詩 : あの頃は…
「あの頃は…」
出来ることなら
あの頃の
眩しかった海にあってみたい
高校時代
あの校舎の一番上の教室
たった10分しかない
休み時間の間に
ふうふう息を切らしながら
駆け上がって行った
そして きまって
黒板が見える席でなく
海が一番見える席に座った
あまりにも退屈な授業の時は
ボンヤリと眺めるのに
ちょうどよかった
とくに 春がよかった
なだらかな丘の上から
桜の風紋が 幾重にも連なって
海へ
吸い込まれるように
流れていった
いつもそんな時にきまって
あっというまに過ぎてった
今日も
わたしみたいな学生が
あの海がよく見える席に座って
海をボンヤリと見ているのだろうか?
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