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【労働経済学🧡】女性就業、男女間の賃金格差にまつわる経済学的論点

【労働経済学】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「ミクロ経済学・労働市場の分野」について
アウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事は「労働供給の理論の応⽤🔥」
について解説していきたいと思います

考えていきたい問いは、以下の通りです📝
「なぜ、労働市場における
 男女格差は無くならないのでしょうか ?」


静学的労働供給モデルの概要🔖

静学的労働供給モデルを使って様々なトピックを経済学的に考えていきたいと思います

⼈々は、所得によって実現する財・サービスの消費と余暇の消費の両方から満足を得ます

また、個⼈は消費財の消費が多いほど
そして、余暇時間が多いほど、満⾜度が⾼くなると仮定しましょう

満⾜度あるいは幸福度を効⽤と呼び、各個⼈の行動が次のような
効⽤関数の最大化問題に直面しているとします

ただし、この個人が行動するには、2つの制約があります
①時間制約、②予算制約です

これらの制約の下で、効用最大化を実現するように行動するという問題を考えることこそ、静学的労働供給モデルなのです

説明に登場する記号や定義は、以下の通りとします

$$
Endogenous  Variable  of  the  Model\\
Leisure:  ℓ \\
Consumption:  C\\
Labor  supply: L\\
$$

$$
Exogenous  Variables  of  the  Model\\
Wage: w
Price: p, where [ p=1] \\
Time: T \\
Wealth  Asset \\ or  Non-working  income: I \\
$$


$$
Utility  Function:  U(C,L)・・・①\\----------------\\
where  the  Marginal  Utility \\=  [ ∂ U(C,L)/∂C >0 , ∂U(C,L)/∂L >0 ]\\
------------\\two  times   differential \\ ∂''U(C,L) / ∂ (C  or  L) ''<0
$$

$$
Time  Constraint:L + ℓ≦T \\
Budget  Constraint: \\C ≦w ( T-ℓ) + I・・・②
$$

$$
Static  Labor  Supply  Model\\
Max: U ( C, L )\\s.t   C ≦w (T-ℓ) + I ・・・③
$$

この効用最大化問題について
静学的労働供給モデルをベースに
考えていきたいと思います

モデルや理論の参考資料は、URLの通りになります
また今回は、厚生労働省HPより情報収集に努めました


モデルや理論の参考資料は、URLの通りになります
また今回は、厚生労働省HPより情報収集に努めました


増加傾向にあるパート就業への選択

学歴を問わず、最近のコホートほど
パート就業率が⾼い傾向がある
されています📝

労働供給サイドの変化としては
家事機器の進歩や社会保障の整備による
育児コストの低下などが要因となり

家事・育児時間の減少したことで
「隙間時間で」就業しよう!!
とされる方が増えていると考えられます

また、労働需要サイドの変化としては
人件費削減などを目的としたパート労働⼒の需要増加によりパート就業という選択が
増加していると言えるでしょう😊

要約すると、柔軟で安価な労働⼒としての
パート労働⼒の需要が拡⼤していることで
既婚⼥性がパート就業を選択する傾向にあるということです

既婚⼥性のパート就業の制度的要因

既婚夫婦が直⾯する⾮線形の予算制約
(単位:万円)も確認しておきます

説明するために使用する記号は以下の通りです

$$
I_H:Total  Income\\w:wage  rate  of  Wife\\h:Work  time  of  Wife\\a,b : Parameters  of  Income  Deduction\\
t_w:Income   tax  rate   of  Wife\\X:Earning  of  Husband       \\D:Income  Deduction \\t_H:Income  tax  rate  of  Husband\\M:Other  Income
$$

これらの記号を用いると
既婚夫婦が直⾯する⾮線形の予算制約が
導出されます

$$
Budget  Constraint  of  Married  Couples\\     \\
I_{H}=[wh-(awh+b)]\\+X-[X-D-(141-wh)]t_H+M
$$

2002年の制度では、配偶者特別控除の上限141万円だったと思われます
(※給与収入のみなら年収201万6千円)
何度か改正を経て、現在の値になっています
📝
また控除に関する夫の所得制限も
変更されていますから、しっかり
確認された方が賢明ですね👍

詳しいことは、以下のHPより
ご確認の程何卒宜しくお願いいたします


経済学的論点:男女の就業🌟

①労働供給サイドからの差異

労働供給の意思決定にもジェンダーギャップがあることは想定されると思います
賃金に代表される労働条件をもとに
就業・職業を選択しますからね

また、家計であれば労働の裏側には
余暇・家事の時間があります🏡

しかし、その時間配分は、個人だけではなく
家族とどのように配分されるか、が肝心です

これを家計の分業問題として
考えていきましょう👌

すなわち、男女での機会費用の差異に
基づき家事と仕事の分業が行われることも
日常生活で起こりうるケースです

労働市場での報酬、規範意識、志向性などが
影響することによって家計の分業問題は
考察されることが賢明ですね🧐

家計内生産モデル

市場で働くことは、静学的労働供給モデルでも
考察しましたが、労働者といて時間を対価に
所得を獲得し、消費活動を行います

その一方で、家で過ごす時間は余暇であり
このとき家計生産活動に従事するという
タイムマネジメントがされると想定します

また、家計生産とは
「料理、洗濯、子育て、etc....」
などが該当するとします

余暇である家計時間を用いて
何か価値を生産する活動であります

ただ、この家計生産に誰が従事するのか
ということに関して
家計の分業問題があります

夫婦で仲良く分業することが望ましいですが
「比較優位」に特化することで
よりストレスの無い家計内環境が
醸成されるのではないでしょうか??

また、市場財との代替性が重要であることも
ご理解いただきたい観点かなと思います

例えば、手料理 vs コンビニ弁当の関係
洗濯サービス vs 家計内での洗濯業務など
家事に代替される市場サービスがありますし
これらを活用できることも抑えてください

何より肝心なポイントは
比較優位の原則に基づき仕事と家事の分業を行うということに尽きます💘

家計内生産モデルのインプリケーション

少し経済学用語を
理解しやすいように変換しますが・・・

男性が女性と比べ市場生産財(=労働)に比較優位を持つ場合
お互いが独身でいる場合と比較して
男性はより収入を稼ぐことができる状態に
特化しますから、この家計の
生活可能性フロンティアは拡大します💰⤴️

これこそ、分業の利益です❤️

もちろん同様に
女性が市場生産財に比較優位を持つ場合
も同様の議論は成り立つことになります

ただし、男性と女性の市場生産財の生産性が
同一のケースでは、必ずしも分業の利益は
生じない場合もあることをご理解ください

要するに、夫婦は家事をせず
家政婦サービスや毎日の食事は加工食品
といった市場財に全て依存している生活を
送っていれば「比較優位という概念」も
成立しなくなるのです

また、近年は未婚化も増加傾向にありますから・・・一概に、家庭内生産モデルと社会動向との整合性があるかと、言われると
足らない点が多いのです💦

また規範意識が、女性の市場生産財の生産性を抑制する可能性もありますね
例えば、育児の傍ら仕事に従事するということはかなりの負担が掛かり、大変ですよね

男女間における人的資本理論

キャリア形成と労働供給は
密接な関係
があります❤️

なぜならば、労働生産性を決定する要因の1つは人的資本であるからです👍

人的資本蓄積の経路は大きく2あり
①学校教育、②職場訓練が挙げられます

近年では、大学進学率の男女差は縮小傾向にありますし、女性の進学率は上昇していることは素晴らしいことですね

このように人的資本理論からも
考えていくことが経済学的な観点において
大切なことなのです

②労働需要サイドからの差異

嗜好(好み)に基づく差別理論によると
雇い主は女性に対して
何らかの偏見を持つことが想定されます
したがって、雇い主は女性を雇用する際に
心理的なコストを感じてしまうのです💦

もちろん、会社も営利組織ですし
組織崩壊が起こらないような状態を
常にキープしたいことは当然なのです

もし、ジェンダーに対して
差別的な雇用主が存在するならば
利潤を犠牲にしてでも差別するかもです

よって男女間の賃金差は生産性に基づかない
ということになってしまいます💦

男女間で生産性が同じなら
女性を雇用することでより高い利益を達成する
という側面もあるので、一長一短なのです

したがって、ジェンダーでの差別は
結局のところ、利益にならないのです
もし、長期的な時間を要しても
市場が競争的になれば
ジェンダーでの差別をするような
企業は淘汰されていくでしょう

統計的差別理論に基づく考察


経済学を学ぶ上で、情報の非対称性(不完全性)
という言葉は常に意識されることを推奨します

例えばのケースを想定すると
雇い主は雇い入れますが労働者個々人の
生産性を完全には知らない
のです🫢

ただし、学歴やTOEICのスコアなどといった観点からその労働者のグループに関する情報は
知っているとします📝

また、労働者の生産性に関する情報を
観察可能な属性から類推しようと試みますが
その情報にはノイズが含まれています😂

例えば、就職活動体験記とも重なりますが
選考フローにおいてWEBテストや入社テストを課したとしましょう

企業はこのテストの得点を生産性や知能指数のシグナルとして受け取りますが、テストでは
仕事遂行能力を完全に把握できないのです


まあ、WEBテスト代行によって逮捕された事件があるように、WEBテストなどで労働生産性に関する情報を収集しようとしても
それはかえって情報の非対称性を増幅させてしまいかねないのです

統計的差別によりジェンダーギャップが生じるロジック

企業は費用を負担し、男女ともに訓練しますが
研修コストは長い間働くことで
その投資を回収できる

という経営戦略の下で実行されています

企業は情報の非対称性により
女性が何年働くかを知ることができません

よって、平均的な情報から女性の離職率が高いことを類推することになってしまいます💦

したがって、個人の離職傾向を測定する費用が
便益と比べ、高い状態にあってしまうのです

それだけ、人的資本の育成には
長い期間と経験の蓄積を要するということです

また、男性には平均的な男性の待遇、女性には平均的な女性の待遇をするようになるためやる気のある女性は労働意欲が阻害され平均的な
働き方となってしまう懸念
もあるのです

このような議論の帰結として
企業の予想したとおりの結果が実現するという
予言の自己成就が起こってしまうのです・・・

心理的側面によるジェンダーギャップ

男女間で競争的への態度が異なる可能性も
現実社会において十分想定されますよね

あくまで、1つの傾向ですが
男性は競争を好むが、女性は競争を好まない
という心理的データもあると思われます
私は「競争」が大好きですし、結果が全てであると思っていますから、この辺りの志向性も
労働供給やキャリア形成においてギャップになりますね🥺

実際に企業においても
競争に対する好みの差が昇進の差を生むことだって現実に起こりうる現象なのです

また、ワークライフバランスや働き易さを
就職活動の軸としておられる方も
当然、いらっしゃるでしょう👍
このような「心理的」要因へ着目して
考えていくことも必要なことであると
私は考えています


今回の解説はいかがだったでしょうか?
今回の解説はいかがだったでしょうか?

労働経済学を理解することで、世の中の問題
ひいては、自分自身の労働環境について
法的な制度や基礎的な経済学の概念から
考えることができるように
なると思います

なぜ、労働問題が発生するのでしょうか?ということを
心得ておくだけでも、何かビジネスや生活において有利になることは間違いないと考えます
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます💘


マガジンのご紹介🔔


こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠にありがとうございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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