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「池上彰の世界の見方」と「韓国の外交官が語る世界が見習うべき日本史」を読んで。

本の役割って、いろいろあると思う。

中でも最近は、今までとはちょっと違うステージにいくために、全体を一旦整理できるような本が読みたくなった。そんな時、池上さんの本はしっくりきていい。

「世界を俯瞰する導入編、世界の国と地域を学ぶ」という、きれいな言葉に読む前から既にやられてしまう。この本は2015年の10月に、千代田区区立のある中学校での講義をまとめたものらしいので、特にわかりやすい。

「そもそも世界をどう見たらいいのか」から始まって、6つのテーマで世界の見方を語っている。それも地図から、お金・宗教・資源・文化・情報から見る世界として、スマートにまとまっている。

これで私の頭の中も、一旦まとまった。

だいたい、間違っていなかったようだ。  これで次に行ける。


そして、もう一冊はこれ。


ちょうど半年前に日本の友人から、こんな記事が送られてきた。

この記事を読んで、韓国語の本を即購入し読んでみた。そしたら、これが大変面白くて、完全にハマってしまった。

ついでにこの表紙のデザインや、韓国語の書道を思わせるこの文字にも魅了され、人生の中でも大切な一冊になってしまった。(ちなみに私は、ハングルの書道も大好きで、こちらで習ってました。笑)

「今度ソウルに行った時、この著者に会いに行こう!もしも、まだ日本語に翻訳されてないのなら、私が翻訳したい!って言ってみようかな?」などなど、一人で盛り上がっていた時、既に今年3月には翻訳本が出版されていたのだった。

原本は読んでいても、しっかり翻訳本も読んでおこうと思い、昨日一気に読んでしまった。(実は翻訳本の表紙が、なんとも気に入っておりません。)


著者は韓国の外交官として日本での勤務中、東京の老舗の「そば屋さん」に感動し、外交官をやめてソウルのカンナム(江南)でそば屋さんを経営するシン・サンモクさんだ。暖簾分けしてもらったそのお店で、ご本人が毎日直接打つそばを、いつかは絶対に食べに行こうと思っているのだが、残念なことにまだ行けていない。

この記事は、雑誌「週間朝鮮」のコラムに連載されたものだったと思う。内容は明治維新とその後の急速な近代化が可能だったのは、やっぱり江戸時代の経済システムなどにあったと言い切っている。痛快だ。

確かに東京ヌリ路(エッセイ)でも語っているが、江戸時代260年間は創造と破壊の連続の中、それでも独特な文化を創り上げていく、世界一の100万人都市だったのだ。その時代に養われた体力が「世界史上の大快挙」である「明治維新」を成し遂げた。


例えば、古代ローマに魅せられた、塩野七生さんは言う。

イタリアでは小学校5年間・中学校3年間かけて古代メソポタミアから世界史を学ぶ。高校での世界史は大学レベルになり、特にローマ史だけでも1年かけて勉強する。一方日本の学校教育では、数千年にわたる世界史をわずか一年かそこらで全部教えようとし、どんなに熱心な教師がいてがんばったところで、歴史の面白さなんて伝えられるはずがない。それが最大の問題。


日本でも世界史全般はもちろん、特に江戸時代から明治維新と近代化に集中して、高校で丸一年間は教えてもいいのではないかと思う。

日本人ならば、特にその時代を、しっかり学ぶべきではないだろうか。

次世代を担う子どもたちには、薄っぺらな自虐史観的な日本の歴史を伝えることなど、絶対にしたくないと思うのは、私だけだろうか......


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