女性活躍推進の取り組みに違和感 キャリアの形は一つ?
銀行の女性活躍推進法への取り組みが、注目を集めています。
特に、管理職や経営職に女性を積極的に登用する目標が設定されている取り組みは目立ちます。
こうした取り組みが女性にとって本当に望ましいのか、「女性活躍推進」の「活躍」とは何か、考察してみます。
女性活躍は「キャリアアップ」の意味か?
多くの銀行が管理職比率の向上に注力しています。ただ銀行で働く女性の中には「キャリアアップ推進」に対して異なる意見を持つ人も少なくないと思います。
管理職や経営職に就くことが「キャリアの成功」とされがちですが、本当にそれが「女性活躍」なのでしょうか。
私は、自分に合ったペースで働き、専門性を深める道を選ぶのも、同様に「女性活躍」だと思います。
昇進を望まない働き方は害悪か
実際に、すべての女性が管理職や経営層を目指すわけではありません。
それを強いる社会の風潮は、個々人の価値観やライフスタイル、そして能力を無視しているとも言えるでしょう。
「昇進・昇格=活躍」の定義は、日本の男性社会における勝手な思い込みではないかと感じます。
キャリアの多様性を認めることなく、一方的な「成功モデル」を推進する風潮は、多くの女性にとって新たなプレッシャーとなりかねません。
昇進を望まない働き方が認められないような組織なら、活躍どころかドロップアウトしたくなるのではないでしょうか。
女性に対する伝統的な地方の感覚
また、銀行の女性活躍推進の動きが、地域にどのように影響を与えているかも見逃せません。
例えば、地域社会と密接な関係を持つ地方銀行では、銀行の姿勢が地域における性別の役割観に大きな影響を与える可能性があります。
地域の企業文化や女性の働き方に革新をもたらす一方で、従来の女性に対する価値観とは異なるため、その受け入れ方には個人差があるのが現実ではないでしょうか。
中には、銀行の取り組みを「伝統的な性別の役割分担を壊す」と考える人も少なからずいると思います。
キャリアアップこそ女性の成功だと一方的に押し付けてしまうのは問題でしょう。
研修に意味があるのか
また、女性活躍推進の取組が男性管理職の意識改革に焦点を当てたアンコンシャス・バイアス研修などに留まっている点も問題だと考えます。
現状、そのような研修が女性のキャリアアップに直結しているのか、その効果の測定が明確ではありません。
銀行が真に女性の能力を活かし、性別に関わらず公平な評価を行う環境を整備するには、もっと根本的な風土変革が必要だと思います。
数値目標を掲げる必要性
銀行が女性活躍を推進する動きは、その意図が真に女性のキャリアアップにあるのか、それとも公共のイメージや政治的な意図を追求しているのか、慎重に見る必要があります。
例えば、取り組みが後者である場合、これは女性を利用した表面的な改革に過ぎず、真の平等や多様性の実現には寄与しないでしょう。
最終的に、銀行が真に女性のキャリアをサポートし、性別による不平等をなくすための措置を講じる場合には、単に数値目標を設定するのではなく、具体的な行動計画とその成果を明確に示すことが求められます。
例えば、女性の意見を積極的に取り入れ、実際に職場環境や評価制度を改善するための具体的なステップが含まれるべきです。
女性が単なる銀行政策の「顔」としてではなく、その才能と能力が完全に評価される環境を整えることが、企業にとっても社会にとっても真の意味での前進となるのではないでしょうか。
結論
キャリアの成功をどのように定義するか、そして女性自身がどのような働き方を望むのかについて、もっと広範な議論が必要だと私は考えます。
銀行の女性活躍推進策は、一部の女性にとってはチャンスを提供しますが、すべての女性にとって最適な策ではないかもしれません。
「活躍」の定義がキャリアップという人もいれば、子育てやパートナーのサポート、地域活動といった人もいるはずです。
銀行の一方的な「活躍」の定義には違和感があります。
多様なキャリアを支援し、女性一人ひとりの声に耳を傾けることが、本当の女性活躍実現への鍵となるのではないでしょうか。
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