和田圭二

東京都立大学 システムデザイン学部で教員をしています。専門は,パワーエレクトロニクス。…

和田圭二

東京都立大学 システムデザイン学部で教員をしています。専門は,パワーエレクトロニクス。研究内容や大学についての情報発信をしていこうと考えています。

最近の記事

2024年に狙うべきパワーエレクトロニクスのトップジャーナル

イントロダクション 私は現時点において,電気学会産業応用部門英文論文誌のD6(パワーエレクトロニクス部門)の主査,およびIEEE Transactions on Power ElectronicsとIEEE Open Journal of Power Electronics のAssociate Editorさらに IEEE Journal of Emerging and Selected Topics in Power ElectronicsのGuest Associate

    • 論文がRejectになった時に考えること

      大学で研究をして論文を投稿することが仕事の一つとしてあります。論文と言っても,査読の有無があるので,ここでは査読有の国際会議・学術雑誌に投稿した論文がReject (電気学会は返送と表現)された場合の著者の気持ちについてのみ考えてみたいと思います 査読による判定 私が専門としているパワーエレクトロニクスの分野では,国際会議で論文発表後に学術雑誌に投稿するというのが一般的です。国際会議および学術雑誌にはそれぞれ査読が独立してあり,著者が投稿した論文に対して匿名の査読者(専門

      • 2021年 電気学会産業応用部門大会発表内容

         2021年8月に学会発表した内容の研究紹介です。論文発表としての最終目的は学術雑誌(電気学会論文誌や IEEE Transactions)になりますが,学会発表はその途中段階でのアイディアや研究内容の一部を公開するものです。研究室からは7件発表しましたが,そのうちの一部を紹介します MOSFET の出力容量に起因する等価直列抵抗を考慮したノイズ解析  パワーデバイスとして使用されている MOSFET の寄生パラメータとしては,各端子間に存在するキャパシタンスが一般的に知

        • 2021年 パワーエレクトロニクス講義記録

          2021年前期に行った学部3年生向け講義であるパワーエレクトロニクスに関する記録です。今年度初めて受け持った講義と言うことで,試行錯誤的な部分はありますが,自分が専門とする学部講義科目と言うことで,数多く市販されている教科書(本)の内容にはとらわれずに授業内容を構成しました 授業概要1. 4 月7 日 パワーエレクトロニクスと省エネルギー 2. 4 月14 日 電力エネルギーとパワエレ 3. 4 月21 日 パワーエレクトロニクスの応用事例 4. 4 月28 日 矩形波と正

        2024年に狙うべきパワーエレクトロニクスのトップジャーナル

          2021年電気学会での発表内容について

          2021年3月に電気学会で学会発表します。学会発表する内容について,この研究に対する思いを書いてみようと思います。すべてのテーマで書こうと思ったのですが,研究期間の長い2件だけ紹介します。 バスバー構造設計パワエレ回路を対象としたバスバー構造(単純に言うと,銅板2枚をどのように組み合わせるか)に関する研究は10年以上行っています。この研究の始まりは,以前の電気学会誌にも記載しています。(電気学会会員ではないと読めないかもしれないです) 今までは,銅板2枚に寄生するのインダ

          2021年電気学会での発表内容について

          研究室に初めて来る学生さんへ

          大学の研究室では,3月に学部生や大学院生が卒業した直後に,新しく学生さんが研究室に来ることになります。毎年,新しくる学生さんへ伝えることを書いてみます。 私の仕事は,学生さんに対して研究の進みの管理やアドバイスだけでなく,研究室を円滑に運営することも重要な仕事です。ここでは,研究進捗についてのみ書きたいと思います。 まず,工学系の大学の研究室では,希望や成績によって学生が教員ごとに配属されます。私の学科では3~4名/学年が配属され,学生さんと一緒に卒論や修論のための研究を

          研究室に初めて来る学生さんへ

          はじめての投稿記事

          私は都内の大学に教員として勤務しており,学生教育とパワーエレクトロニクスに関する研究を行っています。 大学院を修了してすでに20年経過しました。その間,複数の大学で勤務し,学会活動や他の組織(大学,研究機関,企業)ともさまざまなお付き合いをさせて頂いており,海外の大学とも共同研究してきました。 学会発表や学術雑誌を通して研究内容を発表していますが,アイディアの発想に至った経緯を公開する場はあまりありません。また,自分の活動・経験や日々の考えは研究室内の学生さんには話すこと

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