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【図解】お金の正体vol.1〜銀行の起源〜

「日本の借金が増え続けると、この国は破綻する」とか、「いやいや、日本は自国の通貨でお金を発行しているから、破綻はしない」などといった、日本のお金事情について聞いたことはないだろうか。しかし、あまりに大規模な話で、よく分からない人も多いと思う。

それに「国が破綻」とは一体どういうことなのだろうか。ギリシャやアルゼンチンは国が破綻したと言われているけど、暮らしにどんな支障が出ているのかもよく分からない。

お金の話は非常に複雑で難しいと思うが、お金の仕組みを知ると、ニュースに対する理解の幅が広がるだけでなく、それを自分の生活に落とし込めることも出来るはずだ。

今回のテーマは「銀行の仕組み」だ。銀行といえば、お金を預金する場所、通貨を発行する場所、企業にお金を貸す場所など、お金に関する色々なことをやっているイメージがあるが、どのような歴史を経て現在のような仕組みになったのだろうか。

今の銀行は金細工職人から生まれた

今の銀行の仕組みは17世紀のロンドンから始まった。

当時の通貨は金だったが、商人たちが大量に儲け、金が増えれば増えるほど保管方法に困った。管理人をつけても金を持ち逃げしてしまう人もいたようだ。

そこで、金細工師であり、作った金で両替商を営んでいた「ゴールド・スミス」が金の保管を代理するサービスをし始めた。これと同じように、私たちも銀行にお金を預けている。銀行にお金を預けると口座に記録されるように、ゴールド・スミスも「金匠手形」というものを発行した。

アートボード 1

商人が金を引き下ろしたくなったら、ゴールド・スミスに金匠手当と引き換えに金を返してもらうわけだが、たくさんの金を預かったゴールド・スミスはそんな大量の金を一斉には引き出してこないことに気がついた。つまり、ある程度の金は保有し続けることができた。

そこでゴールド・スミスは「貸し出し」の営みを始めた

消費や投資をしたいが金がない時、ゴールド・スミスから金を借り、その金は別の所へと支払われた。しかし、やはり金を受け取った者も保有せず、ゴールド・スミスへと預け、金匠手形が発行された。

アートボード 2

しかし一方で、商人の間では金匠手形が金の代わりとして流通していた

アートボード 3

消費や投資の際に、わざわざゴールド・スミスで金を降ろし、その金を別の投資・消費先に渡し、その金をまたゴールド・スミスに預けるのは面倒臭いと考えるようになった。

金の預け入れと引き換えに渡された金匠手当が金同等の価値となり、それで投資・消費するようになったのだ。

我々も同じである。硬貨や紙幣というものは未だに存在するけれども、例えば企業間でお金のやりとりをする場合に現金で取引はせず、通帳の印字でお金が動く。現金で大金をやりとりするのは、映画でヤクザが大金の入ったアタッシュケースを受け渡しする時くらいだ。

そこでゴールド・スミスは、金を動かす必要はなく、金匠手当を受け渡しすれば良い、ということに気がついた。

これが現代の銀行業である。

アートボード 4

例えば「経済政策〇〇兆円」といった政策が実施された時、政府は各自治体に大量の紙幣を運送するわけではない。自治体の口座に記録されるだけで、お金は移動するようになった。そして、これらの通帳に印字されたお金はすべて「銀行預金」である。

お金を発行するためには「借用書」を書き、銀行側の承諾を得れば「銀行預金」を手に入れることが出来る。「銀行預金」はお金そのものではなく、通帳に印字されたものである。

また、お金を銀行に預け入れしたときも同様に、通帳に印字され「銀行預金」を受け取ることが出来る。そして、この時の借用書は硬貨や紙幣といった「現金」である。「現金」は「日本銀行が発行した借用書」なのだ。

次回に続く。

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