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創作は、ごく個人的な『憧れ』から生まれる

 この世は憶測でできている。そしてそれを巧みに利用するのが創作だ。クリエイティブな発想というのは、それを生み出す「作者の妄想的な憶測」でしかない。あくまでもその発想は個人的なものから出発し、けして正しさを意味づけられていない。創作の目的は妄想の具現化である。どうにかしてごく個人的な想いを形にする。そのためにもっともらしい形を与える。結局、その根源には憶測がある。願望を含んだ。まさにそれは「憧れ」である。
「こうでありたい」「こうなればいい」「こうでなければ」。その妄執にも似た憶測が大切なのだ。それがなければ創作はこの世界に太刀打ちできない。現実に。現実を生きる人々から、生きる現実と比べて目を引くほどに存在感を放つには、むしろ勘違いとすら思えるほどの、そして独善とも見えるほどの、作者自身の世界が相応しい。
 そのためにあるのが憶測である。創作を存在たらしめるために。誰もが持つこの心の動きは、クリエイティブに直結している。それを重ねていくことが創作の1つの形だ。

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