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#私がSMOUTに参加した理由「まもなく1年。SMOUTのこれからを考えてみた。」 松原佳代の場合

カヤックLiving代表の松原です。連載「#私がSMOUTに参加した理由」最後にバトンがまわってきました。
移住スカウトサービス「SMOUT」を立ち上げてから約1年が経ち、メディア、インバウンドなどいろいろなものをリリースして、たくさんの仲間が増えました。

会社や事業のビジョンと100%重なるひとなんて、ほぼ存在しません(創業者ぐらいなもの?)。80%共感して入ってきた人もいれば、偶然ふらっと立ち寄った人もいます。そして会社もひともお互いに変化していくから先の事はわかりません。組織なんてそんな多様性の塊で、構成要素によって変化しつつ歩んでいくものだと思っています。

今の「カヤックLiving」という人格と歩みの過程はここまでみんなが書いてくれたので、私は1年運営をしてみた今、ローカルとSMOUTはこれからどこへ向かうのか?を考えてみようかと。

本題に入る前に、私がSMOUTを立ち上げた理由はこれまで節目節目で寄稿していますので、興味があればこちらもどうぞ!
2018年、なぜSMOUTを立ち上げたか【SMOUT移住研究所】

定住ではなく移住。好きな場所に、好きな時に、暮らしを移す「ライトな移住」のススメ【FINDERS】

これから その①
はたして、移住なのか?地域との関わり方は拡がっていく。

1年SMOUTを運営してきて思うのは「移住の形は、人それぞれ。千差万別」ということ。いや「ローカルとの関わり方」を主語にした方がよい、と今は思っています。
「ローカルとの関わり方は、人それぞれ。千差万別」です。

観光→年に数回→二拠点→移住 のような階段で移住ステップは語られることがありますが(実際私たちもそう語ってきた)、ゴールが必ずしも移住とは限らず、二拠点、副業、その他いろいろ、地域との関わり方は多様化しているし、そこに正解はありません。

もちろん地域側から見ると、移住をしてくれることはとてもハッピーな事に違いありません。しかしながら、移住をゴールとし、実現できる人は限られている。それは私たちがいちばん実感してきたことでもあります。
であるとしたら少し視点を変えて、移住をする人が増えることは(定住せずに短期間で去って行ったとしても)応援者が増えること、との捉えなおしがやはり必要なのではないかと思うのです。

SMOUTは「移住スカウトサービス」としてこれからも運営していきます。

けれど先日、ETIC.さんの全国のWワーク・ 副業の求人情報サイト「YOSOMON!」との提携を発表しましたが、地域の副業や、二拠点、ひいては多拠点のきっかけを創出するようなプロジェクトも増えています。

地域に移住するならSMOUTを思い出してもらいたい、と考えて過ごした1年。ここから先は、地域と関わるならSMOUTを思い出してもらいたい。

移住以外の関わり方もきっと見つかるはず、そんな場所になります。SMOUTでいわゆる「関係人口」になるきっかけを見つけてもらえると嬉しいです。

これから その②
自分で選び、自分で決めて、主体的に関わる場をつくる。地域も。人も。

地域と人が関わる時に、お互いにひとつマナーがあると感じています。それは、双方が自分で選び、自分で決める。つまり、主体的に関わる事。お客様にならない事。

私は地方創生、という言葉が好きではない、とリリース時に書きました。
なぜなら地方創生は、都市部のひとが使う言葉だから。地域を創る主語があるとしたら、それは地域のひとです。主体者は地域の人です。

SMOUTは地域が、自分たちの街をよくするために欲しい人や、プロジェクトを自らが発信する場です。そして自らで人に声をかける場です。地域が待っていては始まらない。

地域のひとも、地域に関わりたいひとも、共に主体的に動き、共創していく場であること。それは私たちがこれからも継続していくことで、それに共感する人に使ってもらいたいし、もうひとつ踏み込めば、SMOUTを使っているとそうなろうという気持ちになる場になれば、本望だなと。


これから その③
ビジネスとローカルは両立できるのか?

地域におけるビジネスをすることは難しい、ビジネスを継続できるのか?という議論が巷にはあります。人に依存していること。年度毎の予算や人材の流動性により継続的な計画が難しいこと。そういうものがビジネスと相容れないと感じています。

私たちの親会社である面白法人カヤックは、サイコロ給や鎌倉本社といったフレーズで表される「面白く働く」ことと「ビジネス」の相反する2つを両立することに挑戦してきた会社です。

暮らしと地域を領域として事業をするカヤックLivingは、このビジネスとローカルという二軸の両立に挑戦してみたいと思っています。継続して発展できるよう、私たちが提供するのは労働力でも、お金でもありませんが、地域が主体となって自走できるような、仕組みとツールをつくりだしていくことが役割かなと思っています。そのひとつが、SMOUTかなと。

SMOUTは地域が継続的に人と繋がり続ける場所、仕組みと捉えて欲しい。

実際に、SMOUTを活用してくださっている北海道 下川町は、この1年間、私たちスタッフフも驚くような使い方をしてくれて、ヒントをくれました(ありがとうございます!)。さまざまな角度から下川町に興味関心を持ちそうな人に刺さるプロジェクト(募集)をつくり、自分たちから発信をし続け、数100人の人とメッセージの交換をし、緩やかに繋がってくれました。その繋がりは、これから下川町が何かをしたい、募集したいと思った時に声をかけられる人たちです。SMOUTを関係人口をつくるツールとして使いこなしてくれて本当にありがたく思っています。

ちなみに、カヤックLivingでは地域の資本を多様化し、発見するためのサービスづくりをしているつもりです。資本は「ひと・もの・かね」。その「ひと」を地域に動かすということをSMOUTでおこなったので、「かね」と「もの」に今後は挑戦したいなぁと個人的に考えています。もちろん、仕組みづくりで!

SMOUT移住研究所


これから その④
人口の話。最適な人口と、比率を考えてみたい。

移住に関する事業をやっていて不思議に思うのは、プラスマイナスゼロ(国内)ということ。
このグラフがとてもわかりやすいので紹介しますが、つまり、2100年に明治とか江戸時代に戻るんです。


http://www.mlit.go.jp/common/000135837.pdf より抜粋

「減る」「いまないものはなくなる」という事象は恐ろしく感じるのですが、これだけITなどが発達している時代だし、増加、維持ではなく、幸福を考えたときに、どういう人口、どういう比率、どういう仕事のひとがいるのがいいのか?を各地域の皆さんと、本当にまっさらに考えてみるワークショップなどをしてみたいと考えています。

海外のまちづくりの成功事例を見ていると、これって明治とか江戸の日本の集落みたいだなぁと感じることがあります。たとえばよく名前のあがるアメリカのポートランド。成功要因とされる住民の自治活動は、まさに地域の町内会、もっと昔で言えば寄り合いみたいなものなのではないかと思ったり(ポートランドの場合にはその合意形成の仕方と実行力がすごいのですが)。そして最近都会を中心に盛りあがっているシェアハウスやシェア家族の流れは、江戸時代の長屋をイメージさせます。地域に関わりたい人は、地域の暮らしを享受するのではなく、そこに都会のITや無形の仕事で解決できる何かを持ち込むことで、明治時代とは異なる、日本の新しい集落をつくれるのでは?と思う今日この頃です。


これから その⑤
やはり、自分たちが実践者であろう。

地域を見てきて、これからはこういう風に向かいたいなぁという話をここまで書きましたが、最後は、やはり自分たち自身が、評論家になったり、情報収集をしたりするだけではなく、「暮らしをつくる」そして「好きに暮らそう」の実践者でありたい。

先日、長野に住むエンジニアのとみーが引っ越したと連絡をくれました。農業やりたいと兼ねてから言ってた彼は、長野移住して1年で農地を手に入れるために引っ越しをしたと。
農業しながらエンジニア、の暮らしをしっかりと実現して見せてくれました。

サービスを提供していく人として、まずは自分たちから。
面白い暮らしを実践していきたいと考えています。


まとめると、

①「地域に移住するなら」ではなく「地域と関わるならSMOUT」になろう。
②地域の人も都市部の人も、地域と主体的に関わる場をつくり出そう。
③ビジネスとローカルが両立できることを証明しよう。
④地域と一緒に面白い未来をつくろう。
⑤実践者であろう。

これからのSMOUTもよろしくお願いします。

そして、SMOUTを使ってくれた地域の皆さん、移住してくれた皆さん、
#SMOUTに参加した理由  よかったら教えてください。
お待ちしています!

文 松原佳代


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