Ken Miyoshi

電子カルテがどうすれば使いやすくなるか日々考えています。 Dermatologist…

Ken Miyoshi

電子カルテがどうすれば使いやすくなるか日々考えています。 Dermatologist https://linktr.ee/ken_miyoshi

最近の記事

トヨタのカーデザインを考える その3

車の前部がフロントフェイスと呼ばれているのは、ヘッドライトが目のように見えるからである。初対面の相手の印象がその人の目つきによって決まるように、車の印象もヘッドライトのデザインによって左右される。そして、フロントフェイスを顔と認識するからこそ、丸いヘッドライトの車を見るとほっこりするのである。 もしあなたが通りで見知らぬ相手に睨みつけられたら、いったいどう感じるだろうか? 理由もわからず威嚇されているわけであるから、少なくともいい気分はしないはずである。運転中に、つり上がっ

    • 電子カルテのUI/UXを考える その26

      以前投稿したnoteで、前回処方をコピーする際に間違って「修正」を選択しても気がつかない問題をとりあげた。個人的には「修正」が選択されたらダイアログで注意喚起してもらいたかったのであるが、F社の対応は火に油を注ぐものであった。 前回のバージョンアップで、F社は間違って「修正」が選択されないように、右クリックメニューから「修正」メニューをまるごと削除したのである(上)。ただし、クラークが入力し未承認の処方はこれまで通り「修正」を残している(下)。 その結果、右クリックメニュ

      • トヨタのカーデザインを考える その2

        先日、信号のない交差点で右折するために一時停止したところ、右方向からトヨタの新しい小型SUVが減速しながら近づいてきた。ウィンカーも出さずに減速していたため不思議に思い注目すると、縦長の黄色いライトの点滅に気がついた。 普段はすぐにわかるウィンカーの点滅を認識するのに時間がかかったのは、ヘッドライトから離れていて、縦長の形状であったからである。もし夜間であれば問題ないが、日中で接近した状態では、すぐに気づくことは難しいのではないだろうか。 これまで目にしてきた方向指示器は

        • 院内の掲示物を考える その2

          新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、当院でも面会制限が行われることになったため、Pagesで新たに掲示物を作成した。サイズはA3とし、遠くからでも目立つように上半分の背景を赤色にして、内容は下半分にまとめて表示させた。 Pagesファイルは下記よりダウンロードできます。 https://www.dropbox.com/s/hw9dn4i4cnlmmml/%E9%9D%A2%E4%BC%9A%E5%88%B6%E9%99%90.pages?dl=0 https://ww

        トヨタのカーデザインを考える その3

          電子カルテのUI/UXを考える その25

          これまでI社、N社、F社の電子カルテを利用する機会に恵まれたが、残念ながらN社とF社の電子カルテは使っている最中に腹立たしく思った事が1度や2度ではない。それらの経験を踏まえて、電子カルテに最低限欲しい機能を考えてみた。 ①病名とアレルギー情報が最初に表示される紙カルテでは最初のページに病名が記載されているが、電子カルテでは意外と病名を確認するためのハードルが高い。患者を選択したら、最初に治療中の病名、アレルギーの有無、クレーマー情報、さらに入院患者なら主治医を表示させてほ

          電子カルテのUI/UXを考える その25

          電子カルテのUI/UXを考える その24

          F社の電子カルテの端末は同社のデスクトップPCもしくはノートPCであるため、Windowsの操作も行わなければならない。しかしながら、普段利用しているMacと比べると、WindowsのUI/UXには改善の余地がかなりあるように感じる。 ①入力言語の切り替え電子カルテを使っていて最も困るのが、何かの拍子で日本語入力ができなくなってしまうことである。切り替えのキー操作を行っても日本語入力にならない時は、本当に困る。おまけに、カナ変換にしてしまうKanaキーの存在も迷惑でしかない

          電子カルテのUI/UXを考える その24

          ホテルの掛け布団問題を考える

          ほとんどの日本人は寝るときに掛け布団を使用していると思うが、真夏でも布団という人はそれほどいないのではないだろうか。自分は就寝時にクーラーをかけたくないので、夏になると寝室の窓を全開にしてガーゼケットをかけて寝ている。 ところが、ホテルでは例え真夏でも用意されているのは掛け布団だけであり、ガーゼケットはまず用意されていない。就寝時も冷房をつけて快適に寝てもらうことを想定しているのかもしれないが、クーラーなしで寝ると困った事態に直面する。 一般的にホテルは機密性が高いため、

          ホテルの掛け布団問題を考える

          出張時の服装問題を考える

          一昔前までは医師はワイシャツ・ネクタイの上に白衣をはおって診察するというのが定番であったが、今では動きやすいスクラブを着て診察する医師が増えている。(ちなみに、当院では看護師の制服もスクラブになっている。) 白衣と違ってスクラブは私服の上に着るわけではないため、ワイシャツ・ネクタイ姿で出勤する必要はない。自分も夏はポロシャツ、冬はスウェット+アウターで通勤しており、スーツに袖を通すのは年に数回、学会に出席する時だけである。 その学会出張の際に飛行機や新幹線を利用すると、当

          出張時の服装問題を考える

          エレベーターのUXを考える その5

          iPhoneのSiriやスマートスピーカーなど、装置に話しかけて音声で入力することが身近になっている。もし、エレベーターも音声入力ができるようになれば、もっと便利になるのではないだろうか。 現在はエレベーターを呼ぶためにボタンを押して、乗ってから目的の階のボタンを押す必要があるが、音声入力もできるようになれば、ホールで目的の階を伝えるだけでエレベーターが到着し、中で行き先階のボタンを押す必要はなくなる。 さらに、ドアも音声でコントロールできるようになれば、開閉ボタンの押し

          エレベーターのUXを考える その5

          学会スライドを考える その3

          Macを購入するとKeynoteというプレゼンテーションアプリが無料でついてくる。このKeynoteは、PowerPointと比べてはるかに使いやすいため、学会のスライドをKeynoteで作成したいと考えている医師も少なくないのではないだろうか。 しかしながら、ほとんどの学会はPowerPoint以外で作成したスライドの発表を認めていないのである。そこで、学会発表のためだけに仕方なくパワポを使っている医師のために、Keynoteのスライドをパワポに変換する方法を紹介したいと

          学会スライドを考える その3

          勤務医が医療アプリをデザインした話

          前回の投稿で紹介した「褥瘡ナビ」は、実際に褥瘡診療で使っている場面を想像しながら、自らUIデザインと画面展開を設計した。使いやすくて便利なアプリにするために色々と工夫をこらしたので、その中のいくつかを紹介したいと思う。 1 患者のグループ分類電子カルテでは、患者リストに表示されるのは受付した患者や入院中の患者だけである。しかしながら、このアプリは患者を登録するデータベースであるため、使用期間に比例して患者リストが長くなり、患者選択が面倒になることが予想された。 実際に褥瘡

          勤務医が医療アプリをデザインした話

          勤務医が医療アプリをリリースした話

          DESIGN-Rの評価が面倒くさい。褥瘡回診中にそう思ったことが「褥瘡ナビ」を作ろうと決めたきっかけである。当時は、褥瘡経過用紙に記入した評価をもとに総点を計算し、写真はプリントアウトしたものをはさみでカットして貼りつけていた。 DESIGN-Rは、日本褥瘡学会が公開した褥瘡を評価するツールである。深さ、滲出液、大きさ、炎症/感染、肉芽組織、壊死組織、ポケットの7項目について評価し、深さ以外の6項目の点数を合計した総点がその褥瘡の重症度を反映する。 そんな時に登場したのが

          勤務医が医療アプリをリリースした話

          トヨタのカーデザインを考える その1

          最近、トヨタのカーデザインが気になっている。といってもいい意味ではない。ものすごくかっこ悪いと感じるからである。そう思っているのは自分だけではないようで、売り上げが低迷していたプリウスの外観は大幅に変更されたようである。 一番気になるのは、やはりプリウスだろうか。あの不気味な形をしたヘッドライトを見るだけで、とても嫌な気分になる。すべてのデザインには理由があってしかるべきだが、あのヘッドライトの形状に何らかの意味があるとはとても思えない。 また、カローラなどで採用されてい

          トヨタのカーデザインを考える その1

          天気予報のマークを考える

          天気予報はあくまでも予想である。そのため、100%当たるとは誰も思ってはいない。しかしながら、傘のマークがなかったのにもかかわらず、一時的にでも雨が降るようなことがあれば、その信頼性は大きく失われてしまうことになる。 気象衛星とスーパーコンピュータによって、天気予報の精度は昔よりもはるかに向上したのではないだろうか。にもかかわらず、いまだに天気予報のマークは2種類の天気の組み合わせだけで表示されており、昔から全く変わっていない気がする。 例えば、「晴れのち曇り、所により雨

          天気予報のマークを考える

          これからの男子トイレを考える

          ご存じのように男性用の公衆トイレにはオープンな小便器と個室タイプ(大便用)が用意されている。大の方でなければ小便器を利用することになるが、様々な理由によって、小便であっても個室を利用するというメンズも少なからず存在する。 小便器のメリットとしては、場所をとらないため限られた空間により多くのトイレを設置できることがあげられる。駅などの公共施設でも、行列ができているのはたいてい女子トイレの方であり、男子トイレで並んだという記憶はほとんどない。 しかしながら、ついたての高さが低

          これからの男子トイレを考える

          電子カルテのUI/UXを考える その23

          F社の電子カルテでは、外来患者のカルテを保存すると最後に下のダイアログが表示され、印刷をクリックすると診察室のプリンターから処方箋や予約票などが発行される。ところが、このダイアログが表示されるまでに5秒近くも待たされる。 忙しい外来診察中に、ダイアログの表示のためだけに待たされるというのは、とてもストレスがかかる。次の患者カルテを開く操作はなんとかできるが、入力画面に切り替わる前にこのダイアログが表示されるため、煩わしいことこの上ない。 電子カルテの処理待ちのために我慢で

          電子カルテのUI/UXを考える その23