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かーやさんの作品

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30分間の予定が3時間もかけて書いていた短編/’23.3.26

30分間の予定が3時間もかけて書いていた短編/’23.3.26

「今日も見に来てくれてありがとー! まったねー☆」

 “まったねー☆”
 “ありがとう!”
 “今日も最高ー!”

 そんな文言が下から上へ昇っていく様を見守りながら、自分の動きを捉えるウェブカメラに向かって両手を振り続ける。これを搭載しているPCの画面には、ギャルゲ風の可愛い顔した美女が、自分の動きを模倣している。
 そう。この子は自分の、オンライン上の分身。この子の売りは誰に対しても媚びへつ

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30分間で書いた掌編/'23.2.27

30分間で書いた掌編/'23.2.27

 布団の中で感じるシンとした空気。カーテンでは隠しきれない柔らかな陽の光。遠くから聞こえてくる電車の通る音。地元を離れてから、何度このひとときを味わったことだろう。

 就職の為、首都圏に引っ越してきた私は、この雰囲気に最初は慣れなかった。地元に比べて空気は鋭いし、電車の音はうっとおしいし、一人暮らしは初めてだから寂しいし、何度も地元が恋しくなった。でも、住めば都という言葉があるように、忙しい日々

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先ほどカクヨムにて掌編を公開しました~
noteに公開した『だらだら書いてしまった短編』に次ぐ、なぎコミュ企画のお題小説です✌ 1000文字前後のこの小説は、画像の通り「紫陽花」から連想して綴りました! リンクをつけたので是非。 https://kakuyomu.jp/works/16816927862963807870/episodes/16817139555058468897

だらだら書いてしまった短編①/'22.3.13-’22.4.29

「考えるのを止めるな! もし止めれば、誰かに使われるだけの人生になるぞ」

 私はしばしば、上司からこう諭されることがあった。
 考えてみればたしかに、私の勤務内容は、上司や先輩から――最近では後輩からも、指示なり要望なりを出されては、それを叶えることしかしてない気がする。規模は大小様々だったけど、こんな事をしている間にかつての同期は出世していて、私は留まってばかり。

 変わらなきゃいけないとは

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