見出し画像

学校教員するの疲れました〜音楽の先生だった私〜

こんにちは。今日は私の前職についてお話ししたいと思います。
あくまで私個人の経験からの偏った意見ですので、へぇこういう見方もあるんだな、くらいに思っていただきたいです。

一体どんな方がこれを読んで下さっているのか、私には分かりません。
教員を目指している方、音大生、子供を持つ親世代の方、同じく教員をされている方 などなど タイトルに関心を持って下さった方でしょうか。

教員採用試験を受けないというマイノリティー


さて、学校教員になるためにはまず大学に行き、教員免許を取得する必要があります。取得するにあたって、教育実習というものが必修科目となります。

ここで、はじめて私たちは 授業を実際に行う訳ですが、
その実践授業は大体1回とか2回。 指導員の先生に指導内容を指定されて、指導案を細かく何度もチェックしてもらい、なんなら他の先生たちも招き模擬授業を見せて、評価してもらったり、と おんぶに抱っこ状態で授業をする訳です。

まぁ、しかし 大抵上手くいきません。 そして、はい教育実習終了。

それから、教員採用試験を受けて、受かれば正教員。こちらは初任者研修しっかりつく 安定コースです。
受からなければ、講師として教育委員会に登録し、派遣社員のような形で(でも一応準公務員)委員会の管轄地域の公立学校に配置されます。

※でも、講師はどこからも声が掛からない可能性もあります。

私は講師組でしたが、教員採用試験は免許を取得する年の1度しか受けませんでした。(かれこれ8年程教員をしていましたが)

これ、教員間の中ではちょっとした問題なのです。

なぜかというと、教員は教員を心から目指し、生徒の指導に熱意を持ち、最終的には正教員を目指す!! これぞ皆が目指す道!!みたいな、暗黙の共通認識があるからです。

幼い子供がいるから、とか 主人が転勤族で、、とかならまだ周りは教採を受けないでいることにも納得するでしょうが、私にはそのような種類の理由はありませんでした。

「正教員になると、殆どの場合クラス担任になるので 音楽専科しかしていない私には、担任になる自信がありません。」だとか 「私はどうしても音楽が教えたいので」だとか いう説明をしていた覚えがあります。


教免取得後いきなり授業開始! 音楽の先生の仕事


さて、仕事に関してですが、小学校音楽専科は大変です。私の場合平均して週に350〜400人の生徒を受け持っていました。
そして1時間目から6時間目まで、場合によっては休みなく音楽の授業です。しかもこれ、いきなり始まるのです。

学校を卒業したてで、教育実習で1、2回しか授業をしていない講師が!!

指導者なんて講師にはつきません。 丸投げ状態で指導書をもらい、

はい。じゃあ1週間で音楽の授業は40人クラスが1学年2クラスで、3年生から6年生までね!あと、2年生の算数のサポートと3年生のA組さんの書写の授業も宜しく!!      みたいな感じでした。

はじめの頃は徹夜で指導案を全授業分書き、とやっていましたが、間に合いません。というか指導案通りになんて進みません。

しかも、音楽の先生って物凄いエネルギーがいるんです。
NHKの歌のお姉さんバリに大声を張り上げ(コロナ前)、笑顔で楽しく歌い、踊り、生徒をひきつけオーバーリアクションで授業内容を分かりやすく伝える努力をする。
これ1日に1時間ならまだしも、朝の9時から15時くらいまで、と思ってください。

5,6時間、平日毎日 ハイテンションで歌のおねえさんを演じるわけです。しかも、途中で書写の時間の担当になったりすると、猛ダッシュで書写の準備をして、音楽室から駆けつけます。そして、猛スピードで片付けをし、また音楽室での授業に…

でも休み時間があるでしょう?給食の時間とか。

いいえ、ありません。 先生にもよりますが、給食の時間になると音楽室から飛び出して急いで配膳室に向かい、配膳の手伝いをし、それから小学校1年生なんかのまだ給食を食べることに慣れていない学年の給食指導に向かいます。(吐いたり、こぼしたり、色々事件が起こります)

そしてまた配膳室に手伝いに行き、次の掃除の時間には音楽室で子供たちと共に掃除をします。

さらに、休み時間ですが、子どもたちが音楽室に練習をしに来ます。
これ、ほっとけません。トイレにダッシュで行くことはありますが、基本張り付いて見守ります。
大切な楽器があるのと、万が一怪我をしたらいけないのと、先生に教えてほしくてわざわざ来ている子がいるのと、だからです。

そして、授業が終われば下校指導。
もし何処かのクラスで虐められていそうな子がいれば付き添って帰ったり、工事中のところがあれば安全を確認しに行ったり、そうじゃなくても見送ったり、と

とにかく忙しいのです。

呆然とした気持ちで、職員室に帰れば、委員会の打ち合わせが、とか
職員会議とか…

それらがやっと終わって5時(終業時間)、さて今からやっと授業準備開始です。

以前は、これらに加えて部活指導もありました。

教員の仕事ってめちゃくちゃです。何でも屋という感じです。

因みに海外の学校の先生たちは大抵、授業のみやって帰ります。

そんなこんなで音楽の先生だった私の1日は、もの凄く体力勝負な1日でした。

正直な感想

正直な感想として、音楽の授業をするだけの先生なら、私は教員職が好きかもしれません。

朝のHR、コロナや病気でお休みになった先生方の穴埋め対応(コロナ中はほぼ毎日)、給食、掃除、会議、委員会、細かな行事、担当外の授業、

それらがなければ どれだけ音楽の授業に心血を注げるかと よく思います。
音楽は大好きだし、子供たちにもそれを分かりやすい形で伝えたい!!という気持ちは強かったので、この教材をまともに作る時間がない!!がストレスでした。

因みに教員に残業手当はありません。あるけれど、固定で月に3、4時間分?しかついておらず、それなのに土日出勤や毎日5時間残業の先生方もおられました。ひどいと、実質残業時間80時間なのに、数時間分の残業手当、みたいなものです。(もちろん残業時間は人によって異なります。)

トイレに行く暇もなく、あちこち走り回り、給食も飲むようにして食べるのも辛かった。

学校の先生の仕事環境が改善したら、どれだけ先生方も私も熱い授業ができたか、とよく思います。

でも、意見は十人十色。これから学校の先生に!と思っている人がいたらごめんなさい。やり甲斐も沢山あるでしょう。キラキラしている素敵な先生方の記事も沢山あるので、どうぞそちらも見てあげてください。

ということで、全力で教えたいのに、教えられる環境になっていない学校の職場環境についてでした。(せめて残業代は働いた分ください。)














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?