生涯をかけて"詳説世界史研究"を味わい尽くす
仮に、たった今あなたが「世界史を学びなおしてみよう」と思い立ったとしよう。
その時にテキストとして購入すべき書籍はたったひとつでいい。
ほかにはどんなテキストもいらない。
追加で買うものがあるとすれば図解資料集ぐらいのものだ。
その唯一にして必須のテキストこそ
”詳説世界史研究”
である。
これが世界史ではなく『英語』であれば、単語集に例文集、熟語集に長文書など購入すべきテキストは無数にあっただろう。
しかし、こと『世界史』においては、この一冊だけで必要十分な学習が行える。
世界史辞典と言ってもいいほど膨大な情報量のゆえに一生涯にわたってこの一冊だけで世界史を楽しむ喜びを感じ尽くすことができるだろう。
(なんてお財布にやさしいんだ)
この”note”では、”詳説世界史研究”(2,750円)という名著の魅力に迫っていきたい。
あの山川が世に送り出した凶器
厚さ2.5㎝。
全596ページ。
世界史教科書の名門「山川出版」が総力を挙げて作り上げたソレは、一歩間違えばひと一人ぐらい殺せそうなほどの巨大な質量をもっている。
(ミステリー小説で「真犯人の凶器」として出てきても私は驚かない)
そしてその熱量は、まるで字数制限のせいで世界史B教科書に詰め込めなかった編集者らの欲求不満を動力源とした膨大なパッションをすべて乗っけたかのような威力を持ち、読み手に迫ってくる。
なんて怪著だろうか。
読むのではなく、引く
本は読むものである。
あたりまえのことだ。
とくに世界史の教科書というものは、読んで読んで読みつくすことによって点数に直結していく。
だから私が学生時代の教科書は、最初から最後まで読み通し、先生の言う重要部分はすべて暗記してしまうものだった。
だがしかし、この”詳説世界史研究”は決して読もうとしてはいけない。
よしんば読むとしても、全巻通読などはやめておいた方がいい。
(通読できるものなら、まぁそれも良しだが)
その本はそれほどまでに情報に満ちている。
先に「世界史辞典だ」といったのはそのためだ。
だから読み切るというスタンスではなく、必要な情報だけ切り取るというスタンスでこの本と向き合ってほしい。
たとえばテレビのドキュメンタリーで”マチュピチュ”について紹介していたとする。
そのとき、ふと気になって”詳説世界史研究”を手に取ってみる。
巻末の用語索引に”マチュピチュ”の文字を見つけ、指定されている100ページ目を開き、そしてマチュピチュを作り上げた「アンデス文明」について理解を深める。
そんな辞典的な使い方を私は勧める。
もしあなたが「アンデス文明」に強く惹かれ、もっと詳しく知りたくなったら、その時はその方面の専門書にあたればいいのだ。
文字通り「読むのではなく、引く」。
これが”詳説世界史研究”との正しい歴史の歩き方だと思う。
”詳説世界史研究”と一生涯の旅へ
「自分はもう学生ではないし」
「センターも2次ももう終わったし」
「世界史なんて暗記だけで退屈だったし」
ああ、もったいない。もったいない。
これは学生には最適ではない本。
日々の軋轢や理不尽に疲れた社会人にこそフィットする本。
”詳説世界史研究”はあなたに知ることの喜びを与えてくれる。
しかもそれは、あなたが飽きさえしなければだが、一生涯に渡って続く啓発と知的探求になるだろう。
無限の喜びを与えてくれる世界史の本。
この本の存在は、現代社会に疲れたあなたにとって一服の清涼剤になるかもしれない。
だから悪いことはいわない、世界史を学びたいならこの本を買え。
たとえ別の本に浮気したとしても、結局最後にはこの本のところに戻ってくることになるのだから。
この”詳説世界史研究”と、一生をかけた歴史の旅に出よう!!!
※この”note”は「詳説世界史研究 改訂版」をもとにして書かれています。
当”note”執筆時点では”新改訂版”が刊行済みであることに留意してください。
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