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デザインの学び方は世代で違うのか?|講義の前説noteより

僕らが建築の勉強をしていたときは、
インターネットがではじめた頃で、
主流じゃなかった。

なので、実際に訪れたり、
雑誌や作品集を貪るように見ていたもんです。

雑誌での空間デザインの学び方

雑誌での学び方を例にとると、
参考にしたい空間の写真があったとする。
それを実現するためには、この図面を引けばいい
と教えてくれるんです。

そうやって、ひとつずつトレースして
自分の設計に活かしていくんです。

文脈を掘る世代と本質に近い世代

この間観たテレビ番組の中で、
音楽について世代間で違いがあると知りました。

今の若い世代のあなた方は
ディグできないらしいですね。文脈を掘れない。
一度聴いた音楽があれば、
勝手にストリーミングがレコメンドするんですってね。

たしかに、いま、そうですよね。
僕らのときは、気に入った曲があれば、
そのアーティストのルーツを探りたくなって
どんどん歴史を紐解きにいきました。

あなた方の場合は、ある種、
好きな音や気分、雰囲気を抽出した音、
文脈を排除した純粋な音、
いわば音の本質を捉えてるのかもしれませんね。

それは世代、もしくは時代の違いであって、
どちらがいいというもんではないんです。
「違う」ということです。
その世代それぞれの楽しみ方が違う。
それゆえに「わかりあえない」こともあろうかw

画像検索によるレコメンド

もとい、建築や空間の話です。
みなさんが活用している画像検索ですが、
これもストリーミングされてレコメンドした画像が
羅列されてるのでしょう。
さもあなたの狙いはこれだ!
と錯覚するかのように。

空感と時感

ある建築家の言葉ですが、
空間と時間、これを「空感と時感」と読み替える。
それが建築家の仕事と言った。

いつもいってますが、
いくら精巧なイメージを見たとしても
実際の空間に佇まないと理解できない。

私の実感ですが。
だから、画像に過信しない。

想像力を育む、自分も人も

デザインの最中は佇むことはできないから、
そこは想像力
そして、仕事になると、
その力を依頼主にも育んでもらう
その努力を惜しんではいけない。
スケッチがいいか、模型か、CGか。
使い方を間違っちゃいけない。

建築や空間のデザインするときは、
こんなことの気配りをお忘れなく。

では、先週からの続きを…

※講義するにあたり、
 知識の提供だけではなく、
 デザインに前のめりになって、
 生徒さんのやる気をかき立てるための
 落語でいう枕、前説のネタ帳です。

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