【悲報】 現実味を帯びるエネルギー危機 2024/02/03
現在WTI価格は72ドル代を推移している。
ここ最近は原油価格に影響する要因が行き交っている。
中国の経済状況の悪化を受け、原油価格が下落傾向に動いていると同時に、本日のアメリカのイラクとシリア領内に対する報復攻撃により地政学的リスクが意識され上昇した形である。
X(旧Twitter)でもフジテレビの報道が拡散されているようで、「戦争」を意識した投稿が見受けられた。
果たして、アメリカの報復攻撃によって考えるべきことは第三次世界大戦なのだろうか。そのことについても本稿では考察している。
さて、ここ数日はイスラエルによるガザ地区への攻撃を背景に始まった「親イラン派フーシ派」によるタンカーへの攻撃やそれに対するアメリカやイギリスの報復攻撃が日に日に増しており、原油市場は上昇圧力をかけられており、底値が硬い要因となっている。
筆者はこの状況が続けば、気付かぬうちに各国が「超えては行けないライン」即ち「レッドライン」を超え、エネルギー供給に支障をきたす可能性がいよいよ現実味を帯びてきたと考えている。
市場では「実際に供給に影響が起きても需要サイドが弱い為、影響は限定的である」と言った声や「日本には備蓄があるから大きな問題はない」といった声も聞こえるが、一次エネルギーの多くを石油に頼っている日本では少なくとも影響はあるのではないだろうか。
そこで、今回は現段階における中東情勢から石油の供給が途絶する現実的な2つのシナリオを整理していく。
現実味を帯びる石油供給途絶
シナリオ①
親イラン派フーシ派は昨年11月からイスラエルを支援する西側諸国の商用船舶を拿捕するなどの行為を行っており、西側諸国の船舶に対しては攻撃する声明を出していた。
しかし、先月26日、ロシア産の石油を乗せたタンカーを攻撃したとの情報が入った。
ここで明らかになったのは、ロシア産の石油を運んでいたとしても船舶会社が西側諸国であれば、関係ないということである。
また、今回の件を受け、フーシ派の攻撃を恐れ中立的ポジションを取ってきたサウジアラビアも標的の対象になる可能性がより現実味を帯びた。
シナリオ②
米兵3人の死亡を受け、米国はイラク・シリア国内のイランが間接的に支援する組織に攻撃をした。
アメリカもイランも相互に中東地域において戦火を拡大する必要は無いとの認識を示しているが、「レッドライン」を超えてしまう可能性が無視できない。
報復が続けばいつの間にかレッドライン超えてしまう可能性も高まる。
ただ、危惧するべきはX(旧Twitter)で言われている第三次世界大戦よりは、「アラブの春」の様な状態になる可能性の方が高いのではないだろうか。
まとめ
エネルギーの多くを石油に頼っている日本にとっては、実は中東の事態は一大事だと考えている。
次のNoteでは、実際にエネルギー危機に陥った際の影響を考えていく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?