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テレビチケットと4歳児の交渉力

子育て中の友人と子どもたちの動画やテレビの話になると驚かれることがある。わが家の子どもたちがテレビを見る時に、チケット制にしていることだ。

うちでは長男さんちゃんが1歳頃までは彼が寝ているとき以外テレビを見ない生活をしていたのだが、自宅保育をしたりなんだりでEテレから始まって、Youtubeの童謡チャンネルなどを見るようになり、2歳からはすっかりテレビっ子になった。

タブレットがないのでchromeキャストでスマホをテレビにつないで見ていて、良くも悪くも集中力が高いさんちゃんは動画中、微動だにせず画面を凝視している。
次から次へとリコメンド動画が流れ続けるYoutubeは何時間でも見ていられてしまい、「これで終わりにしよう」と止めるとギャン泣きする。
自分もテレビ大好きだし実家が遠方のワンオペ共働き家族にとっては、動画も一つのお助けツール。とはいえ、動画を見ているとそれ以外のことができなくなるのは困る。

てぃ先生の本を読んだり、子育てハック記事を検索したりして試行錯誤した結果辿り着いたのはテレビチケット制だ。


子どもが楽しくなるチケットごっこ

  1. 2色の折り紙を小さく切って折りたたみチケットを2枚ずつ作る

  2. それぞれにテレビのマークとお日さまとお月さまのマークを書く

  3. もう1色別の色でチケットを1枚作り、テレビとスペシャルなマークを書く

これで朝2枚、夜2枚+スペシャルテレビチケットが出来上がり。スペシャルテレビチケットは夜と休日に何かお手伝いが出来たら追加できる専用チケットにした。1枚のチケットは10分分になっている。
さんちゃんはテレビを見たい時にそのチケットを親に渡して見たい動画を一緒に選ぶ。始まったらキッチンタイマー(今はアレクサ)で10分設定し、タイマーが鳴ったら終わり、という流れだ。

最初はタイマーが鳴っても「まだ見たい!!」とごねていたこともあったが、「これが終わったらおしまいにしよう」とか「ここまでにしてこの後は絵本を読もう」など、いきなりブチぎらずに終わるタイミングを予定できるように声をかけていくと段々と止められるようになっていった。

もちろん、時間通りに終われない時もあるし、朝の登園準備の時にテレビチケットを使った後に自分のお着替えなど支度が終わっていて、他の人の支度が終わるまでは見ていてもいいとかいう謎ルールが追加されたり、結局家にいる時にテレビを見る時間が大半を占めてしまうこともある。
それでも「テレビは決まった時間で終わり」「やることをやってから見る」という習慣を付けることの効果はあった。
テレビをつけたままでも遊べたり、他のことができる子には必要ないことかもしれないが、わが家はこのチケット制が合っていたように思う。

少し面倒だったのは他の動画に変えたい時に親が都度スマホを操作する必要があることだったが、4歳になったさんちゃんにキッズYoutubeの使い方を教えたらすぐに自分でchromeキャストに接続するところからできるようになった。
今は朝起きた時と保育園から帰ったら、すぐにチケット渡してテレビタイム。その間にごはんの支度をするのがわが家のルーティンになっている。

チャンネル争いが始まる前に

次男べえさんはさんちゃんとはタイプが違って、テレビがついていてもあまり気にせず自分の好きな遊びをしていることが多い。
それでも最近はピタゴラスイッチとマリオがお気に入りで、さんちゃんが他の動画を見ていると「ウォッチ見る!(ピタゴラスイッチ見る!のこと)」「マリオ見る!!」と主張するようになってきた。

そこであるワンオペの夜、さんちゃんとべえさんに「テレビチケットについて相談があります」と声をかけて、話し合いをすることにした。
「最近べえさんも見たいテレビが出てきたから、テレビチケットをどうしようかなと思って」とまず伝えた。
そしてテーブルにあった使っていないコースターを並べて、
「これが今までのテレビチケットだとすると、朝と夜2枚ずつとスペシャルテレビチケット、あとみんなで見ているピタゴラスイッチの分。これをさんちゃんとべえさんで分けたいんだけど、どうしたらいいと思う?」と聞いてみた。
するとさんちゃんは「じゃあ、この小さいのが僕とべえさんで、こっちの大きいのがスペシャルテレビチケットで、僕とべえさんのね。これを順番に使ったらどう?」という。べえさんも「うんうん」とうなずいて、テレビチケットを2人で分ける案になった。

4歳児さんちゃんの交渉力

そして翌日から、各自のチケットを使って見たいテレビを見始めた。ところがさんちゃんの方が一枚上手で、べえさんのチケットの時間になるとまだスマホが自分で使えないべえさんに自分の見たい動画が並んでいるところを見せながら、「どれ見たい?これ?」と言って選ばせて、自分も見たいものを積極的に選べるように勧めている。
べえさんは自分で選べたことに満足し、しばらくテレビを見ていたあとはプラレールで遊びだし、自分が本当に見たいものと違うことに気づくと「ウォッチ見たい!!!」と言い始める。その頃には10分経っていて、べえさん用のスペシャルテレビチケットタイムとなるワケだ。
「さんちゃん、なかなかやるな」と親バカながら感心したのだった。

とはいえ、ひとまずテレビの奪い合いについては一旦回避。これはたぶん、親が一方的に「2人でチケットを分けなさい」と言っていたらうまくいかなかっただろう。
相談する→意見を聞く→最終的なやり方を決める
この流れを一緒にやったことで、子どもたちの納得感を得ることができたのが大きい。

べえさんが成長するにつれて変わっていくだろうけれど、その時はまた話し合い。きっとべえさんも自分の言葉で話せるようになっているだろうし、2人で話して決められるように見守れる親でありたい。


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