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古本の匂い

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

神保町で本を買いすぎているせいか、本棚に並んでいる大抵の本は茶色く変色している。これくらいになると、古本特有の、独特な匂いがする。

電車で本を読んでいるときなんかも、ツーンと古本の匂いが鼻につく時がある。

満員電車でも本を読む人間ゆえ、おそらく近隣の乗客にも匂いが漂っているかもしれない。レザーのブックカバーに入れているから、余計変な匂いが充満しているかもしれない。

だが私はこの古本特有の匂いが好きだ。頁を鼻に押し当てて、軽く深呼吸すると、周りの喧騒や満員電車のむさ苦しさも、ちょっぴり晴れる。

きっと何かしらのリラックス成分が配合されているに違いない。そうでなければ、こんないい香りはしないはずだ。

だが調べて見るに、どうやら紙やインクに含まれている化合物が、光や熱、湿気などの影響により気化することで、揮発性有機化合物を生み出しているのが原因らしい。

こんなにいい匂いがするにも関わらず、化学物質なのかと思うとちょっぴり残念でもある。

しかし、この揮発性有機化合物から本の年齢や時代背景を調査することも出来るらしい。詳しい方法は知らないが、含有量などから推定することができるのかもしれない。

これだから紙の本は魅力的である。

内容が知りたいだけならば、電子書籍を利用すればいいだろう。実際部屋が圧迫される、嵩張るからという理由で紙の本をほとんど買わない人は多い。

だがしかし、電子書籍では味わえない、紙の本であるからこそ感じられる、特有の歴史がある。

この古本の香りを嗅ぐ度に、どことなくリラックスできるのは、その長い歴史を感じているからかもしれない。

私が電子書籍ではなく、紙の本を集めたがる理由の一つなり。それではまた次回!

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