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会社の中における労務機能の役割

こんにちは。バックオフィスの仕事を始めて、今月でちょうど10年になります。大きな規模の会社にいたわけではないので、基本的にはバックオフィスのいろんな機能に携わらせていただく機会をいただけました。
その中でも、労務と呼ばれる分野については、役割の違いはあれど、8年ほど携わり、この4月に何度目かの自分の仕事を伝えていく役割をいただけたので、私なりに労務って会社の中でどんな役割だと捉えているかを書いておこう思います。

労務は「労働者が安心して働くための環境づくり」?

労務の仕事ってどんな仕事なのかと検索してみると、従業員のサポートや支援、働きやすい職場づくりと、一緒に働く仲間に優しい印象を持つような書きぶりが非常に多いです。個人的には、この表現は誤解を招くなと、いつも思っています。結果として、一緒に働く仲間のための仕事ではありますが、その前提に会社が継続することを最優先に考えて上記の業務を行っています。それは、会社が継続しなければ、すべての従業員の雇用を維持することができなくなってしまうためです。
では、私はどんな役割だと捉えているかというと、

労務は、経営資源であるヒトと会社の調和役

ヒト(人的資源)は、他3つの経営資源「モノ・カネ・情報」を動かす資源でありながら、他の経営資源と異なり、絶対的に管理できないものです。
絶対的に管理できないヒトが「モノ・カネ・情報」をどのように活用するか決め、必ずヒトが経営、事業活動のスタートとなっています。
絶対的に管理できないけれど、会社のすべての活動はヒトからスタートするという不安定さを安定させるために、労務が存在していると私は考えています。

ヒトには思想や感情があり、それが不安定な要因であり、会社や組織にとって、プラスにもマイナスにもなります。(ちなみに、人に思想や感情があることを否定するつもりは全くなく、むしろ個人的には、人の魅力は思想や感情にこそあると思っています。)
このプラスやマイナスの振れ幅を促進したり抑制したりするために、労務は下記の業務を担っています。

労務機能の分類と位置づけ(右半分は主題ではないのでざっくり記載)

左下ほど、規律を求め、右上ほど思想を反映

最も左下の「安全・衛生」は、ほとんどが従業員がXX名だとXXしなくてはならない、など職場を運営するための法令で定められた最低限基準を満たすための基準の中で運用していく役割です。1つ右の「勤怠」は、36協定にはじまり、一定の規律がありますが、その中でも会社の方針や思想に則り、カスタマイズしていけます。このように、左下ほど規律を重視し、右上ほど会社によってカスタマイズができる、思想や経営方針を反映させていく領域になっています。

労務というと、法令上どのようにしなければならないなど、マストの領域を司っているようなお堅いお話が多い印象を持たれますが、労務としての真髄は、法令を最低基準として、どのように会社とヒトを調和させていくかなのではと考えています。
もちろん、同じ経営資源としてのヒトへアプローチする、組織開発や人材開発に対して、その調和の領域への制限は多いですが、だからこそできる調和のかたちがあると思っています。

思想がなければただの作業になる

制限が多いと書きましたが、それ故の定常的な業務も一定量あり(表現する言葉が適切でない気はしますが)目の前の作業を捌くことで、業務をこなした達成感が得られる一面もあります。
ただ、どの業務もはじめからその作業だったわけではなく、いまの作業(≒規律)に至るまでに、どんな運用を想定していたのか、どんな思想や目的があったのかの背景があり、それがいまも適切なのか、その運用について社内では、どのようにとらえられているのかはきちんと考えたり、確かめないと、全く効果的でない作業を行うことが多々あります。ルーティンで行うべき仕事が多い分、もっとよくできないか?と考えていくべき仕事だなと考えています。

今回、労務の役割について書きました。また時間があれば、分類した労務機能の各々について書いていけたらと考えています。

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