見たことあるようで
ちゃんと認識出来ていない

喉の奥でちゃんと丸焦げになるまで揚げたい

まだまだ遅くないでしょ
ゆっくりゆっくり歩もうよ

そんな焦ることじゃないんだし
そんな急いで決めるものじゃないんだし

今、ここに置いてあるパンだけに拘らず
炭水化物抜きダイエットしてたいの

そしたら
今はできる限り踊ろうよ
ソロパートの振り付けでも考えて

その方がいつだって可愛いくもいられるんだろう

もう廃棄されたも同然なラスクを眺めて
物思いにふける
たくさんの砂糖で想いを焦がす
そんな意味のないこと繰り返して
何になるって言うの

そうやって何度も何度も頭を捏ねる

ありふれた言葉ばっかり言わないで
嘘っぽい嘘っぽい

嘘っぽい嘘っぽい

あー嘘っぽいよ

ちゃんと耳から聞きたい言葉だったのに

誰にでも使う小麦粉は
わたしには通用しないんだから
ちゃんとしっかり時間をかけてよ
お金もかけてよ
感情もかけてよ
ぜんぶぜんぶ
きみのぜんぶをかけてよ

胸の奥でちゃんと丸焦げになるまで揚げたい

ただ単に触れていたいってだけのチュロス焼きの職人が
何千人もいたところで
そんな感覚もう戻ってこないでしょ
とっくに忘れたよ
マニュアルなんてものはないんだし

もうすぐで特別になれるって
そんなメニューだったってことなのかな

だけど
むしろ
そこにしか後悔がないってことに
気づいたときには笑っちゃうんだけどね

そんなこんなで今日は踊ろうよ
小麦粉よりも多い砂糖を使って
魅了してあげるんだから

脳の奥でちゃんと丸焦げになるまで揚げたい

踊り場は踊る場所じゃないんだよ

そんなつまらない説教は
焦げの部分だけを掻い摘んでよ