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【長寿の秘訣が判明⁉】最新の老化学から読み解く最も効果的なアンチエイジング方法とそのメカニズム

水面下では、20歳を過ぎることから老化が始まり、35歳付近で自らの衰えを自覚し始めることを私たちは知っています。

体力は低下し疲れやすくなり、徹夜なんてしようものなら次の日はもう動けません、、昔は違ったのに。

鏡に写る自分の肌や髪は、学生時代見ていた親のそれに近づいていて、ウエストや顎周りには順調に脂肪が蓄積してきています。

そして年月と共に劣化具合は内臓を侵食し始め、90歳前後に何かしらの病気でこの世を去るのでしょう。

とまあ、多くの人がこのように老化を、私たちには避けられない当たり前の流れと考えているはず。

しかし、デイビッド・A・シンクレア氏曰く、人は150歳以上にまで生きることは理論上可能なのだそう。

しかも元気なまま!

ということでここでは、書籍[LIFE SPAN~老いなき世界~/デイビッド・Aシンクレア著]を参考に、老化に対する最新の知見と、そこから読み解ける最善のアンチエイジング方法について詳しく解説していきます。

そもそもなぜ老化するのか?

では本題に入りる前に、そもそも私たち生命が老化する理由を、進化論的な視点で解説していきます。

1.拮抗的多面発現説

こちらは用語こそ難しいのですが、、要は、若い時期に役に立った仕組みが老年の時期には身体にダメージを与えるという説のことを指します。

生命進化の過程では、生殖時期を過ぎた個体に自然淘汰の鎌は向けられないのです。

2.使い捨て体説

こちらは生命の究極の目的が遺伝子の繁殖にあることに根差しています。

つまり、有限である資源を長寿と生殖の両方にバランスよく振り分けなければいけなかったという事実を示します。

このように元々生命には、老化して死ぬという運命が決定づけられていると言えるんですね。

分子レベルでみた老化現象|7つの老化現象

続いては若い人と歳をとった人では具体的に何がどう違うのかを見ていきます。

①ゲノム全体の不安定性
②テロメアの短縮(適切な細胞分裂が×)
③タンパク質の機能不全(ホメオスタシス×)
④栄養状態の感知システムの機能低下
⑤ミトコンドリアの劣化
⑥老化細胞の蓄積→炎症の慢性化
⑦幹細胞の減少・枯渇

詳しい説明は引用図書に譲りますが、私たちの体内ではこのような分子レベルの変化によって、見た目や機能や能力が歳を重ねるとともに劣化・低下していくわけなんですね。

ではその原因とはいったい?

従来の老化説の誤りを訂正

私たちを老化させる真の原因に入る前に、これまでの老化説を否定しておきましょう。

1.エラー破局(蓄積)説

従来では、DNAへのダメージが配列異常として蓄積した結果、老化現象が引き起こされていると考えられていましたが、この説は今では否定されています。

根拠は単純で、歳をとった個体より採取したDNAから、若々しい個体のクローンが生まれた動物実験から明らかにされています。

2.フリーラジカル老化説

フリーラジカルという反応性の高い酸素がDNAを傷つけるという説で、対処法として抗酸化物質が謳われていることで耳にしたことがある方も多いかもしれません。

抗酸化物質が老化予防の万能薬ではないことは、何年も前に科学的に証明されているのに、いまだに根強く残っているのはなぜなのかは…ご想像の通りですw

最新の知見から見た老化①|エピゲノム

結論から言うと、私たちが老化する原因はエピゲノムが混乱するからです。

エピゲノムとは、各細胞でDNAをコントロールしているものの総称だと考えてください。
(エピゲノムを扱う学問をエピジェネティクスという)

そのエピゲノムが歳を重ねる過程で暴露される様々な要因で混乱すると、細胞が自分の役割(=アイデンティティ)を維持できなくなり、先述した7つの老化現象を引き起こします。

メカニズムはこんな感じ。

DNAはヒストンというものに巻き付いていて、その巻き付きの強さによって、遺伝子がONになるかOFFになるかが決まります。

エピゲノムが混乱すると、この巻き付き具合に異変を来たし、結果的に細胞の正常な機能が損なわれてしまうのです。

最新の知見から見た老化②|長寿遺伝子

ではDNAを強くヒストンに巻き付け、エピジェネティクス的な調節機能を正常化させるにはどうすれば良いのでしょうか?

ここで出てくるのが「長寿遺伝子」。

中でもサーチュイン遺伝子が最も有名ですが、その他にもmTORやAMPKなども長寿遺伝子として発見されています。

しかしこれら長寿遺伝子の仕事は、エピジェネティクス的な機能の正常化だけではありません。

DNAの安定化、DNAの修復、細胞の生存、代謝機能、細胞間の情報伝達など、多岐に渡ります。

したがって、長寿遺伝子を酷使し過ぎることに繋がる行いが、まさに私たちを老化させる真の原因と言え、長寿遺伝子の長寿プログラムをどのように起動させるのかが、効果的なアンチエイジングへと私たちを導く鍵だと言えるのです。

ということでここからは、長寿遺伝子にスイッチを入れることができる実践方法を解説を交えながらご紹介していきます。

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食べる量を減らせ①|間欠的断食

これだけ裕福で食物が豊富にある世の中において、もし長生きしたいのなら、とにかく食べる量を減らすことから取り組みましょう!

 そこでオススメなのが次の2つの「間欠的断食」メソッド。 

[5:2メソッド]
 一週間の内2日間を500㎉以下に抑えて、残りの5日間はカロリーは気にせず質の高い食事を摂るようにします 。

[16:8メソッド]
24時間の内の16時間絶食します。 こちらは睡眠時間を上手く活用するとそこまで負担なくできるでしょう 。

その他にも様々なやり方が提唱されていますが、いずれにしても、一時的なエネルギーの枯渇というシグナルが、長寿遺伝子を活性化し、私たちの細胞をサバイバルモードに変化させます。
(もし試す場合は体調を見ながら慎重に!)

食べる量を減らせ②|動物性タンパク質の制限

カロリーを減らすことの次に意識したいのが、動物性タンパク質、すなわち肉の制限です。

そのメカニズムは、肉に含まれるメチオニンなどのアミノ酸が関連しています。

メチオニンが体内に豊富にあると、mTORという長寿遺伝子のスイッチがオンになります。

mTORがスイッチオンの状態だと、オートファジー(損傷したタンパク質の再利用することで細胞の機能を改善・向上させる)の機能が働きません。

だから肉の制限が有効なんですね。

あと加工肉(ハム、ベーコン、ウインナーなど)に含まれるN-ニトロソ化合物は、発がん性があることが認められています。

こちらも長生きしたいなら要注意!

もっと体を動かせ|HIIT(高強度インターバルトレーニング)

まず運動することが長寿につながる根拠を2つ紹介しておきます。

2017年のアメリカの調査によると、一週間で150分以上運動していた人は、テロメアが10年間分長かったそうです。

また、2012年のアメリカの疫学ジャーナルの発表によると、一日10時間以上座って過ごしている人は、8年間分テロメアが短かったそうです。

ということで、運動は長寿の秘訣だと断言できそうですが、運動の様式によって効果に違いがないわけではありません。

メイヨークリニックが行った研究では、様々な運動様式を比較して、最も長寿遺伝子を活性化させたのがHIITだったそうです。

サバイバル回路をオンにするには、程よい苦痛が必須なんですね。
(ストレッチや軽いヨガでは不十分かも?)

積極的に避けるべきもの|有害な化学物質放射線

最後にお伝えしたいのは、積極的に行うべきものではなく、積極的に避けるべきものです。 

すなわち、有害な化学物質と放射線。

具体的には次のようなものが当てはまります。

 ・たばこ
・超加工食品
・プラスチック容器+電子レンジ
・都会の空気
・飛行機
・レントゲン   などなどなど… 

これらは私たちのDNAを傷つけ、その結果エピゲノムの混乱を引き起こし、老化の原因となり得ます。

ま、完全に避けることは現実的に不可能かもしれませんが、頭の片隅に入れながら生活していくことで、体に余計なダメージは加えないようにしましょう!

まとめ&ラストメッセージ

いかがでしたでしょう?
(もし質問や相談などがあれば気軽にコメ欄に打ち込んで下さい😙)

補足ですが、動物性のタンパク質(お肉と乳製品)の制限は確かに長寿や健康に繋がるというエビデンスはありますが、一方で私たちはタンパク質自体の摂取は必要不可欠です。

オススメは魚介類と緑色野菜。

魚介類は、週に3~4回メニューに取り入れるくらいのイメージが理想でしょう。(←僕自身も未達成ですが…)

また、緑色野菜には従来考えられていた分量より、多くのタンパク質が含まれていることが最近では示されています。

さて、この本の著者曰く、老化について科学的な発見とテクノロジーの発展が続けば、私たちホモサピエンスは150歳まで生きられるのも理論的には可能なのだそう。

しかも!、、老いぼれの姿ではなく、若々しい姿や能力をキープしたまま。

そんなに長くは生きたくない!と思っている人でも、死ぬ最後の日まで若々しく健康でいたいとは望んでいるはずです。

であれば今すぐ行動に移しましょう!!

快適なソファで美容液たっぷりのパックをしたり、大金をはたいてエステサロンのベッドに寝てるだけでは、効果的なアンチエイジングとは言えません。

悠久の進化の過程であなたの体の奥にも組み込まれている、サバイバル回路にスイッチを入れるのです!!

[引用図書]
LIFE SPAN~老いなき世界~
著者:デビッド・A・シンクレア

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