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妊活という言葉への言い掛かり


前回に続く話の前に、不妊治療という不測の事態に陥る前の生活を、言い訳めいた持論を用いて整理しようと思います。少しでも共感してくださる方がいると慰めになります。


ポイント

  1. 夫婦生活の枯渇

  2. 健康への無頓着

  3. 第一子に集中し過ぎる生活

  4. 仇となりしファーストテイク成功例


自己分析した4つのポイント考察

1.夫婦生活の枯渇についてですが、我が家の場合はおよそ2年間。珍しいことではないようですが、やはり環境の変化は直結しました。
我が家は基本的に一つの寝室にそれぞれのベッドというスタイルなのですが、子供が産まれてすぐの頃は私の隣にベビーベッドを横付けし甲斐甲斐しく過ごす毎晩でしたので、夫への対応は皆無です。1歳になる頃ベビーベッドに寝なくなった子は、次に私のベッドに寝るようになり、以下同文。授かり物とは言いますが、二人目以降の場合では多方面への努力が必要となるのです。
さらに訪れたホルモンバランスの変調により、夫への関心が失せる時期が長くありました。私の場合は信じ難いほどに本やネットで得た知識の通り、夫に対して常に苛立ち、不快感が湧き、子と自分の関係に対し障害(!)と感じるほどにマインドは制御不能でした。夫には本当に申し訳なかったのですがその都度理解を求め、自分の苛立ちを制さず諦めながら時間が過ぎるのを待つようにしていました。夫に愛情が持てないことは想像以上に辛かったです。今でもイライラすると“ホルモンバランス”を冗談めかして口にしますが、日常のささくれ立つ瞬間と産後の大波にさらわれたかのような気分の起伏とでは、それが異なる性質であることは明白です。
不妊治療においても様々な感情が退いてはすぐに押し寄せます。心の健康管理は自己責任であり夫婦間の責務ですので、私の場合いつかは夫を労いたいと思います。
話を戻し、一般的に夫婦生活を経て疑い始める不妊。特に年齢を念頭にした不妊治療を行う身としては、夫婦生活再開のタイミングをもう少しでも急げばよかったと思わずにいられません。善は急げ、ここでは本当でした。


ポイント2.は言い訳のしようがありません。産後の体重は増えたまま、子供と同じだけ睡眠を貪り、運動も子供の世話以外皆無です。子育ての大変さを理由に駄食や不摂生が加速した今の自分。客観的に見ると妊娠に向けての意識を全く感じません。目指したいと思っていることではあります。健康的な(食)生活。一旦目を瞑って次のポイントへ。


3.については自分の希望でありこれも言い訳無用です。可能な選択肢の範囲内で子供との時間を過ごしているにほかなりませんが、想像以上に子供が可愛く、環境の変化を望むことなく過ごしてしまっていたところがあります。満たされすぎて、もう一人子供がいたらと考える隙が少なかったということです。


長々と書きましたがとにかく正直なところは⒋に尽きます。たまたまファーストテイクで願いを叶えた私も、かねてから妊娠や出産を簡単に捉えていたわけではありません。しかしそのたまたま起こった幸せが、願えば叶う、やればできると体現してしまったわけですからやはり、これを裏付けとし結果的に第二子への計画に真剣さを欠いたのです。


この先言い訳ですが、輪をかけて私の計画を緩慢にしたのが次の言葉です。

“妊活”は特効薬ではない

突然ですが私は、世間一般に浸透している“妊活”という言葉に対しやや危機感を覚えます。妊活を経て出産したと謳う数多の著名人を想起させ、誰しも努力次第で結果が出る活動のように聞こえるからです。頭が悪いと言われたらそうなのですが、私はその中身も知らず、妊活という言葉にゴールまで導いてもらえる気でいました。
例えるなら、ダイエット本の通りにやれば痩せる、ジムに行けばもっと痩せる。水泳を習えば泳げる、頑張れば選手になれる。何の保証はないはずですが、努力と掛け合わせれば叶う道があるように見えるものです。叶わない現状が受け入れられず、まるで努力側が不足しているものと誤解するようでは、持って生まれた身体能力や望みの本質を無視していることになります。
『困ったら妊活すればいい。妊活があれば大丈夫。』そんな特効薬はありません。言い掛かりめいた自己分析であることは重々承知です。しかし、日常に頻発する”妊活”というこの言葉の使用上は、どなたも責任の一端を担う覚悟で、用法を考えて頂けないものかと密かに思います。言い方を変えても言い掛かりですが。


ところで妊活も、その活動内容はきっと人により様々なはずです。何をもって妊活と言うのか最後に1分だけ考えてみました。

”妊活”3、いや2行で

おおよそは、生活習慣の見直しから医療による不妊治療まで総称された言葉のようです。子供が欲しいなと思うその“気持ち”だけを妊活と呼んでしまうような記事も目にしました。簡単な話ばかりではなく実際、妊活の扉を開いて初めて知ることはたくさんありました。年齢別の詳しい妊娠率や出産率、流産率、ホルモンや卵子のこと、人工授精や体外受精の仕組み、金額、保険の適応、さらには男性の精子こと。医師や看護師を志すでもない限り、妊娠を希望する以前にこうした知識を得る場面が非常に少ないと感じるのは、私だけではないと思います。調査したところ、妊娠出産の知識については諸外国に比べ日本は下位であるそうです。


曖昧な知識と取り組みを“妊活”と称し、あたかも正解が待っているようなポジティブさを放つ当事者たち。妊娠すれば何を指そうと”妊活”の賜物。かつて自身も軽口を零したことがないだろうかとしみじみ省みます。


以上が私の触れておきたかったことですが、そんな妊活軽んじ論から話を戻して自身の陥ったポイントをひとつずつ総括すると

1.ホルモンバランス
2.怠惰
3.甘え
4.罠

解決策は不明ですが、この頃の自分には第一声で『早く妊活しましょう』と、言ってあげたいです←


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