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 [僕は隙間から]

 テトラポッドの隙間で、過ごすから
 誰も此処に、来ないでほしいんだ
 僕には海の香りと、潮の音それだけ
 他には何にも、ないんだからさ
 此処は良いよ。
 だってね、星が綺麗に見えるんだ。
 凄く凄く、沢山見えるんだよ。
 本当さ、ほらっ、みてみるかい?
 両手の人差し指と、親指とを合わせて
 好きな星みてみるんだよ
 どうだい?
 何か感じるかい?
 感じたら、それは、きみの素直さだよ。
 さぁっ、わかったら、もう帰ってくれよ
 じゃないと、僕は泣けないからさ
 もう、此処から離れないから
 もうすぐ、潮も満ちてくるから、
 僕は、この場所から、幸せの海へと流れる。
 クラゲさんのように、プカプカ浮いたりさ
 もう、何も考えないことにしたんだ。
 だって、疲れたんだもの
 愛することにも、寄り添うことにも、
 悲しませるのと、嫌われるだけだから、
 もういいんだよ。
 本当だよ、僕は嘘は言わないんだから、
 誰のことも、気にしない、寄り添わない
 じゃないと、惨め過ぎるの嫌だから、
 だからね、夜空をみながら、漂うよ
 この海をね。
 それでは、もう少しこのテトラポットで
 お気に入りの曲かけて、唄ってからね。
 じゃ、さよなら、バイバイ…僕もきみも

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