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「これまで思考」と「これから思考」

一言でいうと

人は未完成のものに目を奪われる

活用シーン

自己啓発、モチベーション、組織マネジメント、マーケティング

内容

シカゴ大学の心理学者ミンジュン・クーによる2010年の調査
どちらの場合が人を目標に駆り立てるかを調査。

A:すでに完成されたものに集中する
B:達成までやり残しがあるものに集中する

調査結果はBであった。

心理学的に正しいプレゼン
スーザン・ワインチェンク (著)

100段の階段を上るとき、すでに上った数を数えるのを「これまで思考」。
残り何段あるかを数えるのを「これから思考」。
そう分類した時にどちらがモチベーションが上がるでしょうか?
たぶん一般的な回答は、「今の地点によってかわるんじゃないか?」というものでしょう。しかし、この調査では、「これまで思考」は、どのシーンにおいてもモチベーションを維持するどころか、弱めてしまうという結果が出たらしい。

「これから」というのは、まだ見ぬ未来。
つまり空白です。
そして、人は空白を埋めたがります。
少しだけあいたドア。
一冊分だけ隙間のある本棚。
やりかけのクロスワードパズル。

実はこれと同じように、人は時間の空白も埋めようとします。
意味もなくスマホを開いてみたり、
映画を見ながらおなかもすいてないのにポップコーンをつまんでみたり、
病院の待ち時間には立ったり座ったり・・・

この特性を上手く利用しているのがマーケティングの世界。
『今までうまくいかなかったことが一瞬でうまくいくたった一つのコツ』
なんて言われると、なんだそれ?となる。
「たった一つのコツ」と、具体性を伴わない何かの存在を意識させ、あえて空白を作る。人はそれを埋めたくなるから、二行目を読む、というパターン。

人が空白を埋めたがるのは恐らく、「わからないもの」があるのは危険だから。ブッシュマンのような生活をしていた我々の祖先は、「わからないもの」を分からないままにしておくと、命を奪われる可能性がある。だから、「わからないもの」つまり空白を、空白のまま置いておくことができない。

これは弊害もあって、たとえばビジネスシーンでは、ゆとりのある職場だったりすると、時間の空白を埋めるため、必要のない仕事が生み出されることが多々あります。
逆に、課題を上手に設定すると、社員さんは課題という「空白」に夢中になって取り組むことも考えられます。それが例えば、ミッションとか経営理念というものなのかもしれません。

マネージャークラスの人は、この「空白」のつくり方を工夫する必要があるのかもしれません。


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