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きみの好きなうた

何となく好きだったバンドの曲を聴けずにいる。

高校生の頃、外の音が聞こえないくらいの音量でイヤホンをして耳を塞いで机に突っ伏していた。
わたしにとって、すべてが雑音だった。授業中もこっそりと内ポケットにWALKMANを忍ばせ、イヤホンコードを袖から通して聴いていた。

それくらいには音楽が好きだったし、わたしにとっての盾のようなものだった。


UVERworldが好きだった姉に影響されわたしもよく聴くようになった。歌詞を覚えて、曲名を当てるとかそういうのは出来ないからファンと言えないかもしれない。
それでも歌詞が好きで、声が好きで、リズムが好きだった。加えて、好きになった人が好きだったから尚のこと好きになった。

今はお互いそれぞれの方向を向いているし、どうしているかも生きているかも分からないけれど。
別れてから、何となく疎遠になってしまったUVERの曲を聴く気になれずにいる。ふと思い立って、聴こうと思ってもすぐ別のバンドに変えてしまう。


思い出したくないのだ、あの日々を、思い出を。
何より、終わりを。あの人は、最後まで何も言わせてくれなかった。

またいつか聴けるようになるだろうか。

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