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不登校と中学受験(4)

これまで、最難関中学に合格したけれども、不登校になった子ども達とは、フリースクールや高卒認定試験予備校で出会いました。

灘中、甲陽学院中、洛南高附属中、大阪星光学院中、四天王寺中、鹿児島ラ・サール中、など入学試験を突破して合格することだけを考えても、すごくたいへんな学校の子ども達でした。

でも、それよりも、こういった最難関中学よりも、もう少し偏差値で言えば、ランクが下がる学校をやめたり、行けなくなったりしている子どもの方が、圧倒的に多かったことは間違いありません。

現在も私が所属しているフリースクールのパーソナルアカデミーでは、中堅上位私立中学に行けない子どもが何人か通っています。

その子ども達は、だいたい、フリースクールに来るのは、ご家族に連れられて、見学に来ることがほとんどです。

「それでここに来て、何をするの?こんなとこに来ても仕方ないやろ、帰る。」と言い放って帰っていった子どももいます。

第一志望校に合格しても、ついていけなかったり、燃え尽き症候群になったり、嫌になったりでやめてしまうことがあります。

深海魚などという言い方がありますが、合格した中学校で学力が最下層になってしまい、一切、勉強をしなくなる子どももいます。

その結果、学校に行っても仕方がないと、せっかく合格した学校をやめてしまう子どもがいるのです。

さらに、第一志望校を不合格になり、第二志望校だったり、第三志望校だったりすると、大学受験でリベンジしようという気持ちもどこかに消えてしまい、結果的に学校に馴染めず、やめてしまうのです。

ご家族も不本意な入学なので、積極的に学校に行きなさいということもなく、でも、第二志望校も行けないのか、ということに、半ば呆然として、あきらめの気持ちになってしまうこともあるくらいなのです。

こうして、大手の進学塾から私立中学校に進学した子ども達が、不登校になりフリースクールと出会っても、最初は話も聞こうとはしません。

説明を聞きにご家族に連れられてきても、それだけで、体験授業や体験入会も来ません。

ご家族がいろいろと話をして、やっと体験に来てくれるようになっても、いやいや来ているのがわかるくらいです。

何度か体験をし、私やスタッフと話をして、ようやくやっと通ってくるようになるのです。

その子ども達の多くは、斜に構えて、大人に対する不信感からか、心を開こうとはなかなかしません。

すでに受験で合格した時の学力はなく、プライドだけ高いという状態の子どもになっていることが多いのです。

思春期になり、ご家族の言うことも聞かなくなり、ただ、受験した当時とは、全く別人のように、勉強はしないのですが、自分はやればできると思っているのです。

そうして、何しない、何もできない子どもになっていることがほとんどなのです。

なんとか時間をかけて、ほんのわずか楽しむことを覚えて、フリースクールに来るようになっても、勉強のことになると、積極的にはやろうとはしません。

こんな状態にするために、ご家族も中学受験をさせたわけではないはずなのです。

当然、本人にしても、こんなことになるなんて・・・と思っているのです。

こうなるには、いくつかの要因があると思いますが、一番の要因は、第一志望校への合格だけを目標に、勉強を頑張ってしまった、その大きなツケが回ってきた結果なのです。

何のために中学受験をするのか、その中学・高校に行ってどうしたいのか、そんなことを考えることなく、合格だけを目標にして、受験した結果、不合格になり、心に傷を受けて、学校にも行けなくなっていく子ども達をたくさん見てきました。

この子ども達に、もう一度、元気になって自分のやりたいことをやって欲しいという思いが、30年以上に渡り、進学塾・予備校講師と不登校の子ども達の支援の両方を行っている理由の一つなのです。

なぜ、こんなことが起こるのかといつも思うのです。



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