「膨れ上がった欲望は」　

突然街を歩いていたら
「なぜそこまで
　人に合わせ無ければならない?」と
聞き覚えのある人の声だ
お節介の一番聞きたくない文句が
矢継ぎ早に耳に入る
「そんなに急かされる思いは
　なぜなのか？」とまた云っている
「あなたにとっては
　人事だからだよ‼」と言い返す
互いの罵り合いは
機関銃のように止まらない
逆なでする言葉を突き返す
《よく落ち着いて言える者だ》と

鏡に映る怒り狂った
目のつった形相だが
見覚えのある
どこかであった様な人が
言葉を返している
もしかして
自分の心を映す鏡なのか？

人と比べてしまう欲望は
折角の
自分の可能性と
足元の経験値を活かせず
見過ごしてしまうと

同じ土俵と
同じものをどれ程有ったら足りるの？
身の丈以上のメラメラした
背伸びする自分自身が
気付かなかった
様々な欲望は天井知らずに伸びる

闇を呼び起こす
隠れた不安
作り笑いの隠された想いを
掻き消すだけの叫びを
本当は誰か聞いてほしい

今必要なのは何？
明日の自分に必要な
何かを見つめ直す時期に
来たのかもしれない

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