距離、

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          奈落の擬死者たち(仮) 第十九話

          奈落の擬死者たち(仮) 第十八話

           年末恒例のイルミネーションも終わり、クリスマスムード一色の神戸でマユミちゃんに連れ回されていると、船着場近くの大規模商業施設でお嬢ちゃんに呼び止められた。ここまで順調にマユミちゃんを口説いていたのに、肝心の情報まであと一歩というところで、彼女の心の扉は閉ざされてしまった。  オレと六花ちゃんがどれだけ言葉を尽くしても無駄なようで、「もう良いわ。帰る」と彼女は一人で最寄駅へ向かって歩いて行った。 「デートの最中に、ごめんなさい」  六花ちゃんはいつも通りの服装で深々と頭を下げ

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          奈落の擬死者たち(仮) 第十八話

          寒暁のノクターナス(仮) 第十八話

           欠勤の連絡を入れた後、半ば意識を失うように眠り続けた。隣の部屋に人がいるとは思えないぐらい静かな環境で、お昼過ぎぐらいまで一度も目を覚ますことなく、寝入ってしまった。  そのまま丸一日寝ていてもおかしくなかったのに、風邪が早く治るようにと余計に暖かくして寝たために、物凄い寝汗をかいた不快感で目が覚めた。寝過ぎで多少ボーッとするけど、熱っぽい感じは大分マシになった気がする。私は枕元へ置いた体温計を取ると、脇に挟み込んだ。計測が終わるまで、ベッドの上で上体を起こしてじっと待つ。

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          寒暁のノクターナス(仮) 第十八話

          LINKS(仮) 第十八話

           高岩の目の前で、デモンストレーションのように基本的な動作を披露する。これなら、マスク有りの方が視線を気にしない分、気楽だったかもしれない。何かのオーディションか、試験を受けているような感覚で、疲労と緊張が折り重なる。午前中はもっと出来ていたような気がするのに、今はトロくて鈍い動きにしかならない。  もしこれが何らかの審査なら、受けた側も文句のない不合格だろう。厳しい言葉を突きつけられる覚悟で、恐る恐る高岩の方を見た。彼は、僕が初めて見る表情を浮かべた。 「ちゃんと訓練したん

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          『シン・仮面ライダー』を見た雑感(多分ネタバレなし)

          50周年記念作としても、庵野秀明作品としても、個人的には120点本作を一言で述べていいのかどうかもよく分からないのだけど、ネタバレ無しに評するなら、石ノ森作品×庵野秀明作品×仮面ライダー50年の歴史の傑物。庵野秀明作品として特異なところがあるとすれば、「仮面ライダーとはエンタメである」を忠実に踏襲して、サービス精神が他の作品より過剰、エンタメとしてやりたいことを盛り込みまくったのかな、というところぐらいか。 仮面ライダー以外の石ノ森作品モチーフもかなり入ってたし、浜辺美波の

          『シン・仮面ライダー』を見た雑感(多分ネタバレなし)

          壊乱(仮) 第十八話

          「踊り子の姉ちゃんも、もうそろそろ着替えて出て来る頃じゃないか?」  彼は薄暗い路地の奥へ顎をしゃくった。どうやら、そちらに店の裏口があるようだ。彼の視線誘導に釣られてそちらを見ていると、静かにドアが開けられて一人の女性が出てきた。彼女は辺りを伺いながら、こちらへ歩いてくる。  髭面の男はタバコを揉み消し、彼女が横を通りかかったタイミングで「ご苦労さん。今日も最高だったよ」と声を掛けた。話しかけられた女性は、「出待ちは禁止って、何度も言ったよね?」と綺麗な眉を顰めて言った。

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          壊乱(仮) 第十七話

           宿内の浴場で湯浴みを終え、旅の疲れと汚れをすっかり落とした状態で、ロビーの脇にある食堂の一角で、ドルトンとネウロを待っていた。隣のアレンも、「どいつもこいつも、いつまで待たせるんだ。全く」と椅子の上で悪態をついていた。 「ネウロはともかく、風呂も入らず出て行ったアイツはいい加減、戻ってきても良い頃だろ?」  彼は同意を求めるように僕を見た。個人的には、「会議がある」と部屋から出てこないネウロやフューリィにも同様の感想を抱いているが、とりあえず頷くことにした。「風呂より飯だ」

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          LINKS(仮) 第十七話

           その後、キャンパスを出るまで高岩と二人きりだったのに、彼は結局最後まで何も言わなかった。駐輪場の前で別れるまで、彼は黙々と歩き続け、駐輪場の前で僕が「じゃあ」と声をかけると、小さく頷くだけで姿を消した。  本当は、根掘り葉掘り聞きたいことは山ほどあったけど、彼の方から切り出さない限りは追求しないでおく。僕は何も見なかったし、僕だけが知っていることなど何もない。次に顔を見合わせることがあっても、そのつもりで貫き通さねば。  地味に負荷は大きいけど、幸い彼はしばらく出て来ない。

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