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一緒にやることのおもしろさを子どもが教えてくれた

最近、夜寝る前にリビングの「お片付けタイム」を導入した。
これまでは少しでも早く寝室に行って寝かせることを優先していたので、おもちゃや絵本が散らばっていても、脱いだままの洋服がそのままになっていても、見て見ぬふりをして寝かしつけに行っていた。
平日はそのまま子どもと一緒に寝ることにしているので、カオスなリビングを片付けるのは元気があれば夫氏が気づいてやってくれるが、まあそんなことは滅多にないので朝起きて私が担当することが多い。

しかし、これだと朝起きた時にぐちゃぐちゃのリビングを見て心がへニャンとする。へニャンとするだけならまだしも、仕事疲れでヘロヘロの夫氏が片付けてくれなかったことに矛先を向けてイライラすることもある。
せっかく気分良く1人時間を過ごそうとしているのに、これでは全然意味がない。

とはいえ寝かしつけから生還して片付けるのも99%無理。小さい子どもがいるから部屋がぐちゃぐちゃなのは仕方がないと言い聞かせて、心を無にして朝片付けることにしていた。

最近読んでいる『3人子持ち 働く母の「追われない家事」の冒頭に、優先順位付けの話が出ていた。ちょうど仕事のことで40歳の壁にぶつかってモヤついていたので、これからの働き方を見直すために自分の優先順位付けをやってみた。その1項目に「自分でやらなくてもいいこと」とある。
その項目にふと「片付けは自分でやらなくてもいいんだよな」と思った。でも子どもたちに「片付けようね」と言っても他にやりたいことが優先されて、一向に片付けられない。それを見てイライラするのも嫌である。
何かいい方法がないかとこれまで目にした家事育児ハックを思い返した結果、「お片付けタイム」を導入することにした。

わが家のお片付けタイムは

  • 寝室に行く前に何か子どもたちの好きな曲を1曲かける

  • 「曲の間にお母さんがお片付けをします!」と宣言する

  • 子どもたちは応援してもいいし、踊ったり歌ったりしてもいい

  • 私は曲を楽しみながら片づけをする

というもの。子どもたちには片づけを強要しないし、好きなようにしていてよし。寝る前に私が片付ける時間を作る、というのが目的だった。

初日、夫氏不在でワンオペの夜、子どもたちに
「今日からお片付けタイムをします!お布団のお部屋に行く前に、何か好きな曲一曲かけてね。その間にお母さん、お片付けします!」と宣言した。
さんちゃんにはその前に、
「お母さん、朝起きた時にお部屋が散らかっていると、怒りんぼ母さんが出てきやすくなっちゃうから、寝る前にお片付けタイムしたいんだ」
と話しておいた。4歳のさんちゃんには予め理由を伝えておくようにしている。

この日は長男さんちゃんが大好きなパウパトロールの映画の主題歌「Good Mood」をかけた。私もこの曲が大好きなので、ノリノリで片付け始め、子どもたちは歌ったり踊ったりしていた。
すると曲の後半、踊っていたさんちゃんが、床に散らばっている絵本を拾って片付け始めた。

「あれ?さんちゃんお片付けしてくれるの?」と聞くと「うん!」と言いながら最後まで片付けを一緒にやってくれた。
おかげで部屋がすっきりとし、気持ちよく寝室に向かったのだった。
翌朝、起きてきたさんちゃんに
「昨日一緒にお片付けをしてくれたから、お部屋がきれいで気持ちがいいね。ありがとう」
と言うと、とてもうれしそうに「うん!」とうなずいていた。

2日目、この日のお片付けタイムも曲は「Good Mood」。好きな曲を何度も聞くタイプなのは親子共通のよう。この日は最初からさんちゃんが一緒に片付けをしてくれた上に、夫氏に「お片付けするんだよー」と声をかけてくれた。べえさんはマイペースに自分の読みたい絵本を出したりしていたが、それでも最後は一緒に片づけをしようとしていて、微笑ましかった。

これまでの「部屋が片付かない」といった悩みは一体何だったんだろう。
「お片付けタイム」で自分が片付ける時間を作ろうとしたはずなのに、子どもたちが一緒に片づけをしてくれるようになった。
今までは「お布団行く前に、さんちゃんは絵本を片付けておいてね」などと声をかけていたけど、そうじゃなかった。
彼らは「一緒に」お片付けがしたかったのだ。

思い返せば、子どもたちはなんでも「一緒に」が好きだ。
「一緒にごはんを食べよう」
「一緒にテレビを観よう」
「一緒にお風呂に入ろう」
「一緒に寝よう」
そう声をかけた時の方がスムーズに事が運ぶし、しゃべられるようになったさんちゃんも「一緒に」と言うことが多い。

もしかするとこの「一緒に」を何度も繰り返すことが、「1人で」できるようになることのステップなのかもしれない。
今の自分はもうずいぶんと大人で、大概のことは1人でできる。でも、初めてやる仕事は誰かと「一緒に」やることがほとんどだし、すっかり忘れてしまったけれど、きっとこれまでも「一緒に」やってきてもらったから「1人で」できるようになってきたのだ。
幼い時の自分も何度も「一緒に」と母に言っていたに違いない。

なんでも「1人で」できる気になっていた不惑の40代に、子どもたちが「一緒に」やってくれる人がいるから「1人で」できることを教えてくれたのだった。



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